67.《ネタバレ》 逃亡するという緊迫感もないだらだらとただ旅を楽しむようなふたり、
そのやりとりについてゆきかねてイライラしちゃいました。
男が60代くらいの老紳士で女が少女という設定ならば違和感もなかったのですが・・
とにかく女性があまりにも幼稚です。
無垢とか純粋とかの種類ではありません。
言葉をかわしてゆくのも文学的なものは感じましたが、
共感できないから全然面白くはないのですよ・・
有名な芸術作ですがとにかく合わない世界なので仕方ありません。
「俺たちに明日はない」のほうが全然良かった。
ゴダールはかなり後世の映画に影響を与えているはずなので、
もうひとつ有名な「勝手にしやがれ」に期待したいです。
フランス映画は苦手で数は観ていませんが、
トリュフォーはなんとかついてゆけるのです。
トリュフォーが観れてゴダールが観れないのもなんですし(種類は違うかもしれないけど)
さて、この作品の良かったところをあげてみましょう。
ギャングの女が主人公の男(ピエロと呼ぶ)と逃亡の旅に出るのですが、
彼女の家から車で出てゆくまでが(ほんとに前半だけ)
演出からセリフ回しから全て良いです。
特に車のシーンなどは真っ暗の中に車と正面の男女が浮かび、
対向車のライトのような効果演出です。
最初のパーティ(と思う)のシーンも会話するカップルによって、
色使いを変えてみたりとこじゃれています。
そして一番面白いなと感じたのが、
ベッドで撃たれて倒れている男を背景に、
女はビール瓶を握り冷蔵庫の開けたドアの後ろに隠れます。
主役の男と組んで2人目のこれから部屋に入る男を殺すのです。
この展開が1カットで撮っている(と思う)ことが不思議な新鮮さでした。
舞台劇のような面白さはふたりが逃亡してからなくなりました。
会話していくうちに女性のほうにイライラしてきたのも確か。
前半のテンポと演出が続けばなぁと思いました。