1.《ネタバレ》 これはけっこう捨てるには惜しいかもしれない。
実はこのシチュエーションは「プライベートライアン」のミラーたちとほとんど同じ時間、同じ場所なのですね。
そこでゾンビになったドイツ兵と戦うわけか。きっと見たことを後悔するようなク○映画であろう。と思いながらいつも手に取ってしまうしょうもない性癖の私だ。
ところが。ゾンビ兵以外との戦いもけっこうあるし、第二次大戦ならではの高性能じゃない武器を使っての野戦の緊迫感もけっこうあるし、私などの野外戦のシロウトは「そうか、敵の数が多いとか強力な火器があって正面から行ってもダメな場合は、分かれて側面から撹乱させてから正面が突入して手榴弾で決める、なのね」なんてことが分かったりした。(なんかおおざっぱな作戦だけども)
班内部の人間関係や戦争につきものの残虐行為もなぜか描かれていて、これは別にゾンビ映画を撮りたかったわけじゃないんだな。きっと。
なぜか狼男になってしまう部下まで登場し、いきなりラストで戦っているし。まるで変わったオマケがついているかのようだ。
「緊迫感のあるリアルな戦争映画が撮りたい」「そこまでお金は出せない。せいぜいゾンビとか出して毛色の変わったホラーに戦争を絡めるならOKだ。」と言われた作り手が、せいいっぱいの抵抗を試みた努力の後が窺えます。ラストの工場跡でのお粗末なドタバタを除けば、けっこうまじめに作っている気がする。
しかし、安い役者さんでもこれだけのものが作れるのだから、その世界の層の厚さを感じるなあ。売れてなくても、ひとたび小さな作品で役がつけば、味を出しまくるのですね。
「スケルトンマン」といい、トンデモ映画の中にもなぜか無視できない味のあるものも存在しますね。ジャンル分けできないような変わった作品だ。自分的にはク○映画には分類しない。そんなに損した感じはしない。