1.<はじめに>マキノという人はその生涯で実に261本もの作品を監督しているそうな。んで、僕がその中で観たのは今のところ2本だけ。正直「自分にこの偉大な監督について語る資格があるのか?」と思わないではないけれど、でもだからっつって奥ゆかしがって黙ってたら、きっと「知る人ぞ知る」人になってしまうと思うのです。ひょっとしたらその方が良いのかもしれないのだけれど、僕はただソボクに、自分が「良い」と思った作品を他の人にもみて「良い」って言って欲しいなー、と思うので、資格があろうが無かろうが書くのだ書いちゃうのだっ。大体において、偉大な映画、いや映画に限らず、ある作品を評論、もしくは分析してその作品について「分かった」つもりになったからって、その作品「そのもの」には勝てっこないわけで、つまりはレビューを書くっていう行為は(少なくとも僕にとっては)毎回「負け戦」に挑むみたいなもんで、そんでも僕は坂口安吾が「人間は勝てやしない。ただ、負けないのだ」と語ったとおり、レビューを書き続けるのだぁ!・・・・・・え?いや、大丈夫です、酔ってないです。え、救急車呼んじゃった?ごめんなさい、すぐレビュー始めますんで、ハイ・・・。
ということで、マキノ雅弘が中村錦之助と組んで撮った次郎長モノなんですが、なんだか知らないけどやったらめったら面白くて、観ながら何度も背筋がゾクゾクしました。ところが!どこがどう良いのか、これが説明できない!中村錦之助の時代劇はそこそこ観ているのに、それらとは
どこか違う。しょーがないので好きなシーンを羅列すると、まず冒頭、そして何度か登場する、「雲助節」の歌声。「♪古~いかんざし~、あの娘の形見よぉ~」という歌がかっちょ良い。それと、中村錦之助演じる次郎長はもちろんかっこ良いのだけれど、ジェリー藤尾や渥美清らが演じる次郎長の子分たち、こぉーれがなんだかかっこ良い(主役だけでなく脇役が光ってるっていうのは良い映画の条件の一つだと思う)!うーーーん、うまく説明できないのだけれど、例えば(全然違う作品だけど)昔初めて「天空の城ラピュタ」を観た時に感じた「ちくしょおおおお!肉沸き血踊るぜええええ!」ってな感じと同じ感じ。とぉーにかく面白いんだからさあ、観て、観て、観てぇぇぇ!
・・・・・・また、負け戦だったな。