8.《ネタバレ》 公開されたのは41年だけど米国が参戦したのは真珠湾攻撃をくらった12月、つまりまだ戦争状態ではなかった頃なので戦意高揚プロパガンダ映画と言うよりはキリスト教プロパガンダをメインとしたヒーロー映画とみるのが適切でしょう。まあルーズベルト大統領は何とかして大戦に参戦して英国を助けたいと苦心していた時期でしたから、製作するにあたって忖度というか裏工作があったかもしれません。そう言えばヨーク軍曹が凱旋してから世話をする地元テネシー州選出の下院議員はコーデル・ハル、すなわち当時の国務長官で日本に最後通牒ハル・ノートを突き付けたご当人、ストーリーテリング上は登場しなくても別に差し支えないキャラだったので、なんか意味深なものを感じます。 前半はまるで西部開拓時代の様なお話しです。1910年代でも南部の田舎ではここまで素朴な生活だったのかと驚かされます。ゲイリー・クーパーは当時すでに40歳、20代のアルヴィン・ヨークを演じるにはちょっと老けてるような印象ですけど、朴訥なキャラはクーパーに適役だったんじゃないでしょうか。アルヴィン・ヨークが若い頃はゴロツキの嫌われ者だったというのは意外でしたが、史実通りとはいってもそんな男が聖書通りに行動するような信仰を持つようになったとは驚きで、それこそ「神のなさることは理解できない」ですね。ここら辺の無理ゲー的な展開ですけど、ジョン・ヒューストンも加わっている脚本が丁寧なので、意外と納得できるのがなんか不思議です。でも厳密に言うと、アルヴィン・ヨークは良心的兵役忌避者ではなくて“信仰心から戦闘に参加するのに躊躇した人” という分類に入れた方が妥当でしょう。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-09 22:27:32) |
7.《ネタバレ》 製作年を考えると戦意高揚映画にしか見えない。ご都合主義な展開に辟易。放蕩息子であった時から慈愛を注ぎ続ける母と、英雄譚で金儲けすることを拒否したヨークに辛うじて救いを見た作品。 |
6.《ネタバレ》 これはやはり、戦意高揚のための映画なのでしょうか。製作当時は、太平洋戦争は始まっていないと思いますが。なんにせよ、厚い信仰心とか戦場で大活躍して英雄になるとか、最後に彼女と幸せになるとか、アメリカ人が大好きな要素がてんこ盛りですね。戦場で弾に当たらなかったのも、「神のおかげ」ってことになるのでしょう。とはいえ、日本人が見てもそれなりに楽しめました。特に、前半の改心するあたりがよかったです。戦争よりも宗教という観点で見ていくと、興味深いものがありました。しかし最後は、自力で家を建ててもらいたかったところです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-05 16:59:00) |
5.何かこう、見ててハラ立ってきますね、こういうヒト(笑)。もとはチンピラだったのが、信仰に目覚めてイイ人になったら、周りとの関係もヤタラとうまくいくようになる。不本意にも戦場に送られてしまったと思ったら、今度は(自らの信仰にアッサリ折り合いをつけ)敵を殺しまくり捕虜にしまくり、もう大活躍。 しかも、顔がゲイリー・クーパーですからね(笑)。こういうヒトにはホント、かないません。 という、主人公が主人公なら、周りもいい人過ぎるやろ、というオハナシなんですが(脚本にジョン・ヒューストンが名を連ねてますが・・・?)、山あり谷ありの人生、そのターニングポイントを実に印象的に描いていて、波乱万丈、確かにこれは面白い。くそ~。 あえて難を言えば、ゲイリー・クーパーがこの主人公を演じると、最初からいささか分別臭いのと、あと最後のまとめ方はコレまとまり過ぎでしょ、ってなところでしょうか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-11 20:57:58) |
4.前半は延々と起伏の乏しいホノボノ描写が続き、後半はえらく都合の良い戦場描写になってしまう。見所がどこにあるのか分からず、とてつもなく長く感じました。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-03-24 00:26:30) |
3.《ネタバレ》 時代は第一次世界大戦、いまいち純朴で不良っぽい貧しい農民には見えないゲイリー・クーパーですが、この主人公が牧師と女と雷で神に目覚めて真面目に働き出します。何でも神に絡める登場人物たちの宗教観に少々鬱陶しくなりますが、アメリカ参戦後の徴兵で渡ったヨーロッパの戦場で、主人公がウソのような大活躍をして英雄として戻ってくるちょっとコミカルな物語です。新たな大戦の初期という時代背景での戦意高揚作品かもしれませんが、射撃シーンや少人数で10倍以上の敵を捕虜にしてしまうシーンは痛快で、これが実話なのが一番衝撃でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-08 23:54:06) |
2.内容はストレートな戦争アクション、ゲイリー・クーパーの演技は最高潮。 クーパーに賞を取らせ、自身も監督賞にノミネートしたホークスの手腕が輝る傑作。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:30:55) |
★1.七面鳥撃ちを応用した銃撃シーンであるとか、信仰と戦闘行為を折り合わせる動機付けであるとか、映画に反映される時代の偏見やプロパガンダ性の問題は評価の上で常に悩ましい。 そのあたりの葛藤を軽やかに乗り越えてしまっているように思わせるのは主演ゲイリー・クーパーの純朴な佇まいと、監督ホークスの作家的融通無碍によるものか。
徴用されたクーパーが出征のため、高地の家を後にする。低地への一本道を下っていく彼を見送る、マーガレット・ウィチャリー、ジョーン・レスリーら。彼らの後ろ姿と大樹を捉えたロングショットがとても素晴らしい。
雷雨の中、クーパーが落雷によって信仰に目覚め、ウォルター・ブレナンの牧師や家族らが賛美歌を歌っている教会に迎え入れられる場面も脇役陣が皆いい表情をしている。
広角アングルで捉えられた後半の戦闘シーンも丘陵戦闘の高低感がうまく活かされており、スケール・物量共に大作の趣がある。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-06 17:45:52) |