8.《ネタバレ》 うーん。俺たち、スキャンダラスなのを撮っているんだからねって、盛り上がっているだけの映画。原田芳雄の原発の守衛所突入がそのピーク。原田芳雄にしろ山口小夜子にしろ、なんでこんなにかっこつけているんだろう。Lost Loveってなんだよ。どういう理由でつけなきゃならなかったのか。あえて映画の内容を分かりにくくしてる?変な映画。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 2点(2022-03-16 20:47:10) |
7.マスコミが、カメラさえ持ってりゃ市民は自分の味方、何でも許されるとばかりに、非常識な取材して、わざわざ相手を怒らせてはその映像を正義ぶって垂れ流す。というのは、どうも好きになれないのだけど(というかキライなんだけど)、そういうシーンが、フィクションの映画の中に、突然ドキュメンタリー風に挿入されると、これはかなりのインパクトで、さすがに驚いてしまう。 警備員に撮影を止められる中で、飄々と演技を続ける(いや、もはや演技かどうかもわからんけど、自らの役割を体を張って、しかしあくまで飄々とこなす)原田芳雄が、頼もしいというか何というか。スゴいなあ。 音楽は、大御所の松村禎三。ライブエレクトロニクス風に、電子音と楽器演奏が絡み合う、不安を誘う音楽の一方で、シューマンの「子供の情景」を引用したと思われる素朴な音楽が流れる場面もあり、それ以外の場面では虫の声、波の音、風の音といった自然音が音楽の代わりに取り入れられて。 ラストシーンではこの3つの音楽の要素が重ねられるも、不安な電子音だけが、最後に残る。この不気味さ。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-02-07 22:40:10) |
6.ATG映画なので、娯楽性など期待せず観たため、意外に楽しめたという印象。福島の原発で撮影されていたという暗合が、今となっては、原発にまつわる安全神話や安全プロパガンダ、隠蔽体質を皮肉にもあぶり出しています。映画の出来は、制作年代を考えても、大したことありませんが、当時の邦画の平均はこんなものだったような気もします(今の邦画やアメリカ映画だって十分ひどいか)。東日本大震災と原発事故により、この映画は皮肉にも忘れ去られない存在となってしまいました。日本にとっては、まことに残念な事であります。 【えぴおう】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-04-30 20:25:59) |
5.《ネタバレ》 この時代の映画は結構知っているつもりだったが、この映画は知らなかった。それだけ話題にもならず埋もれてしまっていたということなのだろうか。 多くの方が指摘されているように、この映画は今いちである。今現在作られればもっと話題になっただろうし、映画だって鋭く描かれていたに違いない。 この映画は犠牲者が出ているにも関わらず真相は闇に葬られたままに終わってしまった。特に山崎明日香は何? 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-04-05 06:27:08) |
4.《ネタバレ》 あの東日本大震災の後、この作品や「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」が初DVD化となったことが、いかに原発タブーの闇が深かったかを証明していますね。国策推進のためなら、平気で問題点を隠蔽し嘘もついてしまう国に我々は生きていることを、今回の震災は教えてくれました(まあ薄々は知ってましたが)。原発を今すぐ全てなくせとは言いませんが、安全管理と情報公開はしっかりとしてもらいたいですね。 ただ、この作品ははっきり言ってイマイチな出来でしたね。原田芳雄の原発突入は面白かったですが、そのくらいですかね。後はひたすら深みの無いチープな展開でテーマが原発でなかったら途中で観るのをやめてたと思います。無駄にワイルドな原田芳雄もやや鬱陶しかったです。 まあ、今となっては貴重な映像作品ではあると思いました。 【TM】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-01-04 10:36:44) |
3. 映画としての面白さは今ひとつです。音楽の使い方もうるさいし。ですが、この作品を見る価値は2011年の今ならあると思います。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-19 17:43:39) |
★2.《ネタバレ》 舞台は、当時から放射能漏れの疑惑を持たれていた福島第一、第二原発。
田原総一朗の原作とATGならではの強みによって、ジャーナリズム問題も絡めながら、電力会社の隠蔽主義を告発する。
ドキュメンタリー出身の故・黒木和雄は初期に『海壁』という東京電力のPR映画を撮ったのち、その贖罪のように本作を撮っている。
電力会社の監視と立ち入り拒否を受けながら撮られたという画面は、映画内容とシンクロしつつ、その画面的制約と不自由ぶりが静かな緊張感を漲らせている。 日中に望遠で撮られた発電所の表層的なまぶしい白と、闇討ちが繰り返される夜間シーンの不気味な黒い画調の対比が特徴的だ。
松林の中を逃げる原田芳雄をカメラが追う中、林の中から幽鬼のように群集が湧き出てくる。そのカメラワークはまるでベルトリッチの『暗殺の森』のようだ。
青く美しい浜辺に打ち上げられ、波を受けながら沈黙する原田芳雄の屍。 その図は三十三年後にして痛烈な象徴性を帯びる。 【ユーカラ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-04-09 23:57:52) |
1.日常的な隠蔽工作が白日の下に晒され、美浜では遂に死者まで出した大規模事故が発生、しかし電力の大部分を依存せざるをえない今日の日本では、原子力発電所はより社会的で重要なテーマだと思いますが、こういうテーマの邦画って、(ドキュメンタリーを除くと)これと「東京原発」位しか無いんじゃないでしょうか。本作は発電所正門でのゲリラ撮影シーンから反原発の匂いも漂ってきますが(こんなものを劇映画で使用するなと言いたい)、基本的には原発とその「地域」までをも描こうとした社会派スリラー。しかし、悪魔的容姿で一人だけ浮いてる山口小夜子の扱いが象徴する様に、映画としては少し中途半端な仕上がりになってしまってると思う。ま、それでも貴重な一作であることには間違いないでしょう、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-08-24 18:12:46) |