8.《ネタバレ》 1機目の突入を唯一カメラで捉えた彼らは、偶然とは言いながらもまさに歴史の目撃者となった。さらに幸運が重なったのはもともとの取材対象が消防隊であったことだろう。そのまま消防隊に随行し、事件発生から救助隊の現着、2機目の激突、ビルの崩壊と立て続けに起きた出来事をもっとも間近で記録した映像に違いない。ニュース映像などでたいていの映像は見た気になっていたがニュースでは流されなかった映像も多く、粉塵の中に飲み込まれる映像など想像を絶するような事象を追体験させてくれる。また、新人を含めた消防士たちの人間関係や信頼感を丁寧に描き出していることも、彼らへの感情移入を生みだし全体に緊張感を与えることに成功している。テロへの思いは人それぞれあるだろうが、あの日あの現場で何が起きていたのか、一度は観ておくべきドキュメンタリーであると断言する。好み35/50、演出13/15、脚本12/15、演技5/10、技術7/10、合計72/100→7/10点 |
★7.単純に兄弟愛にガツンときた。でも、これだけかな。確かに衝突シーンや生々しい飛び降り音はかなりの衝撃だったけど、戦争をしてしまったんでイーブンっていうか、打ち消されるっていうか…。 【モチキチ】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-01-23 08:06:03) |
6.《ネタバレ》 よく「息詰まるドラマ」なんて言うけど、これは本当の意味で息が詰まった! 何しろカメラが災害現場にいるだけでなく、災害に巻き込まれてしまうんだから。轟音がして、カメラが揺れ、ビルが倒壊し、遠方に見えた土埃がどんどん大きくなり、街の風景を変えながら見る間にカメラまで迫ってくる。逃げる、なんて考える間もありゃしない。それから後の画面は一面の白いホコリばかり。北海道の吹雪も、目の前があれくらい濃密な白になると息ができなくなる。だもんで、画面の前で息を止めてしまいました。事故直後にチェルノブイリ原発の取材を強行したドキュメンタリーがあったが、あれに匹敵する恐ろしさがあった(もちろん、事故としての規模は911の方が遥かに小さい。こちらの方が派手だったから目立っただけ)。あと、取材対象だった新人消防士の、事件前と事件後の変貌振りが凄い。最後の「男になった? …男ってなんだ?」という台詞には、どんな劇映画でも語る事のできない、当事者だけが口にできる重みがある。他の消防士たちも、事件を境にいろいろな変化が起こっているのを目にできる。この変化は製作の当事者たち、要するに現場に居合わせたカメラマンや、彼を探しにWTCまで行った監督にまで及ぶ。遠い将来、この事件すらもハリウッドが映画にするんだろうが、このドキュメントを超える事はないだろう。ただし、ブレアウィッチ並みに手ブレが多くて吐き気を催すので、未見の御仁は覚悟して観るべし。 【エスねこ】さん 7点(2004-11-01 02:03:32) (良:1票) |
5.9.11の映像はもう何度見てもまったく慣れないですねぇ。よく「歴史の生き証人」という言葉が使われますけど、テクノロジーが生み出したそれまでになく確実性と具現性を持った「歴史の生き証人」が映像だと思うんですね。人間だったらいつか死んでしまうし話は記憶と関わってるから確実なものではないし、具現性に乏しいものでしょう。それまでもっとも確実なものは書物だけだった。書物は人間と違って死にませんからね。だけど具現性に乏しい。映像はこの確実性と具現性を両方兼ね備えているわけですよ。今、巷に溢れてる映画、映像はほとんど価値のないものばかりだけど、でも映像の存在する意義は何かと言ったら、そこにあると思いますね。こういう優れたドキュメンタリーを見るとつくづくそう思います。内容に関しては、そうですね、人が飛び降りるあの凄まじい音。ダーーーーン!っていう爆発したみたいな。あれは強烈ですね。この兄弟は、遺体は映してはいけないものだ、ていう立場をとった。この倫理に関してもすごく関心しますね。遺体を映す映さないっていうのはドキュメンタリー作る人では考えが違う。一線を越えるか越えないかみたいな。勿論、悲惨なシーンを見せてもそれは凄く訴えてくるものにはなるけど、倫理的にどうかっていうのがありますよね。 【あろえりーな】さん 9点(2004-07-23 01:23:15) |
4.本当にタイトル通りの衝撃の事実。9・11何が起こったのか、新聞、ニュースで見たものは表面的なものだったのかもしれない。兄弟達の手で「現場」を見ることが出来たが、事件当初は凄まじすぎて封印されていた。おそらく、何年経っても何度見ても胸が痛む作品だと思う。 【西川家】さん 7点(2004-03-09 21:28:14) |
3.「9・11」と聞いて、「テロ機がWTCに突っ込んで崩壊させた事件」と言うのは容易だが、よくよく考えてみれば、あの事件がひと段落して全貌がある程度解明されてから初めて「9・11」という呼び方が定着したのであって、事件当初からそのように便利なキーワードがあったわけではないことに思い至る。日本の「地下鉄サリン事件」とか「阪神・淡路大震災」がそうだったように、事件が発生したあの朝は、何が起こっているのか誰にもわからなかったはずだ。あの朝、消防士達は何が起こっているのかわからぬままに現場に行き、情報が錯綜して混乱するなかで精一杯自分達ができることをしようと模索した。そして、依然として何が起こっているのかわからぬままに、大音響の暗闇にカメラとともに消えるのだ。混乱、混乱、混乱...。あとになって思えば9・11だけれども、あのとき起こっていたのは9・11ではないことを、このフィルムを観ると痛感する。要するに大事件とは、どこもかしこも混乱した現場の集合に過ぎないのだから、「事件は現場で起こっていなかった」と逆説的に言うことができるのかも知れない。もちろん,このドキュメントフィルムには「その後」もあり、現場が「事件」になっていくさまもあからさまに記録されている。このような作品が作れたのは、もちろん運命のめぐりあわせもあっただろうが、製作者の兄弟がすでに数ヶ月もの間消防官と寝食を共にし、信頼関係を築いてきたことも大きかったのだと思う。それが世紀の映像なのにもかかわらず、全く気負ったところがない抑えた筆致に如実に現れていると私は感じた。 【veryautumn】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-02-11 23:27:48) (良:2票) |
2.ドキュメンタリーってかなり好きなのですが、いつもみたいに脳天気に感想がいえる作品ではないですね、観たこと無いのなら是非観てください。 【ないとれいん】さん 8点(2004-01-25 21:46:47) |
1.たまたま取材対象だったNYの消防士たちが同時多発テロに巻き込まれていきます。映画のようにかっこいいセリフを言うわけでもなく、感情を爆発させるわけでもなく、彼らは淡々と任務を遂行します。WTCロビーで消防士たちが集結して作戦会議を開いている横で、ビルから次々と人が落ちてきて「ビターーーーン!!」という音が響き渡ります。非常に衝撃的なドキュメンタリーです。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-01-18 18:33:08) |