20.《ネタバレ》 田中祐子の大阪弁が嫌にナチュラルだと思っていたら、生まれは大阪だったとか。 沢田研二と池脇千鶴も関西出身なので、よくある付け焼刃の妙な関西弁を聞かなくてすむ。 実の夫婦が役で夫婦漫才をやるのも興味深かったが、実にいい味を出している。 女グセが悪く妻から愛想を尽かされ離婚、クラブ通いから賭場通いとロクなことをしない。 愛人と新生活を始めるも、その愛人にも愛想を尽かされ生まれた子供を残して家出される。 おまけに、赤ん坊も仕事もほっぽり出して蒸発。 もう絵に描いたようなダメ親父。 そんな父を探し回る若菜が健気。 迷惑をかけっぱなしであっけなく逝った隆介を偲ぶ若菜と春美のシーンがいい。 こういうどうしようもないけど憎めない人っている。 家族にとってはもっと深刻で複雑だろうけど。 上方芸人が大勢出てくるのも見どころのひとつ。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2014-04-26 22:17:16) |
★19.《ネタバレ》 大阪の人間も街も大阪弁も私はみんな好きです。大阪には大阪にしかないような独特の雰囲気がある。この映画に出てくる人達もそんなどこから見ても、どう考えても大阪人らしいバカなんだけど、どこか憎めない人間的な魅力がいっぱいである。あっ!大阪人がバカであるということではなく、私の言うこの場合のバカとは頭のことではなく、人間ってどこかバカな一面が必ずあるのに、それを見せようとはしないし、隠そうとする。けれど、この映画の人達は違うのである。思い切りバカでいることが人々を楽しい気持ちにさせたり、自分自身も楽しいということをあの漫才夫婦、沢田研二と田中裕子の二人が表現してい見せてくれているのだ。だからそんな二人のことをどうしても憎めないし、見ているだけで好きになってくるのである。売れない漫才夫婦の姿を見て父ちゃんと母ちゃん、笑われていてかっこ悪いと思っている娘に対して駄菓子のばあちゃんが言う台詞「笑われてるちゃうで、笑わしとんのや」はこれぞ大阪人!笑わすことの難しさ、厳しさ故に出てくるあの台詞の重み、言葉に秘められた優しさ、それを感じ取った娘、色んな意味でこの映画には大阪の匂いと両親と娘の親子のドラマとして見応えのある作品になっている。これ、大阪人の監督でない市川準監督が撮っているからこれまた良いのかもしれない。監督以外は大阪人の俳優や芸人など出てくるけれどそのどれもが本当に大阪の街、雰囲気をよく表しているし、大阪人は勿論、そうでない私のような人もこれを見れば益々、大阪が好きになると思います。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-10-17 19:16:51) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 大阪出身です。「仕方がない」と諦めるとき大阪では「しゃあない」と言う。この言葉は「仕方がない」とは微妙に違う。他人に迷惑を掛けたり、大バカをしでかしたときは人にも使う。女房以外の女を孕ませた隆介(沢田研二)は「しゃあない奴」だ。もうひとつ、「面白い」とほぼ同義で「おもろい」という言葉がある。これを人に使うときは、表面的に笑わせるというより内面のユニークな人間味にまで言及していることが多い。今作を観て大阪らしいと思ったのは、隆介の行動や扱われ方がほとんど全て「しゃあない奴」なのに、少し時間が経つと「おもろい奴」に変わったりするところだ。学生時代の友人たちが軒並みそう証言するし、病院で隆介と対面した際の若菜(池脇千鶴)の笑顔は安心したと同時に、包帯だらけの親父が「おもろい奴」に見えたから。つまり「しゃあない奴」には断罪以外の意味が予定調和的に重ねられている。それは、脱力と諦観と友愛と寛容などを混ぜ合わせたような深い情感だ。人によっては人情とも呼ぶ。そこに大阪気質を読み解くヒントがある。その気質を行動で表現していたのが、腹違いの弟の世話をする若菜。あの面倒見の良さは奇異にも映る。でも彼女が義務感だけでやっているとも思わない。そこをくどくど説明せずに「大阪物語」というタイトルに投げ返すのが今作の上手いところだ。映画初出演、初主演でこの微妙な役を演じた池脇千鶴は「えらい」お姉ちゃんでした。今作でもうひとつ特筆したいのは、ダンプとケンカした隆介を即死させずに、家族とのひと時を確保した脚本の優しさです。あの時間がとても嬉しかった。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-17 23:08:21) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 沢田研二が舞台で「夫婦善哉」やったときはちょっと驚いたが、そうだ、もう映画では“無能=スカタン”の役やってたんだ。さらにさかのぼれば『男はつらいよ』で動物園の気弱な飼育係をやったとこにまでつながるかもしれない。大阪には“しょうもない男の系譜”ってのが、近松以来ずっと最近の町田康(これに出演している)に至るまで、文化として継承されていて、それを自慢さえしている。これの沢田、女癖が悪く賭け事に手を出しては失敗し、「芸人は何でも知ってコヤシにせにゃあかんのや」と春団治みたいなこと言って「あんたそないなたいそうな芸かいな」と言われると、エヘラエヘラ笑ってしまう。別れた女房と腹ふくれた愛人とみんなでクリスマスパーティやって、「ええクリスマスやなあ」と悦に入っている。でも娘に「父ちゃんカスか」と問うと「カスや」ときっぱり返され、するとメゲて失踪する。娘が尋ね歩くと、なぜか誰にでも愛されている…。もうこの父ちゃんのスカタンぶりだけで嬉しかった。後段、トオル君が出てくるとつまんなくなる。少女の成長物語には男の子がなくちゃならないとでも言うのか。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-12-12 12:19:09) (良:1票) |
16.何が言いたかったのか、よく判らなかった。大阪の雰囲気は良かったと思う。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 3点(2008-12-07 18:00:10) |
15.いい役者を使って、いい雰囲気のフィルムに仕上がっているけど、内容が無いのが寂しい。 大阪を舞台にした作品で、ここまで言葉に違和感の無い作品は珍しいので、その辺りは評価に値するとは思うけど、どうにも面白くなかったので高い点数は付けられない感じ。 逆に大阪の街の雰囲気は違和感だらけで、見たことある景色なのに知らない街のようだった。 特に後半はどこか遠い国のお話を見ている気がした。 でも、それは嫌悪感というよりは、普段生活している大阪の見慣れた街並みもフィルムを通して見るとこんな感じになるのかぁっていう新鮮味があった。 それから、どうでもいいことだけど、横で見ていた父親が動くミヤコ蝶々の映像を見て、最近のCG技術は凄いなぁって感心していました。 そんな父親をがっかりさせるのも可哀想なので、死ぬ前の作品だということは内緒の方向で。 【もとや】さん [地上波(邦画)] 5点(2008-12-01 23:49:49) |
14.《ネタバレ》 大阪と池脇千鶴のイメージビデオとして見れば良く出来ていると思います。特に大阪の街の描写は、良くテレビドラマ等で見られるような変なデフォルメも無く、実際の大阪の雰囲気を上手く伝えていると感じました。 ただ、観終わった後印象に残ったのが大阪の街の風景と池脇千鶴とミヤコ蝶々だけでしたから、ストーリー自体はちょっとインパクトが弱いですね。 【TM】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-01-28 12:38:03) |
13.《ネタバレ》 大阪の映画として違和感なかった。背景もあんまり不自然(十三らへんまで飛んでたけど)なとこもなく演技も演出もごく自然な感じやった。東京の人間が大阪の雰囲気をここまで自然につくるとはなあ。プロやなあ。役者陣もうまかったし、少し淡い感じの画も映画の雰囲気にあってたし、忘れ難いシーンも一杯あったよ。中でも家族4人で川の字になって寝るとこは優しさ一杯で昔々を思い出し、西日を浴びた南港あたりの防波堤で涼しげな風にあたる若菜の横顔はとても美しかった。そして父を探しに寄ったバーでのシーン。大きな色眼鏡の奥から語り掛けてくるミヤコ蝶々の味のある声と奥の窓からカウンターへ差し込む光のあたり具合なんかは切なくなるほどにかっちょよく鳥肌が立つほど痺れた。しがらみの感じられへんほんまにええ『映画』や。市川準監督の画には一人スタンディングオベーションを捧げたい。 【カリプソ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2007-06-17 03:58:12) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 評価が低めなのは、本物の大阪っぽくないから?と私は感じてしまいました。あんまり、コテコテって感じじゃないんですもん。池脇千鶴が立っている街角はどことなく異国風。でも、それも大阪らしさの1つなのかな、実は。どうなんでしょう? あともう1つ感じたのは、この映画の底流に流れているのは、ある程度節度のある一種の「諦観」なので、そのあたりも、見る人をとても選んでしまう作品なのでは、と。だけど、私のような、もう人生の下り坂にいて、かつて中学2年のときに爆発的なタイガースブーム(ベースボールとはちゃうで~)を経験し、またさらに不倫から結婚に至る沢田・田中夫婦の人生航路も見てきたような関東人女性の立場からすると、「しみる」んですなあ、これが。後半、若い二人のロードムービーとしての味わいもいい。このあたり、音楽とのコラボレーションも快調で、彼との突然の別れのシーンへの勢いもいいです。沢田演じるお父ちゃんのキャラはいかにも幼児的で、そういう男を擁護する映画は、ときに辟易するときもありますが、これはそこはかとない諦観に共感を禁じ得ない。全共闘時代を背景に、何に対しても燃えられずドロップアウトした男の末路が淡々と描かれている点、また現実にひょんなことからスターになってしまった沢田の、「ほんまのおれはあんなんとちゃうかったんや」・・みたいなつぶやきともとれて、彼の出演作を見た中では、この作品が一番心にしみました。チーちゃんファンだけでなく、40代以上の方にこそぜひ見てほしい映画です。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-03 11:03:20) (良:2票) |
【ゆうろう】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-12 17:18:00) |
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10.「大阪」がぎゅっと凝縮された作品。商店街での会話なんて非常に大阪の空気が出てて良かったです。役者を関西出身者で固めての大阪ロケというのは、「大阪」を画面に映し出すための監督の拘りを感じます。監督は坂本順治でもなく井筒和幸でもない。東京の市川準。東京の人間がよくここまで「大阪」を描けたなぁと思うと同時に、やっぱり東京の人間だなぁとも感じます。中盤からのプチロードムービーは大阪を映し出すことのためだけにあるような無理を感じます。父を探して家を出た少女が南港を拠点にフェスティバルゲート、梅田、新世界、道頓堀、天神橋筋、、とあり得ない距離を瞬間移動しているのはまぁ良しとしよう。でも、あまりにも「大阪」っぽい風景の洪水が「父を探す旅」ではなく「大阪を探す旅」になってしまっている。その風景の選び方が、さすがCMクリエ-ターと感心するくらいポイントを押さえているので余計にそう感じる。物語の設定が芸人家族の修復というコテコテ大阪シチュエーションなのだから、商店街でのお見事な「大阪」の空気だけでじゅうぶん「大阪物語」が出来たのに、と思わずにはいられない。ちょっと残念。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-17 13:01:20) |
9.実家の大阪を離れて十数年…。気になっていたのでやっと見た。こんな情けないおっさんに美人で性格のええかみさんがおって、しっかり者の娘がいて…。でも、情けないお父ちゃんもええ所があったんやね。にんげん、誰でも無駄に生まれて無駄に生きてるわけやないと。今日もええ天気や。神様が空から見てはる。がんばらな。こんな感じですか。ごちゃごちゃした大阪の街並み(東京はただ人が多くて疲れるだけなんだが)が何だか懐かしかった。でも、大阪もどんどんミニ東京化してますよね。大阪に住んでる人がこの映画見て「何か懐かしなぁ」と思うようなことにならなければいいですが。 【しまうま】さん 6点(2004-10-25 14:31:30) |
8.映画としてはそれほど面白くはないのだが… 池脇千鶴をほんと、かわいく撮ってるのでファンにはおすすめ。 タイトルのまんま大阪が舞台なんで地元の人間は楽しめる。 それ以外の方には薦めれないかも…。 【ふくちゃん】さん 5点(2004-07-05 02:09:58) |
7.《ネタバレ》 いきなり関西寄席芸人たちが映し出されて♪クラリネットの胸キュンBGM、ツカミはバッチリ、でもそのあとは・・・「ええねんけどちょっと気シンドイ」という感じでしょうか。。 売れない設定だとはいえ、夫婦漫才が下手で笑えます。池脇チーちゃんは初々しくて好感持てるんですが、彼女を最初から’芸人の血をひいた物わかりのいい子’に置いてるので、成長した、というよりも、元へ戻った感じ?もあります。街の描写も「こんなとこもあんなとこもおます」っていう野次馬的な紹介をされているみたいで、それを見慣れている私にはちょっと長く、浪速ポンヌフかしらん?と心配までしました。大阪弁or演技、いずれかに難アリのかたがたもちょっと気になりましたが、浜村淳さんと町野あかりさんはいつものまんまで笑えました。ジュリーの情けなさと気持ち良いラストが心に残る一作。空が見てるんや、と思って、元気が出てきます。 【かーすけ】さん 6点(2004-06-13 23:59:33) |
6.最近知ったんですけど池脇千鶴のオカンと俺のオカンは友達らしいです。俺と本人も先輩後輩の関係。なんかあるかも・・・と思いつつ過しております。関係ないですね。失敬。 【モチキチ】さん 7点(2004-05-16 03:01:51) |
5.あらら、結構評価低いのね。確かに前半は大阪の芸人さん達がこれ見よがしに出てくるんで「んーいかにも吉本タイアップだなー」と思っていたけれど、後半、失踪した父親を探しに若菜(池脇千鶴)が街をさまよう中、時折ドキュメンタリー風に写し出される大阪のディープな風景が魅力的。不思議なパフォーマンスを披露する大道芸人や路上の露天商、道端でいきなり自転車を売りつけようとする怪しげなオッサン(笑)などなどがあまり違和感なく街に溶け込んでいる様はワイザツでありながらどこかアッケラカンとしていて、いかにもアジア的(何をもって『アジア的』というのか、とツッコまれると困るけど、ま、ええやん)な大らかさ、したたかさ、いい加減さに溢れていて、まるで西原理恵子の名作マンガ「ぼくんち」を彷彿(ほうふつ)とさせる。で、そうした色んな人々の生き様や、時には目を背けたくなるような現実を目の当たりにしていく中で、少女は成長し、かつて自分が「カス」と呼んでしまった父親の人生も肯定出来るようになる・・・いい話やないですか。しかもラストの池脇千鶴のセリフから尾崎豊のエンディングテーマにつながる所はなんとも言えず、爽やかな印象。それに大阪弁を話す池脇千鶴(彼女の「ええ感じや」というセリフはホント、ええ感じや)が可ー愛ーいの何のって・・・嗚呼、今度生まれ変わったら彼女の腹違いの弟になりたい(爆)。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-03-06 21:05:15) |
4.ドキュメントタッチな部分に、好みが分かれそうな気もする。題名が大阪なので大阪の街の描写が多いのは尤もだが、自分は2時間は少し長く感じた。暫く振りに観た2回目の方が1回目よりも違和感無く観られたのは、そこのところだと思う。なのでもっとコンパクトだったら良いなと思った。主役の池脇千鶴は決して好きではないし演技にも癖を感じてしまうのだが、魅かれてしまう女優だ。不機嫌な役が多いがこれからも新たな面を見せていって欲しい。 【じふぶき】さん 6点(2004-03-05 21:10:23) |
3.この映画の魅力≒池脇千鶴の魅力。退屈な映画だったけど池脇千鶴の大阪弁はかわいい。池脇千鶴のイメージビデオとして鑑賞するとよいかも知れない。 |
2.ジュリーのオッサンっぷりに幻滅、千鶴ちゃんの大阪弁とかわいさが救いかな。この映画セガールの息子も出てたっけ。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2003-10-27 16:23:28) |
1.《ネタバレ》 母が「これいいよ。」と言ってたので観ましたが、普通の感じの邦画でした。主人公が<今までの自分を見つめなおす>という、とても魅力的なストーリーなのに・・・何か足りません。ラストにジュリーが死ぬのもなんか・・・ツライです。だけど池脇千鶴がかわいかったし、演技が上手かった。あとジュリー(沢田研二)&田中裕子の漫才(面白くはないが)するなんて・・・驚きです!点数は<本編3点>+<尾崎豊の主題歌 2点>の計5点です。 【ピルグリム】さん 5点(2003-10-01 19:36:45) |