102.テーマ曲とともに語り継がれる作品だね。私としてはですね、サスペンスとしての展開を楽しむというより、映像とかっこいい男を堪能するといったほうがいいですね。観覧車も有名ね。でもやっぱりラストかなあ。 【envy】さん [地上波(吹替)] 7点(2005-10-11 09:42:00) |
101.《ネタバレ》 <第三の男>は、何時の世にも共通な人間の愛憎、信頼と裏切り、そして良心が生み出す虚しさを語りかける。だからこそ時代背景が半世紀前であろうと、虚無を経験した人がこの映画を見れば、「やはりなあ」とか、「そうなんだよね」と感じ入るのだろう。ハプスブルグの栄光が破壊され、英米仏露に分割統治された敗戦直後の混乱の街ウィーンは、陰影が豊富で将にその舞台に相応しい。 アンナはチエコの生まれ、戦後の不安定なウィーンで、オペレッタ女優として生きている。どさくさに紛れ、オーストリア人のふりをして。アンナの恋人(米国人ハリー)が突然に亡くなり、彼女は失意の内にも自分に降り掛かる困難に耐えようとする。ハリーの侘しい葬式の日、突然に恋人の親友ホリーが現われ、彼は不自然さから親友の死の原因を稚拙な形で追っかける。ホリーは、半分同情心で半分は恋慕でアンナに接するが、彼女はハリーの想い出を部分的に共有するホリーに仄かな好意を寄せ始める。 ホリーの悪戦苦闘の結果、ハリーが生きている事を掴み、チエコに追放寸前のアンナも悦ぶ。やがてホリーは、親友と思い込んでいたハリーの醜悪な実態に気付き、アンナの苦境を助けるためにも英国憲兵隊に妥協してハリー逮捕に参加、結果的にはハリーを自分の手で射殺する。しかし、アンナはハリーを一途に愛するが余り、自分の苦境を救ってくれたホリーの裏切りを絶対に許せない。そんなアンナを忘れられぬホリーは、本当の葬式の日に彼女が思い直す事を密かに期待して彼女の行く手に佇むが、アンナは亡くなったハリーの記憶を総べて消し去るかのように、ホリーを一顧することも無く静かに立ち去って行く。 名優達の素晴らしい演技、芸術とも言われる白黒画像形成とその組み立て、隙が無くテンポの良いシナリオ、そして伝統楽器チターによる「ハリー・ライムのテーマ」が響きわたり、忘れ得ぬ映画となって<第三の男>は私達の心に突き刺さる。軍司貞則氏は、原作・脚本のG.グリーンが「第一の男」、監督のC.リードが「第二の男」、作曲・演奏のA.カラスを「第三の男」と述べたが、確かにカラスの音楽抜きにはこの作品を語れないだろう。 映画撮影以来60年近く経過した現在も、プラーターの大観覧車(内部は落書き多し)、中央墓地の並木道(Tor 1 から入る)、ホテル・ザッハー裏手のカフェ・モーツアルトなどは健在である。 【チャロ主】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-10-11 00:15:44) (良:2票) |
100.オーソン・ウェルズが凄いという事は分かりました。 【たま】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-09-11 23:16:52) |
★99.《ネタバレ》 この映画を知らない人でも、実はハリーは・・・。という筋を知っている人は多いんじゃないでしょうか。そして主演:オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、ジョセフ・コットンという順番で、ガイドブックとかに載っているのを見た人も多いんじゃないでしょうか。・・・でも、主役はどう観てもコットンなんですが・・・これはものすごく損な役回りですねぇ。やることなすこと言うこと全部裏目に出るし、女にはフラれ、警察では相手にされず、猫にはスルーされるし、オウムには噛みつかれるし、子供と野次馬には犯人扱い。そして、出演時間がトータルでも20分足らず(ロングショット込み)のウェルズに美味しいところ全部持っていかれるし・・・。じゃコットンの演技がダメかというと、とんでもない、名演技だし。要するにこの役は、大根だとバカだし、名演しても損、結局どう演じても割に合わないんですね。ホリー本人もアンナに「なぜ私達はいつもかみ合わず口論ばかりなんだろう?」と言っていましたが、それはホリーが無傷の戦勝国のアメリカ人で、ここが他国に蹂躙され、統治されたウィーンだからでしょう。酒場に入ってきた警官に毒づくような、分かりやすい西部劇のガンマンはここではただ間抜けなだけ。抜け目ないハリーは上手く対応できましたが、気が付いたら、観覧車からの点を見ることもできない地下水道で逃げ回っている皮肉。彼はむしろ無意識に、自分を裏返した性格のホリーを死刑執行人に選んだんだと思います。 それにしても、映像の美しい映画です。斜めのアングルと際立った影の使い方、壊れかけた荘厳な石作りの建物。ふとアップになる名もない人物の1人1人までが力強く、あの風船売りのおじいさんに至っては、私にはファンタジーに見えます。チターの弦がふるえる様すら美しいモノクロの映像美。完璧を追求した結果か、面白味に今ひとつ欠けるのは否めませんが、後から味が出てきます。素晴らしいです。 【くなくな】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-08-16 15:09:49) (良:4票) |
98.《ネタバレ》 まずここがどこなのかというのが説明はあるけれど面食らいました。 複雑な時代のウィーン、4カ国語が行きかうのでそれも面白い。 普通かなり有名な作品でも全部英語だったりするわけで、 この作品は旅行客である主人公が、異国の中の異国に迷い込んだような 錯覚に見ているこちらも陥ります。 内容やオチはまるで違うけれども「ユージァル・サスペクツ」を思い出しました。 ハリー(オーソン・ウェルズ)を殺したのは誰か? というより町全体が異様で何か隠しています。 短く無駄のない作品ですので怪しいやつは押さえます。 まあ群衆の中に怪しそうな男やシチュエーションが出るたび惑わされるのです。 これは手品かもしれないなと途中から気づき始め、 第三の男は現れました。 いや違う、この男であるはずがない。 サスペンスでは犯人役はいきなり登場か最初から登場かに決まっています。 最初から登場しているのに姿を現さないやつ・・・ 謎解きは割りと早かったんですがそれよりも映像が気に入りました。 全体に少し斜めに傾いた構図、芸術的でさえある光と影の使い方。 このきれいさは「市民ケーン」より上をいっています。 難というか合わなかったのが音楽です。 「ドクトルジバゴ」のようでした。 もうちょっと低音を効かせたホラー系にしてもよかったかな。 この映画は音よりも映像で心情をよく表していると思いました。 【アルメイダ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-17 06:49:04) |
97.サスペンス、恋愛、人間ドラマ、社会事情、様々な要素が折り重なっているのに、小気味よくまとまっていて、完成度がとっても高い。こういう誰でも知ってる曲って、「この曲ってあの映画で使われてるんだよねー」とかサラっと言い放つと、知らなかった人からはだいぶ賢い人だと思ってもらえるので、そういうのも有難い。 【えいざっく】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-08 11:09:48) |
96.《ネタバレ》 映画のお手本のような映画!演出、脚本、撮影、編集、音楽、そして出演者全員の演技、どれをとっても完璧です。映画とは何か?光と影のバランスの妙、美しさ、それもモノクロならではの素晴らしい映像美の前には現代の映画が霞んで見えるぐらい素晴らしいです。勿論、サスペンスとしての魅力もいっぱいで何度見ても面白い!余りにも素晴らしいシーンが多くて、特に暗闇の中から浮かび上がるオーソン・ウェルズと墓地から続く並木道に立つ作家の前を振り向かずにハリー(オーソン・ウェルズの親友役、ジョゼフ・コットン)の恋人(アリダ・ヴァリ)が去っていくラストシーンは特に忘れられない印象を残すほどの名場面! 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-04 22:55:23) |
95.題名で、アイツが第三の男・・・・題名、ちょっと捻ってよ。 【ボバン】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-07 16:55:59) |
94.《ネタバレ》 アントン・カラスのチター演奏が余りにも有名な監督キャロル・リードの傑作。多くの方がおっしゃる通りモノクロ映像の光と影が抜群の効果を収めており、ハリーが窓明かりに照らされるまでの一連のシークエンス、並木道の哀愁溢れるエンディングシーンなどなど数々の名場面が鮮烈な残像を残します。飛び交う言葉が英語だけではなく、ロシア語など複数の言語が第二次大戦直後、敗戦国オーストリアの不安定な雰囲気を醸し出している。帽子をかぶった子供がもうひとつのサスペンスの伏線になるとか、愛猫を第三の男の正体を明かす橋渡しにするなど子供や小動物の使い方が憎いほど上手い。さらに後半、ホリィが殺人の容疑者として追われる身になるという二重のサスペンスを並行させる辺り、なかなか捻りを効かせた味わい深いプロット。そして、もうひとつの見どころが三人三様の人間模様。すばしこく世渡り上手なハリー(オーソン・ウェルズ)。そんな彼と対照的な、どんくさいが正義心の強いホリィ(ジョセフ・コットン)。20年ぶりに再開するものの、お互い人生観も方向性も天と地ほど変わってしまっている。圧制支配下のもとで生み出されたルネッサンス文化とスイスの鳩時計を引き合いに出し、悪人特有の理屈を並べるハリー。そして、そんな二人にはさまれるアンナを演じたアリダ・ヴァリが本作では文句なしに素晴らしい。情感の込められた最高の演技は、この作品にしっとりとした厚みを加えていた。カメラワークに映像、音楽、脚本、雰囲気描写、俳優陣の演技…どれを取り上げても素晴らしく、映画の教科書(お手本)と言われるだけのことはあると思います。 【光りやまねこ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-04-15 15:41:17) (良:3票) |
93.やっぱり今見ると、それほどドキドキしないなぁ。同じサスペンスものでも同年代に作られた黒澤明監督の「野良犬」は良かったんだが。 【夏目】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-04-06 12:59:53) |
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92.音楽が有名な第三の男ついにみました。ギターの音楽が粋ではありますが、古~い、古~い映画でした。面白かったか?と聞かれれば、微妙。第三の男が誰なのかちょっとドキドキでしたが、その後の展開とラストは枯れ葉でした。結論;あまり面白くない。 【杜子春】さん 5点(2005-03-13 09:49:52) |
91.う~ん・・・イマイチ惹き込まれるものが無いまま終っちゃかなぁという感じですね、正直な所。人間模様もさほど目新しいものでもなく、中途半端な所も多い。これがサスペンス映画の教科書的作品と絶賛されるのには疑問を感じてしまう。むしろコレより良いサスペンス映画は沢山ありますよ、絶対に。無論、アカデミー賞受賞というのも信じられない。サスペンスとしては凡作。というか古典サスペンスをブランド化してません?皆がいい=良い、とは限りませんよ。それにしてもチターの素晴らしい音色と、カメラワークの小技で映画の全体像を誤魔化しちゃってると思うのは俺だけですかね? オーソン・ウェルズ、そんなにすごいか?只のオヤジにしか見えない。 【ピルグリム】さん 3点(2005-02-23 17:59:37) |
90.これコメディですよね(アレ?)。曲の選曲といい終盤の演出といい、ただならぬセンスをかんじるなぁ~。風船のシーンなんてブラボー(涙)! 髭ジェントルマンな警部がフードつきのダッフルコートなんか着てたりして(笑)、何気にキュートです♪ 【ジマイマ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-02-23 17:19:28) |
89.ラストは切ないね。そういう意味でサスペンスを楽しむというよりも皆さん仰っているように人間模様を楽しむ作品だと思う。話には直接関係ないが映画に流れてる音楽のせいでビールのことばかり考えて画面に集中できなかった。つまみでも買ってきて今日はビールでも飲むかー!! 【ゆきむら】さん 6点(2005-02-22 22:04:55) |
88.《ネタバレ》 軽妙で美しいギターの音色が心に残ります。淀川長治先生が何かの本で書いておられた通り、その音色と共に登場人物たちの雄姿が頭に浮かびます。ストーリーは今となっては古臭い単純な物かもしれないけど、こういう完成度の高い映画って大好きです。ラストシーン、主人公がふられるシーン、微笑ましくていいですね。 【アーリー】さん 9点(2004-12-04 00:40:41) |
87.第三の男が誰かというサスペンスではなく、そこから始まる人間ドラマとして、楽しめた。 【HK】さん 7点(2004-11-24 07:22:41) |
86.《ネタバレ》 コンパクトにきちんとまとまっているとは思いますが、中盤のあのシーンとラストのあのシーンがなければ、相当印象の薄い作品になっていたのではないでしょうか。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2004-11-22 02:28:54) |
85.ストーリーは取り立ててどうという事はないけど映像がとても良い。夜の石畳の街角、広大な地下水道、郊外の大観覧車…全編ECMのジャケットという感じ。 【番茶】さん 7点(2004-08-15 22:50:53) |
84.《ネタバレ》 最初のほうにヒントが多すぎるので、オチが読めてしまった。でも、登場シーンの素晴らしさで帳消しです。あとは、ラストシーンの写真みたいな構図が素晴らしすぎです。あの画面を切り取って部屋に飾っときたいくらい。 |
83.《ネタバレ》 他の方々も仰ってますがとにかく光と影のコントラストが素晴らしい!建物の形状や人間の構造をすべて熟知しているかのごとく美しい。それにやはりここまで素晴らしいのはモノクロの映像という点。無駄な色がない分余計に光の当たり具合、影の付き具合が美しい。勿論それを捕えるカメラのアングルもまた素晴らしい。また誰もが一度は耳にしたことがあるであろうテーマ曲や、徐々に深まる謎、そしてラストのオーソン・ウェルズの息をも吐かせぬ逃走劇、映画の娯楽性と芸術性が見事に共存している映画です。 |