ザ・クレイジーズ(1972)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ザ・クレイジーズ(1972)

[ザクレイジーズサイキンヘイキノキョウフ]
(第2のカサンドラ・クロス事件!?/細菌兵器に襲われた街)
THE CRAZIES
ビデオタイトル : ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖
1972年上映時間:104分
平均点:7.25 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
ホラーサスペンスSFパニックもの
新規登録(2005-01-20)【なにわ君】さん
タイトル情報更新(2010-08-27)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督ジョージ・A・ロメロ
キャストジョージ・A・ロメロ(男優)(ノンクレジット)
脚本ジョージ・A・ロメロ
編集ジョージ・A・ロメロ
あらすじ
郊外の人口三千人余りの町エバンズ・シティで、ある日、男が突然暴れ出し妻を殺害した上で家に放火するという事件が発生する。すると間もなく、軍から派遣された防護服と防毒マスクの兵士たちが現れ、町を周囲から隔離した上で住民を避難場所に移動させ始める。消防士のデヴィッドは詳しい説明もなしままに強行する軍の態度に不信感を抱き、恋人のジュディたちとともに町から脱出しようとする。近くに墜落した軍の輸送機から有害な物質が流出し、深刻な汚染が拡散したことによって人々が凶暴化しつつあることも知らないまま。「ゾンビ」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のジョージ・A・ロメロが描くパニック・ホラー作品。
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1
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8.《ネタバレ》 コロナ禍を機にずっと観たかった本作ですが、サブスクでやっと鑑賞出来ました。

流石のロメロ監督としか言いようのない出来映えですね。アクションや特撮などには多少の不満がないことはありませんが、70年代の作品ということを考えれば納得出来るレベルですし、何より優れたテーマ性と脚本や演出を考えればそんな不満も消え去ると言うもの。

およそ50年前も昔に、感染症の恐怖とそれが人心と社会に及ぼす影響を描いたということの先見性、政府や軍が混乱の極みにある中で無謀な凶行に走る様への強烈な批判、現代においても、否、現代においてこそ強烈なメッセージ性を発揮していると言えるでしょう。

パニック状況下における兵士たちの非人間性、父娘の異常行動(これはパニック関係なしかも)など、ひとつひとつの細かなエピソードも見逃せないものばかり。誰が狂っていて誰が狂っていないのか?最後の最後まで緊張感が続き、混乱のまま幕を閉じるという展開も魅力ですね。

冒頭の主人公と恋人によるサービスカットというお約束的遊び心も忘れないところも流石。敢えて注文を付けたいとすれば、主人公と親友(悪友?)が良く見れば似てないのですが、ちょっと見が似ていて時々区別がつかなかったことでしょうか。

観れて良かった1本に9点献上します。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-12-01 00:31:53)
7.はい、やっと観ることができました、この作品。
ロメロと言えばゾンビ映画、のイメージですが、この作品はまだキャリア初期の頃、『ナイト・オブ~』の数年後。
『ナイト・オブ~』ではゾンビ対人間、という対立関係・断絶関係に、明確な境界が引かれていて、しかにそこに、人間がゾンビ化したり、人間対人間の断絶が描かれて、境界が揺らぐ。
それが、作品を追うごとに次第に、境界自体が曖昧になっていった感があります。
で、この作品。ゾンビ映画ではないけれど、ネタ的にはかなり近いものがあって、細菌に感染した人々が凶暴化、いわばゾンビ化する、という趣向。防護服を着た兵士、なんてのは、感染者と非感染者の境界をイヤでも感じさせるけれど、一方、あくまで描かれているのは細菌感染なので、当然、感染者と非感染者の境界は揺らぐし、そもそも感染しているのかいないのかも時には区別がつかなかったりする。それどころか、一連のゾンビ映画よりもずっと、両者の関係が相対化されていて、かなり醒めた視線で事件の経緯を描いています。だもんで、特定の人物に肩入れして描かれることもなく、そこが本作の愛想の無いところ。しかしユニークなところ。実験的、と言ってもよいかも。
こうやって見ると、もしかすると、ロメロが本当に描きたかったのは本作のような世界観だったけど、残酷趣味を含めたエンタメ性の確保、という観点ではゾンビ映画しかなかった、ってなことなのかも。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-03-20 06:45:08)
6.低予算ではあるものの映画にはスケール感があり、なかなか見応えのある仕上がりとなっています。舞台は田舎町で大規模な見せ場はないものの、国家の一大事というハッタリは利いているのです。この時期においてウィルス感染ものといえば「アンドロメダ…」くらいしか存在しておらず、その「アンドロメダ…」にしても地下の研究室でウィルス対策にあたる科学者のドラマがメインであったため本格的に感染パニックをテーマにした作品は本作が初であると思うのですが、そんな中で本作は感染パニックものとしてほとんど完成形とも言える姿をしています。以降に製作される「カサンドラ・クロス」や「アウトブレイク」といった大作が完全に本作の影響下にある点から、この映画がいかに先進的な作品であったかが伺えます。また感染もののプロトタイプであるに留まらず、ロメロらしい体制批判の映画である点からも本作は評価できます。問題の根本的な解決よりも秘密保持や治安維持といった体裁を優先したために対応が後手に回り、さらには現場でウィルス撲滅の対応にあたる科学者の邪魔までしてしまうという政府や軍部の無能ぶりが描かれるのですが、本作製作から40年近くを経た現在の日本において、原発事故の最中で日本政府は同様のミスを犯しました。この先見性はやはり凄いと思います。ホラーとしても見どころが多く、幼いわが子を殺す父親が登場する冒頭にはじまり、編み棒で兵士を刺し殺すおばあちゃん、銃撃戦のど真ん中で掃除をするお姉さんなど、狂気の見せ場が目白押し。本作におけるロメロの仕事ぶりは神がかっています。唯一残念だったのは主人公にまったく魅力がなかったことで、ボサボサ頭のブ男には感情移入できませんでした。
ザ・チャンバラさん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-10-20 22:20:24)
5.《ネタバレ》 『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』と『ゾンビ』の中間に位置するミッシングリンク的な作品であり、スケールもちょうど両者の間くらい。細菌兵器の漏洩によって住民の大半が感染し発狂、戒厳令を敷く軍部と全面衝突する。後の『28日後…』シリーズの元ネタにもなっているが、遡れば『処刑軍団ザップ』なるC級映画が本作に直接的な影響を与えている。予算はあまり無さそうで全体的に地味な出来だが、そこはロメロ先生お得意の社会風刺(軍部の杜撰な管理体制をメタクソに貶している)が痛烈に効いている。また、さりげないショットだが、軍人が死体から金品をネコババしたり、暴徒と化した住民と軍隊が激しい銃撃戦を繰り広げる中で、ひとり箒を掃いている女がいたりと、「狂気」の描き方が実に巧い。解毒剤を発見したとはしゃぐ科学者も、本当に発見したのか、彼自身感染しておかしくなっていただけなのか判然としないところが何とも不気味。後味悪いラストにさわやかなエンディングテーマを流すあたり、『博士の異常な愛情』にも匹敵する名作だと思うのだが、知名度が低いのが何とも…。以前発売されたDVDはとっくに廃盤になってオークションで高値をつけられていたのだが、先頃「特別版」が発表されたので、未見の方は是非(メーカーの回し者ではありません)。
フライボーイさん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-08 07:56:06)
4.《ネタバレ》 ロメロ御大お得意の風刺と皮肉が効きまくった展開は、脚本家向けの教材にしてもよいのではなかろうか。静かで余韻たっぷりなラストは、体制をめたくそに批判しまくっていて痛快でさえある。でも、アクションシーンはちとしょっぱくて残念。
センブリーヌさん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-12-18 18:31:56)
3.《ネタバレ》 内容的には、ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドの細菌兵器版といった感じですが、冒頭からのドキュメンタリー・タッチの映像と音楽がより臨場感をアップさせています。残虐表現はゾンビ等の後の映画のように血まみれの惨状、というものではなく、少し抑え目になってますが、笑いながら軍の隊員を殺すおばあさんは不気味そのもの。SFパニックの佳作といった感じです。そういえば、ゾンビでも眼帯をした博士かなんかの役で登場してたリチャード・フランスが、本作では主役級の役を演じていたってことにちょっと驚きました。
クリムゾン・キングさん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-22 20:24:30)
2.ロメロが「処刑軍団ザップ」にインスパイアされて撮った作品と言われているが、露骨なキチガイ集団の狂気をハイテンションに描いた「ザップ」に比べて、この映画のトーンはひたすら暗く重い。感染すると発狂してしまう細菌兵器を積んだ輸送機が田舎町に落下、軍隊によって町が隔離される中、絶望的な逃避行を続ける住民と対策を練り続ける軍部を平行して描く本作は、ロメロお得意のドキュメンタリータッチな映像によって、まるで自分がこの町の混乱に遭遇しているようなリアルな錯覚に陥ってしまう。更にこの映画が他の細菌パニックものと一線を画しているところは、誰が感染しているのかサッパリ分からないとこ。劇中に兵士が暴徒化した住民と銃撃戦を繰り広げる場面があるが、この住民が感染して発狂したのか、それともただの反乱分子なのかまるで区別が付かない。もしかしたら誰一人として感染なんかしていないのかもしれない。最高に後味の悪いエンディングに流れる優しい旋律の歌が、落ち込んだ気分を更に沈めてくれる。
終末婚さん 9点(2005-01-31 13:19:56)
1.この映画、かなり期待しました。ロメロ、細菌パニック、ドキュメンタリーチック、これほど観たい度を刺激されるキーワードはありません。でも期待が大きすぎたのか、微妙。ってゆーか、本当のところ、観ててしんどかった。退屈ってのじゃないねん。テンポもあるし低予算やけどうまくできてると思う。だから集中して最後まで観れるんやけど、なんんてゆーのか、ちょっとキモイってゆーんかな。別に「ゾンビ」みたいなドロドログチュグチュなシーンがあるとかじゃなくて、映画全体からキモイ光線がでてるとゆーか雰囲気が居心地悪いねん。それは、古くてちょっと汚くてアメリカのヒッピー感覚な70年独特の臭いってゆーんかな、微妙に変な音楽もキモイ度に拍車かけてるし、登場人物みんな細菌に犯されてなくても、どっかおかしい感がでてるしし(軍部もクレイジー)、ワザとなんやろーなこの感覚。ラストの物悲しさも嫌すぎ。「ゾンビ」とは全然違うこの精神的疲労感。もう二度と観ないです。見所は沢山あると思いますが、笑いながら刺すおばあさんと銃撃戦で掃除する女の方、そして常にキレテル学者が特にキモイです。もちろんあの独特のガスマスクかぶった風貌も。あの姿ってなんで、どっか怖くてキモク感じるんやろう。もうちょっとかわいー感じにはできんのやろか。威圧感あるよな~っていつも思います。とにかく精神が安定してる時にご観賞ください。憂鬱になります。題名どおりの狂気感はある意味でてると思うし、観る人によれば怖いってのもあるかも。でも冷静に考えるとこんな点数かも。
なにわ君さん 5点(2005-01-20 16:39:16)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 7.25点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5112.50%
6112.50%
7337.50%
8112.50%
9225.00%
1000.00%

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