★1.《ネタバレ》 パニック映画にコメディ要素を散りばめた、いわゆる「息抜き系パニック映画」(私が勝手にカテゴライズしているだけですが)なら笑って許せることも、本作のようにきっちりパニック映画としてガチで制作している場合には、当然見逃せないことがある。 いくつか挙げると、まず、あって無いような水圧、発症しない潜水病、いつまでも照明が明るい室内、なかなか無くならない酸素、逆になかなか増えない二酸化炭素、おまけに州知事の娘は襲わないサメなどなど。あまりにもたくさんのポジティブ要素。多すぎる・・・。
おまけに最近の映画では、女性がヒーローに描かれて、男性は情けなく助けられる傾向が強すぎて、ちょっとどうなの、これって〇〇ハラスメント?と思ってしまうが、近年当たり前のようにスクリーン上で繰り返されるこのパターン・・・業界からこの条件がお題で与えられているのだろうか? 特に今回はそこまでスキルがあるとは思えない州知事の娘エヴァが、トイレでひとしきり涙した後に唐突に「覚醒!!!」、いきなりのリーダーシップ発揮と、機内からの脱出を図るために、今まで隠していた火事場のバカ力的スキルを発動する。 夜の海で光も届かないほどの暗い深い海の中で、海溝に飛行機が落ちていくときに発生する想像を絶する水流に対して、それを横目に素潜り状態のエヴァが大きく目を剥き、口を結んで息を止め、海上目指してひたすらに手で水をかくその顔、その姿は、そう、それはもうアニメ「未来少年コナン」を彷彿とさせる世界で、少しのリアリティもそこには存在しない。向かってくる翼をかわすとかもう人間業じゃない。(見えるわけないのに)
エヴァの彼氏のジェドがサメに足を食われた時、私を守って怪我をしたあなたは英雄みたいなことを言っていたが、いやいや彼は自分で足滑らして水の中に落ちただけで、その後油断していただけだから、要は自分の不注意以外の何物でもないのだが、何故かここで互いに褒め称える会話の応酬はいったい誰にアピール?
CAダニーロもなかなかの曲者で、この人の仕事はおばあさんに人工呼吸したところでおしまい。あとは全然仕事をしないし、さも自分が行くかのような動きで荷物を退けて貨物室入り口を開けた後、当然のようにエヴァを行かせた時には、思わず「おい!お前が行くんじゃないんかい!」とツッコミを入れてしまうほど空気を読まない。悪い奴じゃないけど、こういう要領のいい奴が何故か生き残るんだよね。
で、飛行機が墜落するまでに登場した人物紹介の流れの中で大体わかる死亡フラグ・・・いや、今回は逆に生存フラグだが、それが立った3人(主人公、子供、変に目立つ微妙なキャラ)はやはり生き残った。実に分かりやすい暗示。 ただし、生存者3名でそのうちの1人が州知事の娘というのは、やはり微妙で、後日誹謗中傷の的になるのは確実かと。。。 【リニア】さん [映画館(字幕)] 5点(2024-10-31 18:38:28) ★《新規》★ |