9.すぐ向かいに住む美しいブロンドの女。毎日決まったように窓から顔を見せる。
髪や団扇が邪魔をしてその表情の全てがなかなか見えない。声も聞かせてくれない。
どういう性格で、毎日何をして過ごしているのかまるで分からない。
ミステリアス。すぐに恋してしまうかは別にして、興味を持たない男などいないだろう。
男は窓から姿を見せるだけのこの段階で既に完全にこのブロンドの女に恋をしてしまう。
この序盤のブロンドの女の見せ方や、脚の動かし方1つでその時の女の心理を表現する巧みさ。
マノエル・ド・オリヴェイラ、本作の監督がこの時すでに100歳を超えていることに驚かされます。
1時間程度の作品ですが、そんなに短い作品だとは思えませんでした。勿論それは退屈で長く感じたということではありません。