56.《ネタバレ》 難解なミステリーです。
これはキリスト教に詳しい人のほうが楽しめるかなぁ・・
どちらかというと私は映画は旧約スペクタクルが好きですので、
中世みたいな新しい時代になると人間関係がややこしい。
宗派もたくさんあるしこの時代の教会内部も説明不足。
話の進め方はのちの「クリムゾン・リバー」がよく似ています。
でもショーン・コネリーのほうがいい。
映画が濃いのでコネリーがまだ薄く感じたくらい・・濃いですよ。
ホラーよりの映像とどろどろの人間関係、
ややこしい時代に閉鎖感ある教会の連続殺人事件・・
監督はジャン=ジャック・アノー、難解な大作をよく手がけています。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」もでしたが、
時間が足らず演出はよいのですが説明で済ませてしまうところが・・
薔薇の名前は難解ですのでシャーロック・ホームズのように、
コネリーが解いてゆく手法は仕方がないしわかりやすくはなっています。
図書室から本が消え別の書庫を探すのですが、
教会のあんなところから洞窟になっていたんですね・・
「エクソシスト・ビギニング」にもありましたが、
わりとよく使われている場所です。
後半が冒険もののような感じで前半よりもテンポがよい。
悪そうな個性的すぎる配役が多くたぶん忘れてしまうと思いますが・・
笑うことがどんなに罪なのか言われるとなるほどとまた苦笑してしまう。
恐れることこそ大事で疑問に思うことは宗教の邪魔・・
宗教にそんなに詳しくはないのですが、
捉え方が違うだけで結局キリスト教もユダヤ教も変わらない。
擬人化されたわかりやすさでキリスト教は一番受け入れたのですが、
それはあなたたちではないと思うんだけどなぁ・・
と、こういう世界にも勘違い救世主がいるのでした・・
笑うことが罪だという隠される本の著者がかのアリストテレスというのが皮肉。
宗教の邪魔になるような書物は隠さなければならない・・
「華氏451」というトリュフォーのSF映画を思い出しました。