4.《ネタバレ》 これぞ、オールスター映画。善玉悪玉主役脇役、多彩な俳優が目白押し。やはりこの頃の俳優の皆さんは個性的で、そういう皆さんがこれでもかとばかりに次々登場するのが、まず見てて楽しいですね。もっとも、個性的と言っても、片岡千恵蔵と市川右太衛門では幾分、互換性があるような。大川橋蔵と東千代之介では互換性しか無いような、気も(山形勲は、、、このヒトは誰とも互換性が無いなあ)。
まず冒頭の富士山の遠景、その手前に小さく、列をなして歩く人影が。もちろん言わずと知れた、次郎長一家。映画の中ではこういうロングショットが随所に見られ、効果を上げています。中盤、船に乗った森の石松の背景に、ひっきりなしに川岸を行き交う人々が描かれれている、なんてのも、実に雰囲気があって。
それ以外にも、カメラを振ったり、クレーンで上下したり、身振り手振りを交えた会話シーンで細かくカットを繋いだり、とにかくダイナミック。演出の方も張り切ってます。ストーリーの方まで張り切り過ぎて、映画開始早々からあれよあれよと、殴り込みに突入。いやはや、なかなか忙しい・・・。
森の石松を演じるのが中村錦之助で、さすが石松、さすが錦之助、落ち着きが無いの、なんの(笑)。この喋り方でカミシモ切ったら、ほとんど落語家のノリです。で、この石松が後半、大活躍。
そんでもって映画はますます加速し、いよいよクライマックスでは、次郎長一家と黒駒・都鳥連合軍との一大バトルへと。
実に賑やか、楽しい映画でございました。