★9.大林宣彦監督作品としては、あまり見てる人は居ないかもしれない作品である。テーマがテーマだけに地味といえば地味だけど、人間って良いな!例え、国籍、人種が違っても、同じ人間同士仲良くやろうではないかという思いが画面から伝わってきます。前半と後半で話がどんどん違う方向へ変わって行ってしまうのは残念ですが、大林映画らしい優しさを感じることができます。残念といえば、当時の時代背景をモロに受けてしまった為か?本当なら違う終わり方にしたかった筈です。大林宣彦監督の無念を憶えずにはいられません。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-06-29 22:42:44) |
8.《ネタバレ》 八百春や居酒屋における人々のやり取りは、カメラを意識しない自由さで、ドキュメント調のようなつくりになっています。このあたり台本はつくり込まずに、場面場面において出演者の即興に委ねた印象を受けました。そして超常現象も奇をてらった演出もなくて、およそ大林監督らしくない映画でしたが、、 最後、強烈なのがありましたねえ (笑) 特にカメラに向かって語りかける演出は、近年の戦争3部作を彷彿させます。しかし、確かに画期的な演出とは思いましたが、スタンダードな人間ドラマとして流れが秀逸でしたので、そこは中国で撮影したふりをしてでもそのまま行ってほしかった、という思いが強かったです。 ストーリーとしては、国際交流を描いた美談であるし心温まるいい話です。ただ春三さんは家庭や店が崩壊寸前になるまで中国人に肩入れして、家族に対してその謝罪が最後までなかったのは残念です。店が持ち直して事態が好転したため、そこだけがうやむやになってる。この映画だけを見ると、春三さんよりもむしろ彼を支え続けた美智さんの忖度や忍耐こそ讃えられるべきでは? ・・でもそう考えると本作は、大林監督の妻であり映画プロデューサーでもある大林恭子氏に、感謝の意を込めた映画かもしれませんね。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-05-06 13:11:31) |
7.《ネタバレ》 途中まで、大林監督の作品じゃなくてもいいような感じだった。 普通の映画も撮れるんだなどと思っていたが、 後半、八百屋夫婦が北京に訪れる時に、一気に大林流実験映画風が炸裂する。 現実(天安門事件)のため、映画が撮れなくなるのだ。 そこで東京のスタジオで撮影した北京でのみんなとの再会場面。 ここでのもたいまさこのスピーチが実にいい。 抜粋 「人は幸せに見えたり、お金持ちに見えたり、それでも 人間の一人一人の中には変わらないものがあるような気がします。 それが人と人をつなぐもののような気がします。」 エンドロールでの中国人たちの演奏が胸に来ます。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2019-06-22 15:55:18) (良:1票) |
6.あまり動かないカメラと長い1ショット、かぶりまくる台詞など映画の中にドキュメンタリーを感じるようなつくりを取り入れていると思った。また物語の展開に呼応するかのように、晴れで始まり風が吹き出し曇天になり、雨が降り、最後は晴天のショットで終わるという天気の変化も印象的だった。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 6点(2015-07-17 18:26:44) |
5.大人数で喋る時のライブ感、性格破綻者とも思える主人公のベンガル、終盤の突然の映画の破綻、それらすべてが圧倒的な迫力でもって訴えかけてくる。映画的快感に酔いしれることのできる、大林映画の傑作。 【とと】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 08:06:46) |
4.《ネタバレ》 大林監督はここ近作二、三作で特に顕著に見られる「斜め傾きカメラワーク」よりも、この時期のように、ちゃんと腰を据えた演出の方がずっと良いですね。なんでここ最近いきなり「斜め傾き」演出になっちゃったんでしょう?それはさておき、実話を元にしたこの映画ですが・・・おそらく途中で、誰もが妻役もたいまさこと家族の気持ちになって「なんで見ず知らずの人にそこまでしにゃならんの?」って苛立たしく思ったはず。実は自分自身過去に仕事で中国の方と接する機会があり、非常に不快な思いをした事があったんで、映画観ながらそのときの怒りがまたフツフツと蘇ってきちゃいました(笑)その時に感じた事、彼らには「謙譲」っていう気持ちがなく、自己主張するだけして他人に譲るって事を知らないんじゃないかって思ってしまったんです。この映画の八百屋の親父さんのように、もっと長く深く付き合えば違ったのかもしれないけれど・・・。最後に恩返しをしてくれるより、その場その場で謙譲の気持ちを持ってくれたほうが私的には嬉しかったのになあ・・・。まあこれは中国三千年の民族的特性なんでしょう。異文化コミニュケーションってたやすく口で言うよりずっと難しいものなんだって身を持って経験しました。↓何人かの方も述べられてますが、自分もラストの「破天荒実験的処理」には疑問です。そこまではストーリーには苛立ってましたが、この監督の優しいタッチは充分伝わって来ていたのであそこで流れを突然堰き止めないで貰いたかった。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-09-19 11:32:56) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 すっごく好き。大林作品の中で最もよい。 【コウモリ】さん 9点(2004-02-22 11:47:30) |
2.《ネタバレ》 当時、民放のドキュメンタリーで散々放送していたので、元になった話は良く知っています。土地(店)を担保に入れてまで中国人留学生に奉仕する姿は、さすがに感動モノにはなりませんよね。実際、ドキュメンタリーで視た時は、申し訳無いが半分呆れてしまいました…。ただ、ここまで出来る人がいる…ってある意味スゴイ。彼が面倒をみた留学生たちの中には大会社の社長や重役に昇りつめた人もいるようで、大金をご主人に…と恩返しする事も有ったようです。もしも、自分が逆に何も知らない異国の地で恩人に出会ったら…と思えば1億分の1でこんな人がいても良いでしょう。ベンガルが淡々と演じ過ぎて、不気味に見える所がちょっとマイナス面。ちなみに、実際では夫婦揃って中国へ招待されていますが、この映画では行けなかった…と言うラストになっています。何故そんな描写にしたのか…謎。 【_】さん 5点(2003-10-15 13:00:49) |
1.《ネタバレ》 実話を元にした話だそうですが、うーん、どーなんだろ?主人公の八百屋のおじさんの、中国人留学生に対する献身があまりに異常に思えてしまって(家族に見放され、店も潰しそうになる)、途中で「これって実はサイコサスペンスなの?」と疑ってしまいました。あと、リアリティを追求してるのかもしれないけど、宴会のシーンなんかではワイワイガヤガヤしてるのをそのまま録音してる(らしい)ので異常に台詞が聞き取りづらい、という点も気になりました。後半はなんだか無理やりいい話にしているような感じだし、撮影中に天安門事件が起こったため中国での撮影ができなくなった事情を中途半端な形で役者に語らせているし(実験的といえば実験的だけど、問題提起ならもっと違ういい方法があるんじゃないの?と思ってしまった)、んー、どうなんだろ? 【ぐるぐる】さん 5点(2003-10-13 15:32:28) |