8.魅力的な俳優陣、ラストは不覚にもほろっとしてしまいました。 人情劇を期待している方は要注意です、ファンタジーな部分をどれくらい受け入れられるかで票がわかれそうですが受け入れることをお勧めします。藤山直美、岸部一徳、石橋蓮司、大楠道代の掛け合いが面白いです。 【HRM36】さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-08-15 14:44:20) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 現在大流行中の福田雄一監督の“アドリブ”コメディとは一線を画す“計算し尽くされた脚本と演出”に基づく正統喜劇。因数分解すると、人情もの、社会風刺、シュール、SF、ファンタジー、寓話と多種多様な要素が混在しているものの、決してとっ散らかった印象はありません。ただし、終盤の超展開には唖然とするかもしれませんが。さて、本作最大の魅力は何と言っても俳優の皆さんによる見事な演技にあります。表情、動き、言いまわし、間の取り方。熟練の技術に魅了され、何度吹き出したことでしょう。本来、喜劇役者というものは“自分は笑わない”ものなのですよね。もちろん若手の方々も含め、漏れなく素晴らしい役づくり。斎藤工さん怪演でした。ただ、ここは藤山直美さんに言及しないワケにはいきません。一見、ごくごく普通のおばちゃん。それでいて、どこか滑稽で、味わい深く、そして可愛らしい。主役であるにも関わらず、主張し過ぎない空気感が絶妙でした。これが長年舞台を踏んできた役者の地力、生まれついての喜劇人の血というものなのでしょう。もう山下ヒナ子にゾッコンであります。ご主人が「お前と漢方薬があればそれでええ」と言っていましたが、なるほど納得。息の合った漢方薬づくり。精根尽きて寄り添う2人が何とも愛おしく、理想の夫婦に思えました。夫婦が“連れ添う”とは、こういう事なのですね。人間の美しさと醜さが等しく、そして正確に描かれている映画に大拍手。無粋な理屈を捏ねない至福のハッピーエンドに絶賛を送らせてください。タイトルも、主要キャストも、さほど“惹き”を感じない装丁ですが(失礼)、これは傑作も傑作。コメディ好きなら観ないまま死んだらいけませんよ。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-08-15 08:28:55) (良:3票) |
6.《ネタバレ》 主要キャストの年代や昔ながらの団地といったロケーションから、昭和を感じさせる雰囲気は好きです。全く予想もしなかった大胆なSFであったり、ファンタジー色が強いことは嫌いではないし、むしろ面白い展開だと思う。でも本作の失敗はそこではないと思う。それは皮肉にも「団地」であること。根拠のない噂話しや切りたくても切れない複雑な人間関係、といったあたりが団地が舞台であることの面白みと思っています。だから、前半の展開はよかった。そして、このまま人間たちのドラマだけで行って欲しかった、という思いが強い。残念ながら、この展開だと本作が団地であることの必要性が特にはありません。題名「山下ヒナ子、無知との遭遇」あたりでよかったと思うが。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 5点(2019-06-13 22:05:32) (笑:1票) |
5.団地に住む熟年夫婦が主人公。録画のショート解説から老朽化した団地の住人高齢化がテーマなのかなと思いました。かつてそんなところに住んでいたので個人的には興味が沸くテーマなのです。 でも全く違いました。なんと云うか、変な映画でした。う~ん、「変な映画」以上の感想がありません(笑)。 生きていることはそれ自体が奇跡みたいなもの。その台詞が印象に残っています。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-01-18 00:03:35) |
4.《ネタバレ》 予想外の展開に口あんぐり。まさかSFになるとは。面白いところもあるけど間延びしたシーンが多すぎて、概ね退屈。最後の山下夫妻と行徳夫妻の大声のでのやり取りも長過ぎて腹が立ってきました。団地の住人も嫌な奴ばっかりだし。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-07-05 17:07:09) |
3.主演は藤山直美に岸部一徳、映画のタイトルは「団地」とくれば、味わいのある人間模様が描かれる、と、普通は思うよね。まいりましたね。見事に裏切られましたね。それも悪い方に。思い起こせば、岸部一徳が床下から顔を出している映画ポスターを見て、ほんの少し悪い予感がしていたのでした。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 4点(2017-05-22 21:36:46) |
2.《ネタバレ》 どうやら息子はブラック企業の運送屋の事故で不慮の死を遂げたらしい、その悲しみから立ち直れない初老の夫婦が、漢方薬の店をたたみ、ひっそりと団地で余生を過ごそうとする、ところがどっこい、って云う映画。 岸部一徳演じる旦那が、結構ナイーブ。藤山直美も傷心の妻を淡々と演じている。そっとしてあげたいのだが、周囲の団地の住人は小うるさい。集会所が度々登場する。本音炸裂の場。ここだけ非日常なのだろうか。 斉藤工が○○人、地球人ではない。こんな仕組みが無いと、二人は救われないのか? いや、映画は成り立たないのか? なんて思ってしまう。ここに現実と乖離した、映画ならではの救いがある。でもまぁ、へぇっと思って鑑賞してしまう。 皆さん、ゴミの分別はしっかり守りませう! 【Postef】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-06-22 13:22:58) |
★1.《ネタバレ》 『鉄拳』のクライマックスも場が月面に飛躍してしまうのだから、こんな展開でも驚くまい。 岸部一徳の物語的にも映画的にも少々脈絡に欠ける行動、加えて主に斉藤 工が担わされることごとく笑えぬギャグにも耐えよう。
それらを補って余りあるくらい、不器用な妻を演じる藤山直美がいい。 『時代』を熱唱する彼女の楽し気な夢想シーンがちょっと長いかと思うと、一転してヘルメットのショット、息子の遺影のインサートとともに現実に引き戻され、彼女を喪失感が襲う。思わず嗚咽をもらす彼女がいじらしい。 パート先のスーパーの裏口でマネージャーから叱られ、レジ係の一人芝居を演じる彼女の姿が可愛らしい。(それを大楠道代が窃視する。) テレビレポーターの質問にあっけらかんと笑う彼女の呵々大笑ぶりがいい。
そして、岸部と二人、夜を徹してひたすら漢方作りをする労働のモンタージュがとにかく美しい。 仕事の合間に柔軟体操し、おにぎりを頬張りながら夫婦協働で丸薬をつくりあげていく、その二人の不格好な姿が何故だか不思議に胸を打つ。
二人の、長年連れ添った者どうしの対話も味がある。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-06-15 21:34:48) |