40.《ネタバレ》 冒頭、駅に現れたいかにも西部のならず者といった面々。その中にはジャック・イーラムの姿も。
口元に止まったハエを何とか追い払おうとするシーンが可笑しかったりもしますが、
この男たち、全く言葉を発しない。音楽も全く使われない。しかし彼らがかもし出す張り詰めた空気がたまらない。
そこに現れたブロンソン。この男たちをあっという間に撃ち殺す。
それに続く農場一家の皆殺し事件。悪役ヘンリーフォンダが登場する。
ジェイソン・ロバーズが登場する。ユーモアさえ感じさせる余裕しゃくしゃくの本作のロバーズ、かなりいい味出しています。
そしてCCが登場する。西部の荒野に凛として咲く一輪の花といったところか。
登場する誰もがベラベラ喋らない。とにかく寡黙な作品。
ゆったりとしたテンポの長尺ですが、1つ1つのシーンの裏に常に緊張感が張り付いている。おかげでその長さを全く感じさせません。
モリコーネの音楽も相変わらずの素晴らしさ。
ゆっくりと登場人物の事情を明かしていく作品のテンポと合わせるように馬がゆっくり歩を進めるかのような音楽。
そしてもう1つ。これぞモリコーネ、と言うような甘美なスコア。
CCが農場へ向かう馬車の車中に流れるこの音楽。
果てしなく続く荒野と巨大な奇岩の群れ。一般的な西部劇の音楽とは趣が異なるこのこの音楽がこの風景にピタリとはまる。
前半は登場人物の相関図に分かり辛さはありますが、中盤以降は実に分かりやすいストーリーとなっています。
誰と誰が最後に対峙し、その結末がどうなるかも分かっているようなものですが、
その最後の決闘に至るまでの過程をゆったりと、じっくりと堪能する。
僕が愛してやまないブロンソン。ラスト近く、CCの元へ帰ってくるシーン。何なんだ!この時のブロンソンのカッコ良さは!!
この時のブロンソンは、今まで見た中で一番カッコいいブロンソンかもしれません。