5.《ネタバレ》 中年の危機に直面した男性教諭4人がかつての輝きを取り戻そうと、
ほろ酔い状態を保てば最良のパフォーマンスが発揮できるという実験に生真面目に挑む可笑しさが滲み出る。
当然ながら酒の量が増え、結果的に家庭や職場に不和を及ぼす事態に陥る。
監督もそれは分かっていたはずで、論理的な実験と言いながら逃げているだけだった男4人の陰影を生々しく映す。
未来溢れる若者と対比して、多くのものを失った経験を持つ男たちはその喪失感と己の弱さに向き合う。
もう失点を取り返せないかもしれない、それも引っ括めて、己の人生も他者も肯定していく。
マッツ・ミケルセンのキレのあるダンスが、人生の眩しさと翳り、喜びと悲苦を全身で表現する。
本作を避けては通れない、象徴すると言っても良いエンディング。
ディカプリオがハリウッドリメイク権を獲得したが、彼のダンスを再現できるのだろうか?