4.《ネタバレ》 メルヴィル作品が苦手という人にオススメな作品。メルヴィルファンにとっては佳作という人もいると思うが、逆にメルヴィルが苦手な人はこの初期のハードボイルドで彩らないウェットな作風が気に入るのかも知れない。
「海の沈黙」に続くジャン=ピエール・メルヴィル最初の傑作であり、後のフィルム・ノワールの傑作群に先駆けた作品。
初期の頃だからか、後のハードボイルド風の作風は抑え目。しかし、老いて尚も眼光鋭い賭博師の生き様が刻まれている。
解りやすく言えば、「仁義」で人生を“賭けた”強盗を襲撃する筈の男が、息抜きに寄ったカジノにハマッてしまい計画そっちのけになってしまうという話。
あれよあれよとツキが回り、止められない止まらない。
そんなボブの元に警察が。「まさかバレた!?」と思ったら参考人として逆に警察に保護されたようなもの。刑務所から出たら大金をポンだぜ?
「強盗なんて博打よりも、カジノでやる博打の方が面白いぜ!」と言わんばかりだ。メルヴィルのこだわりが感じられる美術も良いが、小悪魔イザベル・コーレイを初めとする女性陣や署長たちとの友情が心に染みる逸品。