キング・オブ・コメディ(1982)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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キング・オブ・コメディ(1982)

[キングオブコメディ]
The King of Comedy
1982年上映時間:109分
平均点:7.10 / 10(Review 81人) (点数分布表示)
公開開始日(1984-05-19)
ドラマコメディ犯罪もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-11-28)【Olias】さん
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監督マーティン・スコセッシ
キャストロバート・デ・ニーロ(男優)ルパート・パプキン
ジェリー・ルイス(男優)ジェリー・ラングフォード
ダイアン・アボット(女優)リタ・キーン
サンドラ・バーンハード(女優)マーシャ
ライザ・ミネリ(女優)ライザ・ミネリ
マーゴ・ウィンクラー(女優)受付
シェリー・ハック(女優)キャシー・ロング
キム・チャン〔男優〕(男優)ジョノ
マーティン・スコセッシ(男優)TV監督
トニー・ランドール(男優)トニー・ランドール
チャールズ・スコセッシ(男優)バーにいる男
メアリー・エリザベス・マストラントニオ(女優)人混みにいる女性(ノン・クレジット)
ジョー・ストラマー(男優)路上のゴロツキ
キャサリン・スコセッシルパートの母
富山敬ルパート・パプキン(日本語吹き替え版)
小林修ジェリー・ラングフォード(日本語吹き替え版)
横尾まりリタ・キーン(日本語吹き替え版)
小宮和枝マーシャ(日本語吹き替え版)
音楽ロビー・ロバートソン(ノンクレジット)
挿入曲レイ・チャールズ“Come Rain or Come Shine”“Sweet Sixteen Bars”
デヴィッド・サンボーン“The Finer Things”
フランク・シナトラ“Fly Me to the Moon”
ロビー・ロバートソン“Between Trains”
B・B・キング“T'Ain't Nobody's Bizness If I Do”
トム・ペティ“Best Of Everything”
撮影フレッド・シュラー
製作アーノン・ミルチャン
20世紀フォックス
製作総指揮ロバート・グリーンハット
配給松竹富士
美術ボリス・レヴェン(プロダクション・デザイン)
ジョージ・デ・ティッタ・Jr(セット装飾)
編集セルマ・スクーンメイカー
録音トム・フライシュマン
その他セルマ・スクーンメイカー(プロダクション・スーパーバイザー)
ロバート・F・コールズベリー(プロダクション・マネージャー)
バーバラ・デ・フィーナ(ポスト・プロダクション・スーパーバイザー)
ロビー・ロバートソン(音楽プロデューサー)
あらすじ
ルパード・パプキンは自分の才能を信じ、いつかスターになる事を妄想する毎日を送っていた。ある日ルパードは、テレビの人気司会者・ジェリーの車に乗り込み、彼のアドバイスを受けようとする。そこでジェリーの社交辞令を真に受けたルパードは、それから何度もジェリーに会いに行くが、まともに取り合ってもらえない。業を煮やしたルパードは、ついに強硬手段に出るが…
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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81.《ネタバレ》 スコセッシとデニーロでこのタイトルは面妖な、と思っていましたが、中身は後の「ケープ・フィアー」や「ザ・ファン」にも発展する、デニーロお得意の(?)ストーカーものでした。ただしその中でも、夕食のくだりで堂々と妄想ネタをばらした上で、別荘訪問のシークエンスでは逆に妄想と思ったら現実だった、みたいな、スコセッシらしからぬトリッキーぶりも見せてくれます。ただ、そういった妄想とか、あと中盤以降の実力行使路線などよりも、実は一番怖かったのは、「それではここで待ちます」みたいに何の疑いもなく平然と返してくるナチュラルサイコパスぶりだったのですが、だとすると、主演はデニーロとかよりも、もっとその辺の弱っちい一般人みたいな人の方がよかったのかもね。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-11-27 00:13:56)
80.《ネタバレ》 やあ、怖いですねえ。こんなに怖い話なのにライトなタッチで描けているのが驚異的。
もうデ・ニーロの顔が怖いもん。なんかぬめっと粘着質な顔つき。このしつこさ。ちょっとリアルにその辺にいそうでざわざわしますね。
ジェリー・ルイスの被る迷惑なこと、心からお察ししますよね。きっと現実でも経験あるんじゃなかろうかこのリアルな演技を見るに。
自分の才能を信じるのは良いとしても、なぜだかこの手の人たちは下積みをすっ飛ばそうとする。ライブで客の前に立って力試しをしようとせずに、ジェリーのようなトップにいきなり押しかけるんですな。
この話ではイカレた奴に珍しくも相方、それも女がいてこれがまた自分の思いばかり通そうとする完全なるストーカー。デ・ニーロとはまた別種の暴力タイプでげんなりします。もっともこの女の頭の悪さがコメディ感に一役買っているのですが。
ラストは呆気にとられたのだけど、どなたかがパプキンの妄想であると指摘していて目から鱗が落ちました。ううむなるほど。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-16 19:01:52)
79.《ネタバレ》 とても不思議な感じのするシュールなコメディ。
既得権で芸能界を牛耳っている者達への批判も込められている。
才能があるのにチャンスさえもらえない人間がいる。

どの世界でも同じだが、人は一旦手に入れたステータスは捨てたくないから、才能があると分かってはいても、有能なホープにチャンスは与えない。
でもそれは、その世界にとって本当に有益なのか?
才能を持った人間をもっとすくい上げるべきではないか。
そういった芸能界への抗議だと感じた。

この映画の独特のリズム感も面白い。
デニーロが飛ばしまくり、リズム良く展開が変わっていく。
デニーロの演技も素晴らしいし、テンポも良いから最後まで飽きずに見ることができた。
にじばぶさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-03-06 08:38:51)
78.やばいねえ、、デニーロもうしょっぱなから基地の外にいる人じゃない。
タクシードライバーと似てるねえ。トラヴィスとパプキン。でもトラヴィスはなんかカリスマ性があるんだけど、パプキンはなんだろう、ただのアホなヤバいやつに見えてしょうがない。
ストーリーでいうと完全にダークなクライムドラマ、まあジョーカーのインスパイア元って言われてるのだけど、そんなダークな話をタイトル通りに微妙にコメディにしていて、それも笑えるか笑えないかのギリギリの感じにしているのがもう、なんか居心地悪くて凄い。
2時間見ててもハッキリいって全く楽しくはない。もうずっと居心地が悪い笑
身なりも態度も一見常識人のように見える人が、話をしていくとおやっ?なんか変だぞ?なんか話が噛み合わないぞ、という、ちょっとヤバい奴なのかもしれない、という恐怖。もしこういう人が身近にいたとしたらと考えるとすごい怖い。例えば隣人とか、電車で良く会う人とか。
計画性があるのかないのか良くわからない計画が、結果としてトラヴィスなんかよりも大成功してしまう、というオチはこれぞコメディ?皮肉?サーカティズム?
タクシードライバーの兄弟みたいな作品かな。面白かった。
kosukeさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-02 23:58:41)
77.《ネタバレ》 ファンならではの狂気ですがデニーロのイメージなのかオーラを感じてしまって一般市民と感じられなかった。
コメディのキングとマフィアのキングが二人並んでる印象。
もっともジェリーの方は大物感あったものの良く知らない人だけど。

現実と虚構が入り混じる展開は好き。
ラストもパプキンの虚構の可能性もある。
ああいった形で実際にテレビで人気になった人って実在するのだろうか。
映画を観てる最中はありえんやろ思ったけどどうなのかな。
Dry-manさん [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-01 02:59:09)
76.初見。サイコパスなパプキンの言動は煮えくり返った腸が蒸発してしまうキチガ〇丸出しなもので空恐ろしさも感じました。単にノータ〇ンで下劣なマーシャのキ〇ガイなど可愛いもの。全編通して握り拳での耐え難きひとときを送る羽目に。脚本家と監督は何を伝えたかったのか考えてみると再び胸糞悪くなり止めました。デ・ニーロの与えられたキャラを演じ切る芸達者ぶりが裏目に出たというべきか、コメディのコの字も無いホラー作品です。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 1点(2020-05-10 23:09:13)
75.《ネタバレ》 マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演、この黄金コンビの映画ほぼ全て観てきたつもりだったけれど、その中でも意外に見落としていた本作を今更ながら今回鑑賞してみました。どうして今まで手を出していなかったかというと、このド直球なタイトルから、才能あふれるコメディアンの卵が努力と下積みの末にトップに成り上がるサクセス・ストーリーだと僕が勝手に思い込んでいたせいでいまいち興味を惹かれなかったから。でも、意外や意外、これって全然そんな話じゃなく、むしろ『タクシー・ドライバー』のブラック・コメディ版のようなかなりイタいおっさんの妄想炸裂映画じゃないですか!本作の魅力は、もうとにかくこのロバート・デ・ニーロ演じるルパート・パプキンの強烈な印象に尽きると思います。勝手に自分に才能があると思い込んで、夜な夜な自分がスターになる日々を妄想し、師事するコメディアンにストーカーまがいの付き纏いを続けた挙句、最後はあり得ないほど暴走しちゃうというとにかく全てがイタイ奴。いやー、でもなんか嫌いになれないんですよね、この人。きっと何処かでこのおっさんの気持ちに共感しちゃってる自分が居るからなんでしょうね。ここらへんはやはり名優ロバート・デ・ニーロの類稀なる演技力による部分が大きい。特に、勝手にスター・コメディアンの別荘に乗り込んじゃうシーンは、そのイタさ爆発という点で出色の出来でした。後半のキチ〇イ金持ち女との名コンビぶりなんてかなりキレッキレで、もう爆笑。スコセッシってコメディを撮る才能もあるんですね。そしてこの主人公、なんだかんだやらかした挙句に最後は好きな女にええかっこして本懐を遂げる……。スコセッシ、こういうモテない男の気持ちがよく分かってらっしゃる(笑)。うん、『タクシー・ドライバー』より断然こっちの方が面白かった!8点!!
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2020-04-14 22:01:06)(良:1票)
74.《ネタバレ》 ジョーカー後に初鑑賞。
ジョーカーを見た後だからかもしれないけど、これは登場人物が真実の姿を見せてない全妄想の話で、最後の赤いスーツを着た姿が、唯一パプキンの人格だけが表れていた、そういう映画に見えた。
人前に出るのが苦手で、出ればただはにかむのが精いっぱいの人(最後のシーンの表情)の妄想話。真の登場人物が出ていないという意味でのキングオブコメディーなのかと。

これを見る前に同じ監督つながりでタクシードライバーを改めて見たけど、あちらはやっぱり理解できなかった。
でも、こちらは理解できる。
仕事や恋愛でも、自分でこうしたいといった妄想じゃないけど考えや行動をしないと、パプキンのように妄想して楽しむだけの何も変わらない人生になるのかなと。
劇中の告白するのに15年かかるのかというセリフのくだりが、みんな言いたいけど言えなかったみたいな人生を送ってるのかなぁ、やっぱ言わなきゃ始まんないよねと思ったり。

ジョーカーきっかけで今回2つの作品を見たけど、幾つかの作品を介して改めて作品の見方が深まるってのも映画の良さだなと改めて感じた。
正直、あえて他人に勧めたい映画ではないけど(笑
ジョーカーきっかけでこの映画を鑑賞するなら、ジョーカーを先に見たほうがいいと強く思います。
ジョーカーという作品が、あぁこの作品へのオマージュが満載だったなぁと思い出しながら見るのが正しい順序の気がします。
(じゃなきゃ、パクリやん!てなるかも)
Luckyoさん [インターネット(字幕)] 7点(2019-10-27 02:12:07)
73.80年代初期にこんな傑作があったなんて知りませんでした。全編通して、デ・ニーロの演技が演技に見えない。(笑) 物語が終盤に差し掛かる辺りから、どうなってしまうのか、とにかく目が離せなくなります。最後の展開は見ていて痛快。面白かった!
たけたんさん [インターネット(字幕)] 7点(2019-10-07 14:40:59)
72.《ネタバレ》 男がようやくたどり着いた“檜舞台”の直接的な描写を、この映画は一旦すっ飛ばす。
「え、ここを見せないのか」と一寸大いに不満に思ってしまったが、それも含めて巨匠と名優の手腕に踊らされていたようだ。
常軌を逸した行動を繰り広げる男が、コメディアンとして本当に成し遂げたかったことは何だったのか。
“ブラウン管”を通じてようやく映し出されたスタンダップコメディを目の当たりにして、彼の悲哀に溢れた「過去」と「真意」が見え隠れする。

想像の範疇を出ないけれど、何らかの「性質」を抱えて生まれた主人公は、早々に親からの教育を放棄され、学校では苛め抜かれ、それでも必死に自分自身の精神を守って生き抜いてきたのだろう。
そんな中で、唯一彼に優しく接してくれたのが、ヒロインの女性だったのかもしれない。

主人公のそういうあまりにもヘビーな青春時代の風景が、ラストのスタンダップコメディによって、映画の観客のみに投影される。そして、劇中の観客たちの「爆笑」が、その悲哀を更に深く、深く、増幅させる。

主人公の言動は終始一貫決して肯定できるものではない。“痛々しい”をとっくに通り越して、明確な犯罪行為の連続であるし、主人公も含め、あらゆる登場人物が「悲劇」を迎えていても何らおかしくない。
ただ、彼の必死さは火を見るよりも明らかに伝わってくる。そして、それが単なる虚栄心や功名心によるものではないことも。

果たして主人公は、このクソみたいな社会において、「自分」の存在が唯一“認識”される手段を強行し、成し遂げる。
そうして迎えたのは、個人的にはあまりにも想定外だったハッピーエンド。
しかし、ラストカットの彼の表情はどこか晴れない。そして、劇中でもっとも冷ややかで諦観的な視線を観客に向けている。
傍若無人のサクセスストリーの果てに、遂に“キング”と成った男は、何を得て、何を失ったのか。
マーティン・スコセッシと、ロバート・デ・ニーロは、「時代」を超えて、難しい問いを大衆に投げつける。脱帽。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 9点(2019-10-02 22:56:11)(良:1票)
71.《ネタバレ》 こういうひたすら「イタい奴」を主人公にしてしまうのは今でも結構新しい手法なんじゃないか。
そういう意味ではスキマ産業というか良い所を突いた感じの映画。
ラストシーンも凄いとは思うんだけどやっぱりこの主人公はあまり愛せる気がしないので、この点数で。
Nigさん [インターネット(字幕)] 6点(2018-09-04 04:28:27)
70.《ネタバレ》 面白いんだけど、自分がこんな風な痛い男になってないか、チェックしながら観てしまった。ちょっと腹の立つところも・・。でも最後、売れるんだよね、この人。でもいつまで芸能界にいられるか、ってとこまでは描かない。痛い映画ではあるけど、愛する人の前で最後、アピールするとこなど格好いい男の話でもあった。デニーロは、現状に押しつぶされても、凹まないで、犯罪に走る人間をやらせたら、ピカイチだね。
トントさん [ビデオ(字幕)] 7点(2016-09-23 10:46:05)
69.《ネタバレ》 妄想男を演じるデニーロがうますぎて主人公への嫌悪感でいっぱいになる。コミュニケーション障害が顕著で、その話の通じなさが本当にリアル。
ストーカーの思考回路ってのはこんなんだろうなと思わせる。ブラックコメディを通り越してもはやサイコホラーの域で、痛くて恐ろしくまったく笑えなかった。
獄中での手記の大ヒットや出所後の冠番組も後日譚としては出来過ぎているので、スコセッティ監督はここも妄想として描いたのだろう。ただわかりにくいので、もっと妄想だとはっきりわかるようにしてほしかった気もする。このラストでは犯罪者が現実であろうと妄想であろうと幸福を掴んだように見えるので、スッキリはしない。
オンエアされたパプキンのトーク部分が、日本人の感覚では恐ろしくつまらない典型的なアメリカンジョーク。ひとつ気になったのは、スコセッティはこれをわざと面白くないようにしたのか、それとも外国人の感覚ではこれが面白いと思っているのか。面白くないと思って主人公のトークを演出したのであれば、ラストは妄想として描いたということでので間違いないのだが。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 6点(2016-07-31 01:49:10)
68.《ネタバレ》 デニーロのすごさを体感できる一作。こういう役をさせたら天下一品、というかこの人しかできないよねホント。さすが!でゴザイマシタ
Kanameさん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-08 20:10:21)
67.《ネタバレ》 本当にロバート・デ・ニーロという俳優はすごいですね。胸糞悪い芸能人ストーカーを完璧に演じました。ああ言えばこう言う、説得がまるで通用しない相手は見ているだけで不快だし怖いです。ラストは妄想という解釈があるんですね。気付きませんでした。笑顔が張り付けたようで違和感があったのはそのためでしょうか。ただ、現実だったとしてもコメディアンとして生きていけるかどうか。有名芸能人の誘拐という最大のインパクトを既に過ぎていますから(まだ服役ネタがありますけど)。聴衆がそんな主人公を受け入れるかどうか。
次郎丸三郎さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-03 13:33:42)
66.《ネタバレ》 「タクシードライバー」は嫌いだけど、この映画はとにかく素晴らしい。スコセッシの映画の中でも一番好きだ。

「タクシードライバー」を超えた内に潜む凶暴性を描く。
メディア社会、強いてはアメリカン・ドリームという名の理想と現実へのアンチテーゼを主題にしている。
それを世間に投げつけ痛烈に笑い飛ばす。

デ・ニーロの怪演も癖になる。
「タクシードライバー」のような肉体的な強さではなく、転んでもタダでは起きない心の強さ。
それをユーモアを交えて見事に演じきった。クレジット見るまで誰か解んなかったもん。
本当凄い役者だよこの人は。
やってる事は狂気の沙汰、ただ彼の演技からは狂気をまるで感じない。
子供がドタバタはしゃぎまわっているような自然な面白味があるからだ。
ルパートだけじゃない。
異常な愛を見せたマーシャ役のサンドラ・バーンハードの狂演、
地のキャラを最大限に発揮したジェリー・ルイス。「底抜けいいカモ」や「画家とモデル」等でも楽しませてくれた偉大なコメディアンだ。
声だけ出演の監督のお母さんキャサリン・スコセッシも「名役者」だね。
そしてあの時代には当たり前にいたユニークな市民像。
個性に富み夢と希望に満ちていたあの時代。
そんな時代と人々は今も生き続けているのだろうか?
いないのだろうか?
そんな事も語りかけてくれる作品だ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-04 18:48:55)
65.かなり荒唐無稽なお話でありながら、主人公が常軌を逸していく過程の描写が極めて丁寧で説得力があるので、きちんと見られてしまうという点には感心しました。誰にでもあるちょっとした心の闇にスポットを当て、観客に「分かる分かる」と思わせながらダイナミックなドラマへと導いていく。この手のイタイ映画を作らせると、スコセッシは世界一だと思います。。。
妄想の世界での対話を繰り返すうちに、その対象と古くからの友人であるかのような錯覚に陥ってしまう。アイドルや歌手のファンには結構ありがちなことではないでしょうか。私の周りには、「俺はゆずの友達だ」と主張する知り合いがいます。また、自分自身の成功を妄想するということは誰でもやっていることであり、高校時代の恩師が現れて「君を見くびっていてすまなかった」と謝る場面などは、特にリアルだと感じました。恥ずかしながら、私自身も似たような妄想を繰り返していた時期がありましたから。自分は社会から正当な評価を受けていないという被害者意識と、自分を見下している人間達にいつか吠え面かかせてやるという復讐心、こうしたものの描写が実によくできているのです。主人公を『ミザリー』のような完全にイっちゃった人とするのではなく、ささやかな欲望や虚栄心、現実逃避癖を持つ小市民としたことで、非常に間口の広い映画になったと思います。。。
『ゴッドファーザーPARTⅡ』 や『レイジング・ブル』の重厚な演技から一転して、コメディの才能も見せつけたデ・ニーロの演技力の高さには心底驚かされました。キャリアで初とも言えるコメディ演技を完璧にやりきっていると同時に、カリスマ俳優が小市民になりきってしまうというカメレオンぶり。ヴィト・コルレオーネを演じた人ですよ。困った奴なんだけど、同時に哀れみも感じさせられる。この引き出しの多さには脱帽するしかありませんでした。
ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-15 15:54:43)
64.《ネタバレ》 この主人公モロに『タクシードライバー』の子孫で(シナリオは違う人)、行動の過激さ・対人距離の不安定・憧れの女性の存在、など揃ってるが、あっちほど神経症的でなく、けっこう好き。ラストの裏返しが決まってるんだな。どうしようもない気違いだなあ、と思わせといて、今までのドラマだったら、あのトークショーは客に受けないはず。紙の観客相手に練習してたりするのなんかは、だいたい「受けない」のの伏線だと思うわけ。ところがこれが受けちゃうんだな(本当のこと言ってるのがジョークになっちゃうおかしさ)。男の狂気に集中していくようにドラマが展開していって、ラストでくるっと裏返って、世間・マスコミの狂気がサーッと広がっていく怖さがいい。逃げたJ・ルイスが街でそのテレビを見たときの表情もいいし。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2012-10-04 09:58:18)
63.《ネタバレ》 現実と作り事が入り混じったショー・ビジネスの世界、そして波のように送られてくる情報に溺れ、現実と妄想の区別が付かなくなってしまっている現代人を皮肉な笑いで描いた作品です。

 ロバート・デ・ニーロがニートのお笑いマニアを見事に演じています。「タクシードライバー」もそうですが、こういうかすかな狂気を帯びた孤独な人間像を演じきってしまう力量は見事ですね。

 ストーリーも現実と妄想が入り混じりながら進行していくので、結末を見終わった後もこれは現実なのか妄想なのか考えさせられますね。

TMさん [ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-08 22:51:55)
62.デニーロはやはり自分の中でNo.1です。
akilaさん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-27 19:16:57)
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【点数情報】

Review人数 81人
平均点数 7.10点
000.00%
122.47%
200.00%
311.23%
433.70%
567.41%
61417.28%
71923.46%
82125.93%
978.64%
1089.88%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.50点 Review6人
3 鑑賞後の後味 6.57点 Review7人
4 音楽評価 6.80点 Review5人
5 感泣評価 7.66点 Review3人
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