20.巧い。何が巧いって、この映画のタイトルの巧みさに尽きる。美しく、まどろむような偽り。そうそれはまさにスイミングプールの水面に煌く乱反射だ。現実と妄想の境界線を絶妙にぼかすことによって生まれるミステリアスな空気感。その中で息づく、二人の女の歪みつつも澄んだ心情と官能美に圧倒される。じわじわと染み入ってくる映画世界の余韻が心地いい。あ、やはりあとこれだけは言いたい。サニエ嬢最高です☆☆☆ 【鉄腕麗人】さん 8点(2005-01-20 03:23:09) |
19.《ネタバレ》 ランプリングの存在感。神経質で底意地の悪い感じ、単なる狂人ではなく、どこかが壊れた普通の人、といった人物造形が絶妙だ。こういうオチはありがちだが、それを多重人格のようなセンセーショナルなネタを使わずに作家の創造性で説明しているのがいい。日の光にゆらめくプールの水面、裸で泳ぐ若い女、唐突に行われる殺人……これはいわばプールにぷかぷか浮んでまどろんでいるうちに見た白昼夢のようなものだったのだろう。心地よく、美しく、幸福感に満ちた、しかし背筋が冷たくなるような狂気もかいま見える夢。楽しいけれど、油断すると何かに足首を掴まれて水中に引き込まれそうな、得体の知れない不安がある。プールからあがった後、楽しく泳いでいたはずのプールが、実はある女の心の中だった、というぞっとする真実に気付かされる。 【no one】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-01-16 02:54:14) (良:1票) |
18.作家性の強い監督って、どうしてこうも同じ女優さんを使いたがるのかな。確かに2人とも魅力的だけど、ちょっときな臭いものを感じる。シャーロット・ランプリングは自分の魅力を再発見してくれたオゾンを信頼しているだろうし、サニエ嬢にしても演技開眼させてくれた恩師なわけだから、これはもう、最初から人間関係のトライアングルが完全なる二等辺三角形。全面的に身を預けてくれるから、監督としてもやりやすい、という感じが見え見え。役者が監督に真っ向から向き合っていない映画は見ていてつらい。(こういうタイプの映画は特に)「監督のいう通りにさえすれば、あとは綺麗に撮ってくれる」なんて感じでやられては、お金のかかったただの自主制作作品になってしまう。オゾン監督に「それってどういうこと?」と恥ずかし気もなく問える役者がいれば、こんなにも評価の低い映画にはならなかったと思う。ウォン・カーウァイ、リュック・ベッソンなど、時代の寵児と賛美された監督は、大体、似たようなドツボにはまったような気がするし....。役者はもうちょっと監督を疑った方がいいかも、ね。 【showrio】さん 6点(2004-12-22 15:11:00) (良:1票) |
17.裸のシーンも多いけど、やたら水着で横たわっているシーンも多かった。見終わって考えてみるといったい何が起こったのかよくわからない。意外とか予想通りとか言うような結末でもないような気がするし、伏線があったのかもしれないけどそれが何だったのかとか考える気にもならない。 【HK】さん 4点(2004-11-26 13:08:19) |
16.この映画、いろいろ解釈がありそうなラストはあまり重要ではないです。重要なのはリュディヴィーヌ・サニエの乳でしょう(断言)。しかしまぁ、なんというか彼女が脱がなかったらこの映画の魅力は半減以下ではないでしょうか(あ、別に僕が乳狂いなわけではないですよ)。僕の中ではフランスの女優は当たり前のように脱ぐ・・・って感じなんですけど、それが良い面と悪い面があると思うのです。じゃ、ここで女優が脱ぐ必要あるのか?と。多くの映画の中にはテレビの2時間ミステリーの濡れ場のようなものも、残念ながらあります。でも今年の映画では、このサニエの乳と先日観たナオミ・ワッツ(『21g』)の乳は作品を語る上で重要なものだと思うのです(『ジョゼと…』の池脇千鶴の乳は微妙ですが・・・)。女優さんは無駄な脱ぎ方はしては自分の価値を下げるだけだなーと感じます。なんかね「脱げば評価される」みたいな映画界の風潮もどうかと思うんですけどね。人間の生活の中ではセックスって当たり前のものであり、日常的なものであるわけじゃないですか。別に人間には繁殖期があるわけでもないし。でもそんな当たり前の生活の中に宗教(道徳観)が入り込んでセックスを隠してしまった。 それが良いか悪いかそういう話ではなくて、もちろん。またはエロか芸術か、なんてもう100年ぐらい論争してると思いますが、全く不毛なものであると思いますよ。悪影響を及ぼすようなところでは公開しない(この映画はR-15で良かったと思います)、それで万事オッケーじゃないのかな。自分の親と観たら確かに恥ずかしい映画でしょうけど。恋人同士で観れば映画館を出て、最後のラストをあーでもないと語る光景は目に浮かぶようですが、お互い結局残るのはサニエの乳なわけで(あれ?違う?)。恋人未満の関係だったら(僕は恋人未満の人とエロティックなシーンを観たことはないけれど)、とっても良い関係になれるのではないかと(含妄想)。わかりませんが。なんか、この映画と全然関係ない話になっちゃってますね。まあいいか。この作品は「エロい作品」と中学生のように感じることもできれば、大人ぶって「綺麗だ。芸術的だ」と言える作品でもあります。楽しみ方は人それぞれあっても良いのではないでしょうか(15歳以上であれば)。ちなみに僕はこれ、レイトショーをひとりで観に行きました。まわりは全員カップル。 【ひろすけ】さん 5点(2004-10-29 23:07:55) (良:1票) |
【kasumi】さん 5点(2004-10-24 17:15:24) |
14.絵は綺麗でエロティックだし良いのだが、神経質な女流ミステリー作家の一人旅、外された十字架、突然の来訪者、先読み苦手な私でもオチがマル分り。ココへだけは行ってくれるなと思う努力も虚しく、予想通りの展開、オイオイ頼むよ。オマケにこの映画を早朝8時のモーニングタイムに上映だよ、普通レイトショーでしょ、オイオイ頼むよ。 ポケモンの子供に混じって券買うのツライって。 【亜流派 十五郎】さん 2点(2004-08-11 11:04:44) |
13.作家に限らず創作者は良く「登場人物が勝手に動き出して・・・」と言いますよね。動き出したどころか、現実にさえ思え、更に自分の内面まで揺さぶり出したのかも知れませんね。妄想をはるかに超えたところにこの作品の魅力が。いつまでも水面に一緒に揺られていたいような作品でした。更に色を添えた、それぞれ世代の違う裸体。それに比べてモッコリなだけ、ムッチリなだけ、ヨボヨボなだけの男たちのゆるい体。いろんな意味での対比を楽しみました。 |
12.ラストでかなり「?」出ましたなぁ。なに?2人の女性の内と外の変化、プールサイドに立つ欲情の男たち。対照的なリアクション。日記と書きかけの原稿と、処分したはずの小説。十字架。諸々、後から拾い集めるのが楽しぃ。そして一気に加速するストーリー。複雑な心境にさせるスイッチやったけど、ぞくぞく来た!オゾン的な刺激は要所で。ん~、なるほど!って不確かな感触にニヤリ。終盤のランプリングの奇跡的な艶やかで清らかな美しさ、そしてラストの爽やかな笑みに。魅せるって部分、天才的だわ。ラストを見ちゃうとミステリアスな側面に囚われてしまいがち。全てを解き明かすより、内面に触れ・・引かれて、隠された部分にまた吸い寄せられる。観てる時、その後、と二重引力に見事に虜にされました。 【れこば】さん 7点(2004-07-24 11:19:22) |
【ジョン・コナー】さん 8点(2004-07-15 13:10:54) |
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【ドレミダーン】さん 8点(2004-07-11 15:39:43) |
9.お話についてはすでにネタばれされてしまってますが、これは全く何も知らずに見ることをお勧めします。 オゾン監督が技巧を尽くして観客を惑わそうという作りですからいろいろ知ってから見ては面白くない部類の作品です。 作りは確かに斬新でいろんな仕掛けが謎めいています。散りばめられた謎や話をどう解釈するかなど、いかようにも考えられるので後々まで謎が尾を引きます。見た後、話は盛り上がるでしょうし好奇心旺盛な人は探求するのが面白いでしょうが、私はちょっとスッキリしないでモヤモヤしたままです。ほんとに観客を悩ませるような凝った作りです。 主演のランプリングとサニエが魅力的ですが、ちょっとエロチックでこのミステリーを独特なムードにしてます。 【キリコ】さん 6点(2004-07-05 20:21:23) |
8.《ネタバレ》 終始、南仏の美しさ、プールの美しさ、に見とれてしまいました。 あのミステリアスな音楽も大好きです。サラとジュリーの肢体を足先から舐めるように撮って2人を比較したような絵はお世辞にもセンスがいいとは言えませんけど・・・。私がこの映画で好きなところは、初めはプールも葉っぱだらけであまり綺麗ではなかったのが、だんだんと綺麗になって水が澄んでいくところでしょうか。以前から当たり前のようにわかっていたことですが、男女間で相手に好意を持つのはやっぱり自分に年齢が近い人に対してなんだな~、と改めて感じました(笑)。オゾン監督は、歳とってもまだまだイケるぞってことをこの映画を見た人に言いたかったのかもしれませんね。 そして、普通は映画というのは終盤にかけて盛り上がりを増していくものですが、この映画ももちろんその例に外れずにエンディングに向かっていくわけです。この映画のすごいところは、なんと言っても、その盛り上げどころにシャーロット・ランプリングのヌードをもってくるところなんです。それまでにちらほら出てきたサニエのヌードは、まさにラストを引き立てるお膳立てに過ぎないのです。この緩やかな終盤を考えた監督も凄いですが、体一つでクライマックスを作ることのできる彼女のボディはもっと凄いですよ。やっぱり、ランプリングが脱ぐのとサニエの世代の女優が脱ぐのとでは重みが全然違います。彼女が大女優だからというわけではなく、あの裸体には何か言葉にできないような物凄い説得力があります。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-06-29 17:03:50) (良:1票) |
7.オゾンの映画は今まで一つも楽しめなかったが、これは面白い。現実と虚構の交錯のさりげない描き方は、自信と気品に満ちている。やはりシャーロット・ランプリングの存在感が大きいのだろう。嫉妬心に燃える、孤独で短気な英国人作家という役柄が実によく合っている。死体がプールに浮かんでいるのではないかと気を揉み、プールのカバーを恐る恐る取っていくシーンのサスペンスは、平凡ながら『悪魔のような女』を想起させる。そういった、オゾンの古典的映画への敬意には、純粋に嬉しくなる。 |
6.《ネタバレ》 この映画は、全てランプリングの頭の中のネタであり実際の娘は最後に出てきた歯の矯正をしたブサイクな女の子というオチなんだが、ちょっとこのオチはさすがにない方がいいと思う。 「マルホランドドライブ」なんかは妄想である必要があったんだが、どうも本作には妄想という必要がないと思われる。 ランプリングのサニエを見つめる複雑な感情が入り混じったなんともいえない視線や、「何も行動できないイギリスのおばさん」と言われたランプリングがジジイに執ったあの大胆な行動、社長とのやり取り、幻の作品等、全てが妄想と知ったら残念な気がします。 自分の中では、ラストを頭から消去して全て現実にあった物語とすることに決めました。 【六本木ソルジャー】さん 5点(2004-06-25 15:18:16) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 中年作家の妄想話、と言うか小説のお話か。アレが虚構コレが現実と考え出したら疲れました。混乱させるのは、監督の思惑通りなんだろうな。最近この手の作品が多いですね。 【ロカホリ】さん 6点(2004-06-15 19:30:40) |
4.《ネタバレ》 もうひとひねりが欲しかったようなこれでよかったような。おかげで裏読みをしたくなるしたくなる、、、。トンデモ解釈を披露するもよし、サニエ嬢の肢体を楽しむもよし、色々楽しめるちょっとだけ意地悪な映画。 【馬飼庄蔵】さん 8点(2004-06-15 14:57:28) |
3.《ネタバレ》 主人公が小説家、ラストにあっと驚くどんでん返しが…… と聞いてなんとなく想像していた通りのオチでしたが面白かったですね。 サラの食事、あの大盛りヨーグルトにコーラは笑えました。 【やっとこ】さん 8点(2004-06-09 22:00:59) |
2.サラの微妙な心理描写、サラとジュリーの微妙な共犯関係、そして二人と男達との微妙な駈引き。この「微妙さ」がプールという道具を通して幻想と現実の曖昧な世界へと誘う。海でもない、川でもない、プールの静かな波がまさしくその象徴なのだ。オゾンは好きではないけれど、これにはやられる。ランプリングもサニエも良いけれど、二人に翻弄(!?)される社長、庭師、ボーイフレンドにも注目。キャスティングの「微妙な」うまさに思わずニヤリ。 【もっちー・Ⅰ】さん 7点(2004-06-05 09:37:02) |
1.《ネタバレ》 普通でした。こういう妄想系(?)ここ数年多いですよね。しかしシャーロットランプリングは相変わらず魅力的でした。スモークがかかったような雰囲気の彼女は好きな女優です。なんともいえない魅力がありますね。下の方も仰っていますが、全編フランス語だったらもっと雰囲気よかったのになー。 【ぷー太。】さん 5点(2004-06-03 22:24:37) |