7.《ネタバレ》 映像のセンスもなく、バトルの迫力もなく、ストーリーとしての面白みもない。あるのはさらなる続編を作ろうとする商売根性だけだ。子どもや妊婦をもターゲットにするグロさはあるが、それもやや中途半端にしか感じられない。やるのならばもっと徹底的にやればよかった。
視覚的に見にくいのも問題だ。雨が降っている深夜の街はかなりレベルの高い設定である。高い技術と想像力が必要であるが、キャラクターがどちらも真っ黒なので、黒い物体同士がうごめいているようにしか見えない。
また、人間のどのキャラクターも魅力に欠けるのも難点だ。
女性がメインキャラクターであることが、エイリアンシリーズ特有の設定であるが、その良さがまったく活きていない。今回は子持ちという設定だったが、果たしてその設定が活きていただろうか。エイリアンによって娘を巣に連れ去られ、その娘を助けるために母親を奮闘させないのならば、子持ちの設定である必要はない。活躍を何もしていないので、彼女の苦しみも葛藤も当然描かれていない。リプリーのような強力なキャラクターを新たに生み出そうという気はさらさらないようだ。
人間のキャラクターが中途半端なのはある意味仕方ないと諦めるしかないかもしれない。今回の主役はプレデターのはずなのだから・・・。
しかし、そのプレデターも思いっきり中途半端である。
“超一流のエイリアンハンター”という設定なのだから、もっとカッコよく描いてもよかったのではないか。
1人で乗り込んできたわりには、プロフェッショナルらしさを感じられなかった。一番記憶に残っているが、青い液体で後始末することでは哀しくないか。肝心の主役のプレデターがあまりにも弱すぎるのは問題だ。
一方、エイリアンの描き方にも芸がない。
人間を殺すシーンを直接的に描かないところが多く、手を抜いているようなしか思えない。また、エイリアンシリーズを詳しく理解しているわけではないが、クィーンだけが卵を産めたはずではなかったか。
「プレデリアン」が卵を産むのはやや違和感を覚えた。エイリアンが無制限に増殖するよりもエイリアンの数を絞ったほうがよかったのではないか。
ストーリー的にも、観客的にも、製作者的にも分かりやすく作れたと思う。