21.《ネタバレ》 「ブスじゃなくてブスッと」 題名の「ブス」は心がブスというより表情がブスッとしてるってことかな。 少女が東京に出てきた理由が最後まで明示されないのが落ち着かない。 後半がすばらしい。 いろいろと痛みを感じて、でも踊りを芯に据えて生きていこうと決めて文化祭で演じることにする。 しかし途中でセットが崩れて呆然とするのが秀逸。 お七と同じく準備したキャンプファイヤーに火を点けるのも悲しくていい。 それでも彼女は力強く生きていくでしょう。 最後の、母と談笑する富田靖子が素のままで、 それまでの鬱屈した感じの役と変わりすぎていてよくない。 スタッフロールを見てこれは富田靖子のPVかと思いました。 【pige】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:36:34) |
20.青春映画としては、特に惹かれるところもなし。八百屋お七はよかったですが。ところどころ凝った演出が見られるのですが、アートを気取ったようなところがあり、かえって作品のよさを削いだような気がします。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-30 10:33:19) |
19.石原さとみとよく似た美人だ。本編中と対照的なエンドクレジットの表情も素晴らしい。映画としては、彼女の心境の変化や成長に関しての演出が甘く感じられ、今ひとつ乗り切れない。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-19 08:05:12) |
18.《ネタバレ》 富田靖子は別にブスではないのだが、ほとんど表情が無く、たぶんブスッとしていると云う意味でのBUSUなんだと解釈しました。笑わない、喋らない、顔を上げない、視線も下へ落としたまま。主人公とは思えないレベルでした。 でも、彼女にとっては明るく楽しく周囲と接する必然が無かっただけで、自然にブスッとしている印象でした。ガンコ親父の日常の顔が怒っているように見えるのと同義です。彼女はあの顔が楽だったんだと思う。劇中、叔母から「逃げている」と形容される台詞があるけど、積極的な意思を持った逃避には見えなかったのでチグハグな印象さえ受けました。いや、私はこれはこれでアリだと思ったのです。無理をしてまで学園生活を謳歌する必要は無いはずです。 顔付きの話は別にして、そんなBUSUにも変化は自然に訪れました。文化祭の演目を押し付けられたことで、周囲との接触が増える。それで充分でした。彼女は一生懸命「八百屋お七」に取り組んでいたけれど、何かを懸けていた訳では無いので不運な失敗も致命傷には至らない。 エンディングの笑顔を伴なった言葉が全てを語っていると思います。「色んな人がいる」。自分もその「色んな人」の一人と自覚し、他者への興味から世界が拡がって行く。さり気なく、とても大事なことを言ってます。不機嫌な青春を希望へ軟着陸させた。そんな秀作だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-10-15 01:18:13) |
17.《ネタバレ》 この映画のタイトルの意味は性格的なブスという意味で間違いないだろう!あれも嫌だし、これも嫌だし、とにかく全てが嫌で仕方ないそんな性格ブスを演じている富田靖子、この女優と言えばまず真っ先に大林宣彦監督の「さびしんぼう」での一人二役を思い浮かべる。そんな富田靖子の魅力満載、何しろこの女優のオーラ、顔付き、表情、全てが観ていて不思議なほど癒される。富田靖子演じる麦子が先輩の芸者の籠を持って走るシーンや文化祭でのあの八百屋お七のシーン、そして、何と言ってもラストの清々しさ、晴々とした笑顔が素晴らしい。それまでほとんど笑うこともなく、常に暗い表情しか見せなかった麦子が見せる初めての笑顔の中に初めての幸せ、幸福感、喜び、色んなものが見てとれる。作品全体を包み込む優しい感じのする市川準監督による映像、少ない台詞、最近の映画のように何でも台詞で語らせるものとは対照的な映像で見せるこの映画が私は好きだ。この映画は何度も言うように富田靖子、富田靖子、健気な女の子とどこか影のある不思議な女の子を演じさせるとよりスクリーンの中で輝きを放つこの女優さんが私は好きです。「さびしんぼう」は別格として、それ以外の富田靖子の出ている映画でどれか一つだけ選べと言われたら迷わずにこの映画を挙げる。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2009-11-15 10:22:05) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 森下麦子はキャリー・ホワイトである。ブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』は、家庭にも学校にも居場所を見出せない孤独な少女を悲劇的に描いた傑作だが、市川準監督は怒りと悲しみのなかで死んでいくしかできなかった少女キャリーへのレクイエムとして、この映画を撮ったのではないか。そう思えてならない。『BU・SU』の主人公森下麦子は、キャリーのようにいじめの標的にされるわけではない。むしろ陰湿ないじめを目撃すれば独り敢然と立ち向かうような少女である。つまり彼女の孤独は周りのだれかのせいではなく、彼女自身が選んだ自分自身で乗り越えなくてはならない問題として描かれていく。周囲の人々も、キャリーを助けようとした熱心な教師や同級生のような慈善的な人物は描かれない。彼女の叔母や担任教師ら大人たちの、柔らかくも程よく距離感をもって接するような描写が秀逸だ。麦子は決して救いの手を乞うているわけではないからだ。世界の片隅でじっと押し黙り所在なさげに生きるこの少女を、カメラもまた一歩引いた距離をおいて捉え続ける。切り取られた東京の風景、そこに異物として埋もれるように溶け込む麦子、あるいは学校の駅を乗り過ごし千葉の住宅街をあてどなく彷徨する彼女の姿は、孤独な青春の心象のように忘れがたい印象をのこす。文化祭の演目で失態を演じ、会場の笑い者となる麦子。市川は、『キャリー』においては悲劇の引き金となったそのシーンをそっとスライドさせ、その哄笑のなかにキャリーが決して見ることのできなかった、笑わず真剣に彼女を見守る幾人かの顔を映し出す。それはおそらく麦子を見つめる市川準の視線でもあるのだろう。その目はさりげなくも温かく、そしてとてもやさしい。キャリーのように体育館を火の海にすることなくファイヤーストームに火を灯す麦子。彼女にそうさせたのは同級生津田君の半ば強引な牽引なのだが、劇中麦子にだれかの手がさしのべられる唯一のそのシーンの、なんと力強く感動的なことか!青春とはバイオレンスのない闘いなのだろう。自分との孤独な闘いを一旦終え、晴れ晴れとした顔を蛇口で洗う麦子。青春は決して美しいものではない。けれどだからこそ最後の最後ではじめて見せる彼女の笑顔は、たまらなくいとおしい。個人的には、青春映画において森下麦子を超えるヒロイン像はこの先も出ないだろうと思う。 【BOWWOW】さん [レーザーディスク(邦画)] 10点(2009-07-20 00:11:26) (良:2票) |
15.《ネタバレ》 面白くありませんでした。冒頭に母親と鈴女の意味ありげなシーンを描いたので、それで物語を引っ張るのかと思いきや、15分くらいであっさり会話せりふでネタばらし。しかも母親の不倫と提示されるだけで、鈴女にどういう心理変化があったのかわからないので感情移入できず、ひたすら暗いだけの鈴女にいらいらしました。また、踊りに力を入れ始めるきっかけも単純な上、上記の理由によって応援したいと思えず、映画的なカタルシスを感じませんでした。さらには家族問題に変わる物語を引っ張るフックが新たに提示されることもなく、周りの薄いモブ描写も加わるものだからとにかく散漫な話になっていると思います。うごめく都会の見せ方、売春男をはじめとする人の描写、説教くさい台詞の羅列、ラストから逆算した「お七」のとってつけたような描写。 登場人物の感情も、状況説明も、すべてがぶつ切り映画で面白くありませんでした。 【くらわんか】さん [地上波(邦画)] 1点(2009-04-12 03:31:26) |
14.若かりし頃に一度見ているが、その時は何も感じなかった作品。そして本日、取り寄せていたビデオを再見。いや素晴らしかった。溜息のでる映像の数々と八百屋お七のキーワード「火」をうまくリンクさせた演出は流石の一言。作品として原由子の曲以外は文句のつけようのない出来でした。そして見事だったのは主演の冨田靖子。鬱積の溜まった社会に押しつぶされ、どこにも発散できない若者の感情を無表情でありながらも演じきっていました。モノクロでかぶさるエンドロールの成長した姿の対比もよかった。彼女は83'に「アイコ16歳」でデビューし、85'に大林宣彦監督「さびしんぼう」で主演。そしてこの市川準初監督作品「BU・SU」でも好演してみせた。主役を張る美しく上手な女優さんは数あれど、作品に恵まれる人は一握り。近頃の彼女を思うと心苦しいが、それでも一瞬の輝かしい時に名を残す作品で演ずることのできた彼女は本当に幸せな女優さんだと思う。80年代に二人の巨匠に見出された稀有な存在としても。それにしても彼女は時折、とても魅力的な表情をする。 【カリプソ】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2008-05-24 23:45:24) (良:1票) |
13. 冨田靖子はきれいだし、所々いいシーンもあるのですが、なんとなく散漫な印象です。高校生もリアルじゃないし。もっといい映画になる要素があるのだからちょっと残念です。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-02 10:49:08) |
12.地方の人間が東京に出てきた時に感じる、何とも表現しにくい「異空間的」都会の表情がよく出ていると思います。だから元々東京に住んでる人にはこの空気感は伝わりにくいのかも。自分はたまたま上京してきた頃この映画を観たんで、すごく共感出来ました。八百屋お七の逸話を地下鉄のホームで富田靖子が聞くシーン、隅田川の川ベりで踊りの練習をする彼女をトレーニング中の高嶋政宏が何気に見ているシーンが特に忘れられません。 (追記)故市川準監督作品が続々とDVD化された為、約25年ぶりに本作を鑑賞。確かに演出にところどころ舌っ足らず的な部分があるのは、初監督作品なだけに否めないとは思いました。でもそんな些細な瑕より、自分が上京した頃の、容易には地方出身者を寄せ付けくれないような、1987年当時の「東京の空気感」は、あの頃以上に強く感じ取れましたね。地下鉄自体が物珍しくって、何の用事もないのに東西線に乗り浦安方面に行ったヒロインの行動なんか、まさに自分がやってたのと同じ。青春時代の思い出の映画、唯一本だけという事なら、僕は洋画では「ファンダンゴ」、邦画ではこの「BU・SU」をチョイスします。嗚呼、泣いても叫んでも戻らない日々よ・・・。最近の自分はやたら感傷過多気味、ゆえに1点加点。BOWWOWさんの素晴らしいレビューに感服しました。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 10点(2004-05-15 10:18:58) (良:1票) |
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11.《ネタバレ》 富田靖子はいいんだが、作品自体はどうも学芸会のノリそのままという感じ。これは市川準の経験不足なのか、内館牧子がミスったのか判断に迷うところ。「八百屋のお七」の失敗をキャンプファイヤーの火付けでやり直し、というのもどうなのかなあ。やや安直な気がする。 |
★10.良い雰囲気の名作風味の作品なんだけど、終盤は正直しんどい。盛り上がりに欠けるというか、だれてくる。とは言うものの、富田靖子はいい。作品の中できちんと変化していく様は共感を誘う。 【もとや】さん 5点(2004-03-09 17:36:18) |
9.当時は驚いたインパクトの有る主題…観ればなるほど。外面的なものでは無く内面的なものを描いているのは良いですね。ひねくれ者で確かに内面ブスの18才の女性が、どれだけ変われのか…。配役が少し苦手なので、期待しないで観賞した分逆に悪くなかった。 【_】さん 5点(2003-12-30 03:17:06) |
8.この監督の、「東京」を描く視点が好きだ。すこし青みがかった町のたたずまいが、なんともいえない東京の風情をかもしだしている。この映画に関しては、それ以外はあまり感じられなかったけれど。 【神谷玄次郎】さん 5点(2003-12-23 16:29:26) |
7.富田靖子は良かったです。BUSUだと思ってる女の子は観て下さい。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2003-12-23 12:02:05) |
6.《ネタバレ》 ものすごく好きで、一時期何度も繰り返し観ました。今でもセリフはところどころ言えるくらい。有名な俳優さんは数人出ていますが個性的な人が多いし、まわりの生徒役の人たちなどがほんとに普通っぽいところがこの映画をとてもリアルにしています。富田靖子が最初めちゃくちゃ暗くて複雑な事情を背負っているんだけど、没頭できるものを見つけてだんだん変化していく姿に静かな感動を覚えました。理屈でなく、この映画の持つ空気が大好きです。ただ、最後のシーンはいらない気がする。でも10点つけます! 【きょうか】さん 10点(2003-10-16 01:17:38) |
5.市川準のユーモアと落ち付いたたたずまいが出ています。唱歌「♪OOOの虹をこえて~(?)」がすごく印象的。市川作品なかでも富田靖子出演作品のなかでも一番好きです。 【チューン】さん 8点(2003-09-18 10:15:51) |
4.深い映画だと思うけどカット後のあの作品は価値半減。もとが10点だったから5点。 【あかね】さん 5点(2003-05-04 22:30:57) |
3.「心がBU・SUの少女」が人生に対して前向きになる話です。ガンバレー! 【Tomo】さん 7点(2002-03-01 20:22:03) |
【白うなぎ】さん 5点(2001-11-19 01:28:14) |