146.《ネタバレ》 な・・難解です。そしてわかりやすい。
この両極端な作品です。
きっかけは、アカデミー作品ということと、あのベネチオ・デルトロの助演男優賞。
そして、マイケル・ダグラスとキャサリン・ゼタ・ジョーンズの競演。
この作品はドキュメンタリービデオみたいなつくりで、
まず最初はその手法にとまどいます。
しかし慣れてきます。その手法とは・・
メキシコ領に入ると(最初ここから始まる)セピアっぽい色で、
ベネチオ中心のお話です。
変わってマイケル・ダグラスこの人の場面では最初普通の色、
ところがその子供の場面に関連すると青い画面へ・・
子供の世界が青い画面で父親がドラッグにおぼれた娘を探しに行く。
その青い画面にダグラスが入ることで子供の居場所の近さがわかります。
メキシコも国境を越えるとセピアから普通の画面に戻る・・
そういえばと気づけば、この監督のデビュー作、だいぶ昔に見ました。
理解できずに忘れていました。「セックスと嘘とビデオテープ」
ジェームズ・スペーダーのファンで見たのですが・・
あと「カラーパープル」も変わっていました。
撮影手法が変わっていることと、ドキュメンタリー出身ということも面白い。
ベネチオ・デルトロ・・そんなにうまいとは思わなかったことと、
(ユージョアルサスペクツのほうがよいと・・)すごい太ってて予想してたのと違い、
ああでも古谷一行に激似だと再確認(もっとセクシーだと思うんだが・・)
ダグラスよりゼタジョーンズのほうが食っていた。
しかしこの作品、実にまじめでストレート、立派な社会派映画です。
が・・長すぎる。もちろん無駄もなくわかりやすく親切なのですが、
映画としての娯楽が色分けくらいしかない。
日本人がこの問題を映画として見るのは難しいものがあります。
私は途中から面倒になり、青い画面中心に考えて見ていました。
嫌いではないのですが、深すぎる問題ですね・・
最後にセピアのメキシコの場面で、この国の子供らにはドラッグの世界はなく、
ドラッグを輸出する(というか・・)国のほうはまともで、
買うアメリカ側の色は病んだ青のままなのかと想像してしまう。
この余韻が深いのです。
もう一度見たいとは思わないですが、残る作品ではあります。