48.《ネタバレ》 すばらしい映画ですこれは。特に話が盛り上がるでもなく淡々と少年の日常が進行していくんだけど、いろんな場面が心にずしっとくる。絵的には美しいし、(主役ちょう美少年、素人をスカウトしたそうです)でもさりげないし、二人の友情はあくまで美化されないし、現実はあくまで厳しく、少年の(監督の)自責の念は伝わってくる、ほんとバランス感覚がいいんですかね、ともかく見て良かったと思った映画でした。 ボネが神父様のところに行って、聖餅をもらおうとするんだけど、神父さまはちょっと迷うけどくれない、彼がユダヤ人だから、というシーンがあります。ある意味あのラストは、両親をなくし頼るべき人は神父さましかいないボネが聖餅=愛を求めにいったのに( ボネは敬虔なユダヤ教徒ですよね、あの行為は相当勇気のいることだったと思います)やっぱりあげられなかった神父への罰でもあるのかなあ、とか色々考えました。ユダヤ人問題ってかくも根深いんだなあって。 林を走って倒れ伏す少年が色っぽくて、子どもをこんな風に撮っていいのだろうかとどきどきしてしまいました。 【towa】さん [地上波(字幕)] 10点(2009-07-19 17:56:21) (良:1票) |
★47.《ネタバレ》 大人ならば、それは自分が悪いのではなく戦争が悪いのだと自分を納得させることもできようが、こどもにとっては自分だけが助かり、また自分こそが友人を死に至らしめたのではと思えてしまう状況は酷に違いない。この映画を撮るために映画監督になったというルイ・マル監督は、この映画であの日の子供だった自分を癒したかったのではないだろうか。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-15 22:01:25) |
46.《ネタバレ》 ルイ・マル監督の少年時代の実体験を映画化したものです。ルイ・マル監督にとって、とても辛い仕事だった事でしょう。美しくもどこか寒々しさを感じさせる色調の映像が印象に残ります。今まで幾つもの映画を見てきましたが、この作品のラストシーンは最も強烈に印象に残るラストシーンの一つであり、忘れること事ができません。神父とユダヤ人の子供が一列になって連行されていく。それを見送る子供たちが誰からともなく「さよなら神父様」と口々に声を掛ける。それに神父が振り返り、たった一言「さよなら子供たち」と返す。それに続くジュリアンの何ともやるせない、物悲しい表情。非常に重く、忘れ難いラストシーンです。見送る者と見送られる者。この両者の間に人種や信じる神が違う以外に同じ人間として何の違いがあるというのか・・・。神というものが存在するならば何故こんな蛮行を見逃されるのか・・・。映画が終わり、劇場を後にしてからもいつまでもこんな結論の出ない思いが頭の中をぐるぐると回っていた事を思い出します。公開当時劇場で見てから20年が経った。観ようと思えば再び観るチャンスはあるのですが、いまだにもう一度観ることが出来ずにいる作品です。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-12-08 23:46:23) (良:2票) |
【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-03 16:24:32) |
44.《ネタバレ》 この作品は、あの大戦のホロコーストに関心があるかどうかで、 見る人それぞれに評価も分かれてくるかと思う。 当時12歳のルイ・マル監督が幼少時代に経験した出来事を描いた自伝的映画。 この作品では主人公が疎開先のカトリックの寄宿学校に向かうところから始まり、学校で知り合った友がナチスに連行される場面までを描いている。 ゲシュタポが摘発に訪れるその瞬間まで、 戦時下でありながらも学園内にはごく普通の日常の生活があった。 平和なはずの学校にまで忍び込んでくるナチス=戦争の恐怖と愚かしさ。 それを極力BGMを用いずに終始淡々と、しかししっかりと、この作品は描いている。 さよならと言い残すこともなく去っていったユダヤ人のボネ。 生徒を保健室のベッドで寝かせ、自分は戸棚に隠れ、 生徒を残して自分はひとり姿を消した男性教師。 「これが戦争さ」と吐き捨てるようにつぶやく用務員の少年。 ユダヤの子を匿い、最終的に命を奪われた神父。 いつだって戦争を起こすのは人間で、またその戦争が 人間を狂わせるのだということを改めて考えさせられる。 そしてあの少年が、静かに連行される場面、 初回も、2度目でも、彼のその後の運命を思うと 見るたびに涙がにじみ出る。 その後のラストのあの場面。 ユダヤの子とともに、逮捕され連行されていく校長先生。 「さよなら ジャン神父さん」 子供たちのその声に、校長として 「さよなら子供たち」と最後の言葉をかける。 連行される者達に、近寄ることも、抱き合うことも許されない。 唯一できることは互いに、別れの言葉を投げかけるのみであった。 同じ人間同士であるはずの彼らを分け隔てた、 捕われる側と傍観する側が対比する場の描写が、あまりにも悲しい。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(字幕)] 9点(2007-08-11 11:07:08) (良:3票) |
43.《ネタバレ》 中盤過ぎまで、特にどうということもない生徒同士の日常会話と日常生活が延々と繰り返されているだけにしか見えず、たいへん眠く感じました。ラストの容赦なさがもたらすインパクトだけで作品としての価値を保っているような・・・。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-02-20 03:04:49) |
42.《ネタバレ》 教会の学校の子供たちは匿われて転向してきたユダヤ人の少年に対して、髪が黒いとかユダヤだとか言ってからかっていじめている。主人公のフランス少年もユダヤ少年と遊ぶときもあればからかう側に回ったりしている。こういう仲良くしたり傷つけあったりしている友人関係がいかにも小(中)学生というリアルさを感じた。結局、ユダヤ少年はナチスによって連行されてしまうわけだけど、そこで少年達は自分達のしてきた行為(からかい)の重さに気づく。密告した用務員青年の「これが戦争だ」という言葉とシーンが頭から離れない。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-12-25 09:45:35) |
41.やりきれないけれど、これが人間がしてしまった大きな間違いであることは消せない。いつまでも残すべき作品だと思います。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-19 16:49:15) |
40.《ネタバレ》 孤独なボネの秘密がバレはしないかという物凄く不安な気持ちが痛々しいまでに伝わってきて切ない。子供社会も現実的にしっかり描かれジュリアンとの友情がボネの唯一の心の拠り所であることが強調される。好奇心や純粋さを持ち合わせる子供が故にボネに近づけたジュリアンと、先入観や警戒心が強くなったが故に体勢に流されるままボネに迫る大人たちのコントラストがそのまま子供と大人の世界の対比となっていると思う。勉強をするだけではなく子供らしく遊ぶ姿には束の間でも通常の暮らしを思い起こさせ、真面目なボネや心優しい神父さんが理不尽な理由で迫害されてしまった歴史に一層悲しみが深まる。「さよなら、子供たち」のセリフが心に重くのしかかります。それにしてもジュリアンを演じた子役は不思議な魅力がありますね。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-16 17:50:22) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 うーん・・・。小学生の頃、作者の名前は忘れましたが、「あらしの前」「あらしの後」という二部作の本でオランダの裕福な家庭の兄弟がユダヤ人の少年を積極的にかくまい、イギリスへの亡命を助け、兄弟のうち一人が対ナチス・ドイツの抵抗運動で命を失うという話を読み、同じような内容(つまりハッピーエンド)を期待していたので期待はずれでした。「アンネの日記」もそうですが将来のあるユダヤ人の少年少女がナチスによって殺される話というのがあまりに多すぎ、一つ一つに心を痛めていたらとてもじゃないけれど神経がもたないという感じ。子役俳優がみんな生き生きとしていて可愛いかったです。 【かわまり】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-27 08:56:26) |
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38.《ネタバレ》 「さよなら子供たち」という校長先生の言葉と共に、まさに無邪気な子供であることに別れを告げねばならない残酷な現実を目の当たりにし、ずっと引きずってきたであろうルイ・マル渾身の半自伝作品。友人が連行されてゆくのはけして少年のせいではない。密告者を間接的につくった部分はあるが責任を感じるものではない。きっと裕福なフランス人の少年は、どこかでユダヤ人である友人に優越感を抱いていた。そうでなきゃ懺悔の必要は無い。でもこの作品には後悔の念が見え、その懺悔が、言葉は悪いが言い訳のように感じてしまう。少年は悪くはない、時代が悪かったのだ、という。それはそれで正論だからいいんだけど、この作品は最初から少年の素直な思いが画面を被っている素晴らしい作品ゆえに、素直な思いの中の一部をほんの少しオブラートに包んでしまったような気がしてしまった。でもそれこそがルイ・マルの葛藤の証しなのかもしれません。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-23 15:29:45) |
37.《ネタバレ》 ルイ・マル自身「この映画を撮るために映画監督になった」と言ったとDVDの解説には書いてありました。たしかに、最後の監督自身の言葉(だと思う)にそれを感じます。長いこと抱いていただろう無力感、罪悪感、怒りはこの映画でいくらか緩和されたでしょうか。自由の女神を見るボネの表情、ジュリアンの視線でボネが感づかれてしまうシーン、ジュリアンが密告者へ無言で背を向けるシーンが特に印象的でした。 重い重い「au revoir les enfants」だと思います。 シューベルトとサンサーンスがとても上手く使われていて楽しみました。 【トマトマート】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-02-16 04:00:53) (良:1票) |
36.時間が長く感じ、だるかった。でもラストのジュリアンの表情は印象的で、切なさと深い悲しみが感じられた。 【Syuhei】さん 3点(2005-02-06 05:02:11) |
35.子供ってのは無邪気な残酷さを持っているから、双方傷つけあう事も多いのかもしれないけれど、そういう危うさの中にも子供たちなりの友情というものもあるんだと思います。自分の素性を隠しながらのボネの普段の生活は相当なストレスだったと思いますが、友情によっていくらか緩和されていたと信じたい。その友情が最終的に引き裂かれるシーンはやはり辛いものがありました。 |
34.ダメですね、他のレビュアーさんのように詩人にはなれそうにありません。自分の肌にはまったく合いませんでした。 【K】さん 5点(2004-10-04 17:19:33) |
33.「さよなら子供たち」って、こんなに重い意味があったんだ。ルイ・マルの一生忘れることのない郷愁のような思いが、自分の中にまで伝わってきて、やるせなかった。 【omut】さん 8点(2004-10-01 21:29:25) |
32.たんたんと進みました。派手なところはないけど、人物の心情がよく伝わってくる映画は好きです。でもやっぱり地味で退屈しちゃった‥。あまり歴史に興味が無いときに観たからかなぁ‥。実は、うちの定期購読の新聞は週1で「週刊テレビガイド」が届くんですが、それに載っていたラファエル・フェジト君の美しい横顔にひとめ惚れしてしまったので、録画したんですね。これ観るには動機が不純でしたね。 授業中ゲシュタポが入ってきてからラストまで、意外と落ち着いていました。ジュリアン君も意外に冷静でびっくりしました。今までのナチスとユダヤ人のイメージと違うので驚きました。しかしジャンのその後は、本当に想像したくないです。 |
31.映画の中には誰もが観なくてはいけない、と言ってもいい作品があると思う。この作品はその中の一本だと思う。ユダヤ人迫害の歴史は勿論、差別だらけの人間のつまらなさが表れている。少年たちの表情が悲しく切ない。 【じふぶき】さん 9点(2004-09-20 22:00:41) |
30.これも数ある第二次大戦中のユダヤ人迫害物の一本ですけど、ここで描かれていたのはそれだけじゃない。ユダヤ人に向けられた民族的差別意識に包囲されたこの寄宿学校(てか、疎開先?)には、更にいくつもの差別意識が潜在している。経済的差別、宗教的差別、身体的差別…。何を差別するかは別として、差別意識それ自体から人間は逃れられないのではないかと暗澹たる気持ちになってくる。それにしてもルイ・マルは、ユダヤ人迫害だけでなくあらゆる差別意識を描き、人間の本質へと視線を向けながら、何でこんな感傷的でノスタルジックで唐突な(つまりは陳腐な)終わらせ方にしてしまったのか? この所為で折角の名作が、掃いて捨てる程ある並みの懐古趣味的映画へと一気に堕ちてしまったゾ、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-08-24 18:09:49) |
29.戦争の暗くて重い影については皆さまが書かれている通りなんですけど、私がもうひとつこの映画を見て苦しく感じたのはルイ・マルの罪悪感と言うか懺悔と言うかそんな気持ちです。この映画の重さとは到底比べものにはならないけれど、子供の頃友人に対して行った残酷な仕打ちを今も心の中に抱えている方って多いのでは?他人が聞いたらありふれた事と思うかもしれないし、被害にあった友人は忘れてしまっているかもしれない。けど、本人にとっては今も苦しくてとても他人には言えないこと。出来ることならその時に戻ってあやまりたいこと。それをついに告白したような、何とも言えない苦しさに胸が締め付けられるような映画なのです。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-08-18 10:44:16) |