1.《ネタバレ》 あのぼろぼろのチラシが捲られる瞬間に涙ぐむ。
それは書いてある内容とはまったく関係なく、
あの紙きれ一枚の存在、しかもそのぼろぼろさに泣かされる。
そのぼろぼろさというのは、姉さんとか他の女郎たちの思いだからだ。
やはり、加藤泰といえば橋のひとだけども、
そう簡単に渡れる橋など加藤泰の映画には存在していないわけで、
この映画でも、雨の中、橋を渡れず連れ戻される女郎もいる。
しかし、最後、お絹は、晴れた日に橋を悠々と小走りで渡っていくわけで、
それはやはり、お絹が自分自身で仕合せをつかみ取った証なんだなと牜nああ、またそこが泣けてくるわけで、もうしょうがない。