★1.《ネタバレ》 妻に先立たれた初老の男。息子は心配だから一緒に住もうと言ってくれるが、妻との暮らしを守り続けるかのようにそれを拒む。なんだかありがちな設定ではあるものの、自分の年齢や今の暮らしぶりを考えると矢鱈現実味のある話とも思えます。
ある夜、彼の部屋に現れた不思議な影。霊的なものとも思えず、さりとて幻影とも思えない影。男はその動きに惹き付けられるうちに、それが恋人時代からの夫婦の暮らしを再生していることに気付く。彼の心を覆っていたもの、捉えていたものがスッと晴れて行く。
このファンタジー感のある演出が良いですね。シンプルにシルエットのみで表現することで夫婦の暮らしぶりが深みを増しているように思えます。
結果、男は新たな気持ちで現状に向き合い、息子一家との暮らしに一歩踏み出す。わずか10分余りの尺の中に込められた物語。ごくごくシンプルな物語ながら観終えて何か温かさの残る1本でした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-04-07 12:03:39) 《新規》 |