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ムーンライト

[ムーンライト]
Moonlight
2016年上映時間:111分
平均点:6.17 / 10(Review 35人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-03-31)
ドラマ同性愛もの
新規登録(2017-03-01)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-09-15)【にじばぶ】さん
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監督バリー・ジェンキンズ
キャストトレヴァンテ・ローズ(男優)シャロン(ブラック)
アンドレ・ホランド(男優)ケヴィン
ナオミ・ハリス(女優)ポーラ
マハーシャラ・アリ(男優)フアン
ジャネール・モネイ(女優)テレサ
脚本バリー・ジェンキンズ
音楽ニコラス・ブリテル
撮影ジェームズ・ラクストン
製作総指揮ブラッド・ピット
配給ファントム・フィルム
編集ジョイ・マクミロン
ナット・サンダーズ
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12
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15.《ネタバレ》 気の滅入る映画には近年消極的だ。
ましてやトランプ大統領への抗議票による作品賞に違和感はあったが、鑑賞後、これ以外にありえないと思った。
描かれる物語は、貧困、麻薬、売春、育児放棄、イジメとネガティブイメージが並ぶ。
それでも思った以上に暗澹な気持ちにならなかったのは、主人公の美しくも繊細な精神世界にシンクロされたから。
同性愛の映画とは思えない、むしろ自分みたいに生き辛さを抱えた者たちの映画かもしれない。

重要な部分をあえて省いたのも、誰もが人に知られたくない秘密を抱えているように思える。
どこにでも起こりうる普遍的な現実。
フアンとケヴィンがいなければ、彼は異端者を排除する社会に立ち向かえなかったかもしれない。
たとえドラッグディーラーに身を落としても彼の人生はこれからも続くだろう。
残酷な世界でも強く生きていく。
華やかな世界とは程遠い日蔭者でも月光に照らされるだけで生きていると実感できる価値がそこにある。

本作はウォン・カーウァイに強い影響を受けており、元ネタの作品群を見るきっかけになったことを感謝する。
Cinecdockeさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-01-01 00:57:27)
14.《ネタバレ》 2017年アカデミー賞作品賞に輝いた、ゲイの男性の半生を描いた作品。自分がセクシュアルマイノリティではないので、鑑賞後に色んなことを考えたが、たどりついた結論は『対象が異性でないだけで、恋愛の過程は似ている』だった。
恋心の芽生えや、かつての想い人との大人になってからの再会などが妙にリアルだから、余計にそう感じたのかもしれない。
メディア等では映像美や音楽が褒められているが、特にそれらには惹かれず、少年時代に味わった周囲からのゲイ差別や、成長してからの売春婦の母親との和解、といった現実感を見せてくれたところに賞賛したい。
ただ正直、作品賞受賞というスケールの大きさに匹敵する満足度かと言われると微妙。
カジノ愛さん [インターネット(字幕)] 6点(2017-12-11 07:50:07)
13.第89回アカデミー賞を例のドタバタの中で勝ち獲った本作。先ず何と言っても、ポスターのビジュアルデザインが秀逸だと思う。
一寸、一人の男の表情を色彩を変えた切り込みを入れて写しているように見えるが、よく見ると3人の男の別々の表情がモンタージュされて一つの表情が構成されていることが分かる。
この映画が、一人の男の人生を年代別に描き出す構成であることを示すと共に、各年代の人生の連なりが一人の男の人格を形成していることを如実に表す素晴らしいデザインワークだ。それに何よりも、美しくて、格好良い。

一人の男が抱え続けた苦悩と葛藤、それに伴う純真な想いが、あまりにも美しい映像美の中で、辛辣に、残酷に描きつけられる。
決して、特別なドラマがあるわけではない。描き出される物語は極めてミニマムで、普遍的だ。
現代社会における一方的な常識や価値観の押し付けにより、“マイノリティ”の立場で生きざるを得ない主人公の生き様は、極めて哀しく、叙情的に映し出される。
けれど、きっと同じような苦悩や葛藤を抱えて生き続けている人達は無数に存在していて、この映画の主人公の姿は、その一つの象徴にすぎないのであろうことを、今作の普遍性は物語っている。


前述の通り、この映画は三幕構成になっている。主人公の少年期、青年期、成人期が、それぞれ“痛み”と一抹の“救い”をもって映し出される。
少年期を描いた第一幕、青年期を描いた第二幕は、本当に素晴らしい。
まさに月光に照らされた刹那を切り取ったように美しく、儚く、だからこそ辛辣で残酷な人生模様に包み込まれる。

ただ、第三幕への連なりがやや唐突過ぎるように感じてしまったことは否めない。
成人期を描いた第三幕自体の出来栄えが悪いわけでは決してないけれど、物語の展開と帰着を強引に詰め込みすぎているように感じてしまった。
茶化すつもりはないのだが、青年期から成人期への変遷において一気に変貌した主人公の“筋肉量”の過剰ぶりが、その唐突感を如実に表しているようだった。

あのような変貌を遂げなければ、あまりにも大きな傷を抱えて、打ちのめされた主人公の青年が、その先の己の人生を繋ぐことが出来なかったのであろうことは十分理解できる。
しかし、10年の年月を飛び越えて、やせっぽっちのティーンだった主人公が、突如としてマッチョな麻薬ディーラーになっているという展開は、少々類型的過ぎやしないか。

彼が“ブチ切れた”後に、どのような道程を辿って、人生を踏み外していったかを、もう少ししっかりと描き出すべきだったのではないか。
もしくは、第三幕以降の余生までを描いて、もっと丁寧に彼の人生の帰着を紡ぎ出してほしかった。
なぜならば、この第三幕の描写のみでは、彼が麻薬ディーラーとして成り上がっている様が、哀しき傷を負った者の運命として安直に肯定されているように見えるからだ。

どんなに辛い過去があろうが、環境に恵まれてなかろうが、彼が「犯罪者」であることそのものは、彼自身の罪であり、それを取り繕うことはできない。
彼が売り捌いたドラッグで、数多の悲劇が連鎖的に生まれていることは疑う余地もない。
それに対する贖罪の様が皆無なまま、ただひたすらに自らの深い傷心を癒す邂逅を、いくら情感豊かに見せつけられても、素直に感じ入ることは出来なかった。
具体的な落とし前を描かなくとも、何かしら彼が犯した罪に対する贖罪の予兆くらいはあって然るべきだったと思う。


ただし、このマイノリティの普遍的な苦悩を描きつけたインディペンデント映画が、その年の最高の栄誉を勝ち獲ったことの意義は深いと思うし、それを否定するつもりは毛頭ない。

この世界は決して平等ではない。太陽の眩い光はすべての人に満遍なく降り注ぎはしない。
ならばせめて、月の淡い光を浴びて輝くことができる自由を。
今作のポスターに写る“3人の主人公”は、静かな瞳を携え、無言のまま、ただ強く訴える。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-10-15 23:56:20)
12.これでアカデミー賞?という感じ。
ジャケットのメッセージ性と美しさに作品が追いついていない。
まったく無名でまったく期待せずに出会っていたらもう少しましな印象を受けたとは思うけど。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 6点(2017-09-19 01:00:25)
11.《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。人が何かに心から期待し、一方で絶望するかもしれないという恐怖を同時に覚悟するその瞬間、どういう顔をするのかということをはじめて見せつけられた。
昔から大好きな小説に、新田次郎の『風の中の瞳』(1958年、東都書房→1976年、講談社文庫)というジュニア向け小説があって、その中で引っ込み思案の女の子が思いを寄せる男子からの言葉を待つ瞬間が、こんな風に描かれているんだよね。
「「それに、澄田さんは僕にとって……」
日野はことばを切った。それ以上のことはいってはならない気がした。いえば、千穂にけいべつされそうな気がした。しかし、日野敏夫のちゅうちょを千穂は許さなかった。彼女は、全身の期待を、その黒い二つのひとみにこめて、日野の言葉の先を要求した。……彼女の目には力があった。いわせないではおかない強さがあった。この一瞬を逃したら、永久に孤独で、化石した女になるかもしれないという彼女の恐怖が、千穂を勇敢にさせていた。」
そんな瞬間を、これを読んだ時にもそのあとにも、自分自身は経験したことがないので、希望と絶望を同時に覚悟する瞬間の顔って、いったいどんな顔なのだろうとずっと思っていたのだが、30年目にしてこの映画にその答えを見つけたのだった。
「You the only man that's ever touched me.」と言ったあとのシャロンの顔。長い間、その瞬間を迎えるためだけに生きてきた、そしてそのあとのことはすべて覚悟したうえで何かを求める人間の顔。自分にとってはそれを見るための映画になった。
ぽん太さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-29 10:10:53)(良:1票)
10.《ネタバレ》 オスカー作品賞!というタイプではないと思うけど、素直によくできた良作。アメリカの観客にとって説明過多にならない程度の省略なのだけれど、日本ではちょっと文脈がわからない部分が多いかも。でも、この省略のおかげで、スラムに住むゲイの黒人少年の半生といういかにもドラマティックな内容が、パーソナルで内省的な作品にうまく昇華したと思う。何より印象的なのは色彩感覚。ほぼ全員が黒人キャストだからこそ際立つ肌の色の描き方(そのトーンの多様性も含む)や、太陽や月の光の美しさ。『それでも夜は明ける』でも思ったけれど、最近の「黒人映画」は、各シーンの構図や配色がいちいち絵画的で、残酷な物語なのに(だからこそ)本当にうっとりするくらい美しい。その「絵」を見るだけでも見る価値あります。ストーリーは、主人公とそれを取り巻く人々(母親、父親代わりになるフアン、「初恋」の相手ケヴィン)のあいだの関係性の変化を丁寧に描いていて、これも好印象。オスカー脚色賞は納得。派手でドラマティックな展開ではないけれど大切にしたい一作です。
ころりさんさん [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2017-04-21 16:51:10)
9.《ネタバレ》 非常に良かった。
確かに、LGBT設定抜きにすれば、ありがちなラブストーリーだけど、役者が醸し出す緊張感とか、終始楽しめました。

私はLGBTでないけど、それでも楽しめる。
でもゲイの人ならもっとだと思います、ゲイ心くすぐる映画でもあると思います。

ラララ見て感動したけど、本作はそれ以上でした。
fujicccooさん [映画館(字幕)] 7点(2017-04-18 17:38:02)
8.やっぱりゲイは理解できなかった。ララランドだと思う。
Skycrawlerさん [映画館(字幕)] 6点(2017-04-15 01:04:18)
7.《ネタバレ》  有色人種に対する差別や貧困など、わざわざ事細かに描く必要は無く。LGBTに対する差別にしたってそう。だってこれは本当は普通の恋愛映画なのですから。それが普通ではないと見なされる、普通として捉えられない限り、この世界は不幸なのです。

 終始受動的な主人公の秘めた思慕、本来大切なのはそこだけ。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 8点(2017-04-12 22:43:54)(良:2票)
6.主人公にはいろいろな困難があります。でも、それらが結びついておらず、一つの物語として機能していない気がします。そのため、映画のテーマがつかみきれず、監督は何を言いたいのか、それがわかりません。でも、オスカー獲るぐらいですから、わかる人にはわかるんでしょうね。
shoukanさん [映画館(字幕)] 5点(2017-04-11 22:37:40)
5.如何にもアカデミー賞作品といった趣き。ストーリーは陳腐で退屈。悪くはなかったけど、DVDになってから家で見てもよかったかな。
kaaazさん [映画館(字幕)] 6点(2017-04-09 19:41:04)
4.《ネタバレ》 巻頭で波音が響いてきたかと思う間もなく、カーステレオからの音楽がそれに被さる。それはいいとして、
ラスト近くの二人のツーショットでも波音が静かに二人を包んで響いているところに、劇伴を重ねてしまう。
ダイナーでジュークボックスの曲を台詞の代弁として使っているのも直截すぎてかなり野暮ったい。

そこは作品のスタイルからして、二人が共有するメロディの慎ましい追憶であるべきではなかろうか。

随所にブルーを配置した色彩の設計は終始一貫していて統一感がある。
再会した二人の夜、湯を沸かすためのガスコンロが点火され、青い炎がふっと燃え上がる。そのような細部にも色彩が活かされている。

廃屋の窓を開けてくれたマハーシャラ・アリ。レゲエ男への復讐の意を決して自らドアを開け放ちつつ突き進む主人公。
そして彼を受け入れるガラス張りのダイナー、そのドアの呼び鈴のアクセントと、ドアのモチーフも充実である。
ユーカラさん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-04-07 01:20:05)
3.《ネタバレ》 説明が少なく、想像させる事に重きを置いた演出が特徴。繊細な主人公の心の揺れ動く様が丁寧に描かれており、重厚な人間ドラマとしては傑作。
ただ、私にはこの物語の主人公があまり好きにはなれなかった。ただ、それだけだ。
ホアンが主人公に言ったセリフで「やりたいことは自分で決めろ。周りに決めさせるな」というのがあったが、この主人公は仲間に誘われて売人になり、それで成功している。周りに流されてるやん!これがやりたい事!?嫌悪してたんじゃなかったの?・・・・と、私には全くピンと来なかった。
しかも、売人でのし上がる様を全く描いていない為、あんな気の弱い高校生が急にチンピラになった感じで、一体何があった!?と困惑せずにはいられない。これは想像しろったって無理ってもんでしょう。
2章まではかなり引き込まれただけに、ちょっと残念な終わり方だったかな。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 7点(2017-04-02 18:52:42)
2.《ネタバレ》 ホアンの素顔や死も、男同士の愛戯も、母の生業と末路も、シャロンの麻薬ディーラーとしての側面も、省略または隠蔽、排除され間接的な表現にとどまっている。
唯一ある暴力を介したいじめも肉体感覚を伴いながら描かれる事はない。
重いと思われるであろうテーマから醜さや汚らしさを漂白し、テーマの表面を滑走していく物語。
全てを見せる事が良い事とは思わない。むしろ過剰よりは不足、省略に美学を感じる。
ただ、繊細な男の繊細な愛を描くにしては、あまりにも相対的に粗雑さや細部が欠け、行間に頼り過ぎなのではないか。
そして粗雑さがない世界では繊細さは生まれないのではないか。
ちゃじじさん [映画館(字幕)] 5点(2017-04-02 02:10:36)
1.《ネタバレ》 悲しい時に見る景色は綺麗に見えるもので、月明かりの浜辺はその通りの美しさ。ヒョロヒョロの少年シャロンは父の様に慕うクスリの売人(母にも売っていた事を知り彼のもとを去る)に「自分の人生は自分で決めろ」と教えられる。ヤク中の淫売婦の母の育児放棄とゲイを標的にされるイジメに遭う過酷な少年期を経て自らも屈強な(ちょっと信じ難い程の)売人のチンピラとなる。初恋の友人ケビンとの再会で恋心を告白したところで終わりとなる物語に、「だから? 何が言いたい? これで作品賞?」呆然自失状態。更生施設らしき所で面会した母の涙の懺悔と更生して真っ当に働くケビンに接したシャロンが今後の人生をどのように決めるのだろうか。考えさせられたところに3点。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 3点(2017-04-02 00:07:08)
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【点数情報】

Review人数 35人
平均点数 6.17点
000.00%
100.00%
200.00%
312.86%
425.71%
5617.14%
61337.14%
7720.00%
8617.14%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 5.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 5.33点 Review3人
4 音楽評価 4.00点 Review1人
5 感泣評価 4.00点 Review1人
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【アカデミー賞 情報】

2016年 89回
作品賞 受賞 
助演男優賞マハーシャラ・アリ受賞 
助演女優賞ナオミ・ハリス候補(ノミネート) 
監督賞バリー・ジェンキンズ候補(ノミネート) 
撮影賞ジェームズ・ラクストン候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)ニコラス・ブリテル候補(ノミネート) 
脚色賞バリー・ジェンキンズ受賞 
編集賞ジョイ・マクミロン候補(ノミネート) 
編集賞ナット・サンダーズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2016年 74回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
助演女優賞ナオミ・ハリス候補(ノミネート) 
助演男優賞マハーシャラ・アリ候補(ノミネート) 
監督賞バリー・ジェンキンズ候補(ノミネート) 
脚本賞バリー・ジェンキンズ候補(ノミネート) 
作曲賞ニコラス・ブリテル候補(ノミネート) 

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