3.《ネタバレ》 かなり大真面目で骨太なサスペンスアクション。
冒頭すぐに始まる銃撃戦。撃ち殺される同僚。目の前で丸腰の犯人を撃ち殺す先輩警察官。『これが嫌なら警察を辞めるんだな。』の一言。これだけでこの作品は只者ではない予感が。
ストーリーは完全に巻き込まれ型サスペンス。この巻き込まれ具合が尋常ではありません。
車泥棒に殴られ、倒れていたところを拾ってくれた探偵と陰謀に巻き込まれ、人違いで命を狙われ続けます。最悪の偶然を重ね着したような理不尽な展開。これがずーと続くわけです。
その理不尽さの中で、主人公がただ恋人に会い、プロポーズをし、二人で生きていくことだけを願っている姿が切ない。
アクションとしては抜群の面白さで、とにかく緊迫した展開が続きます。
恋人と再会してから、ブランチやブドウ畑に行く話をするようなゆったりとした時間の流れの中にも、なんとも言えないひりつくような緊張感が消えません。これはもう映画の雰囲気の作り方が上手いのでしょう。
ただ、本来全く関係のない人間が、ひたすら痛い目に会い、辛い運命を辿ってしまうのは見るに耐えないものがあります。
映画としての完成度、面白さは満点ですが、救われない主人公が気の毒すぎて、自分の好みには会わない結末でした。
アクション映画なのに爽快感に欠けるのは、その大真面目すぎるプロットが原因でしょう。
はまる人にはめちゃめちゃはまる面白さだと思います。