アンダーグラウンド(1995)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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アンダーグラウンド(1995)

[アンダーグラウンド]
Underground
1995年ハンガリーユーゴ上映時間:171分
平均点:7.43 / 10(Review 67人) (点数分布表示)
公開開始日(1996-04-20)
ドラマコメディ戦争もの政治もの歴史ものロマンス小説の映画化戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2012-06-16)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督エミール・クストリッツァ
キャストミキ・マノイロヴィッチ(男優)マルコ
ミリャナ・ヤコヴィッチ(女優)ナタリア
スルジャン・トドロビッチ(男優)ヨヴァン
スラヴコ・スティマチ(男優)イヴァン
ミリャナ・カラノヴィッチ(女優)ヴェラ
エミール・クストリッツァ(男優)武器商人
ピエール・スペングラー(男優)ロシア人ドライバー
脚本エミール・クストリッツァ
音楽ゴラン・ブレゴヴィク
撮影ヴィルコ・フィラチ
ソンク・ハンセン(第二班撮影監督)
製作カール・バウムガートナー〔製作〕(製作補)
製作総指揮ピエール・スペングラー
美術ミリアン・クレカ・クリアコヴィッチ(プロダクション・デザイン)
字幕翻訳清水馨(字幕翻訳)
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67.《ネタバレ》 旧ユーゴスラビア、今はもう存在しないユーゴスラビアに対する愛情、熱意、祖国に対する監督の情熱みたいな物がひしひしと伝わってくる凄いパワーを感じる。これが映画!これこそ映画の持つ凄さ、素晴らしさを感じることができる。
オープニングとエンディングが同じリズム、同じ曲てのがなるほど。監督の拘りを感じることができる。
この映画、音楽の流れる場面では役者達に喋らせない。殆ど無言で俳優の演技、それも狂気に満ちた世界を表現してる。
結婚式の場面で急に踊り出す人達、地下に閉じ込められてる中で一生懸命に生きようとする人間達の狂気に満ちた演技、時々流れてくる旧ユーゴスラビアのフィルム映像、あのチンパンジーのぶっ飛び具合がこの映画のぶっ飛んだ世界観をよく表している。映画撮影のシーンの面白さ、チンパンジーが生きていたと知った時は何故か泣けてきたし、映画の最後にこの物語に終わりはないてテロップが流れるけど正にその通りで、ユーゴスラビアという国は今は無くてもユーゴスラビアという国の歴史は存在する。あれだけ狂気な世界を描きながら、最後はハッピーエンドで終わるのが素晴らしい。映画の持つ力により、ユーゴスラビアの歴史を狂気と笑いで表現した監督の演出力に終始圧倒させられた。文句なし10点
青観さん [映画館(字幕)] 10点(2024-03-01 20:19:08)(良:1票)
66.「黒猫・白猫」のハチャメチャさに大いに楽しませて貰えたのですが、同じようなテンションでありながら「もう、いいから、くどい、つまんない」サッパリでした。
「昔ある所に国があった」1941年から1992年迄その国でのマルコ、クロ、ナタリアの喜怒哀楽が描かれていますが、彼等の心の内を考えようとしても馬鹿騒ぎに邪魔されて、長さにグッタリさせられました。
葬儀から窺える巨星チトー大統領亡き後あっという間にバラバラになって殺し合う国々が再び一つになる事は夢の又夢を感じるラストシーンに点数を。
The Grey Heronさん [インターネット(字幕)] 4点(2023-05-07 19:30:13)
65.《ネタバレ》 かつて存在した国家ユーゴスラビアの半世紀を、寓話変換の名手クストリッツァが手がけるとこういう風になるのですね。
地下に長年閉じ込められ、古い情報ばかり与えられて目も耳も塞がれている彼らは共産政権下の人民にも見えるし、その社会の中を上手く泳いで生き延びるマルコやナタリアのような人間もいたのでしょう。
ブカブカと流れる民族音楽は牧歌的で、芸達者な役者らは不思議と悲壮感無くむしろ明るめです。
しかしそれも終幕直前まで。最後までナチと闘っていると思い込んでいるクロが身を投じていたのは実は内戦という悲惨さ。様々な悲痛な思いがほとばしる酷い幕切れを迎えてしまいます。ちょっとぎくっとするほどの急転換です。
しかしこれがユーゴという国が辿った現実。ラストの夢のように幸せな「みんな一つになった」浮島は監督のユーゴスラビアへの哀悼以外の何物でもないでしょう。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-26 22:34:46)
64.「一見不味そうだけど噛み締めると旨味成分がジワジワっと…」みたいな作品でした。
宗教、言葉、民族がバラバラでとりあえずまとまっていた今はなきユーゴ、7つの国への分裂はなるべくしてなったんですね…
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-26 16:52:55)
63.小さい頃から自国で戦争があって 心がグチャグチャになってしまった人が、そのグチャグチャをそのまま映像化した。みたいな印象。
戦争なんて「知らない遠い昔か、遠い海外のもの」である自分には、この映画の本当の意味を理解は出来ないだろうなあと思う。
レビュアー63人中20人が10点を付け、マイベストという方も多数 というのが意外だった。
くろゆりさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-20 16:38:13)
62.《ネタバレ》 ~Underground~地下で。ひっそりと。秘密裏に。=物語の舞台の地下での生活、ひっそりと生き延びる指名手配のクロ、秘密裏に武器製造をさせるマルコ。ダブル・ミーニングにもトリプル・ミーニングにも考えられて、色んな意味が込められたであろうタイトルと作品内容。
かつて東欧にあった連合国家ユーゴスラビア。第2次世界対戦中はドイツに支配される側だった。その後ソ連のもと東側諸国として東西冷戦を乗り越え、冷戦終結後は内戦に突入。ボスニアとかコソボとか、東欧の中でも血生臭い印象の地名が属する国だそうだ。
強国の都合に翻弄され、鉄のカーテンのもとで“ひっそりと”分解していった国家・ユーラビア。その首都ベオグラードで激動の時代をたくましく生きた人々をユーモラスに描いた映画…って、随分と説明臭いレビューだけど、ユーゴスラビアって国についてほとんど何も知らなくて。どんな歴史を辿った国かを知っていれば、より深く理解できる映画だと思う。

観る前は、“大戦中、地下に逃げた人たちが、戦争後も避難生活を続ける、時代錯誤なギャップを楽しむほのぼの系ヒューマン・コメディ”だと思っていたけど…とにかく観ると疲れる。なんかグッタリする。何よりOPから流れる音楽“ジプシーブラス”?が、脳裏にこびり着いて離れない。
“太った娼婦の尻に一輪挿し”とかどう観るべきか理解難しいし、動物園の爆撃とか印象的な重たい場面が出てくるし、クロとマルコのやってることがメチャクチャで、笑って良いのか真面目なシーンなのか、感情の置き場所に困ったわ。
実際の空爆後の白黒映像に着色したものや、当時のニュース映像にマルコの顔や姿を合成したり、この映画と歴史を同化させる画は感心する。

戦後、あんな狭い地下で20年も武器製造をしながらの生活。地下から武器を上げる時、左右に分かれて開くテーブル。ガラスの花瓶まで真っ二つに、やっとコント要素も入ってることに気がつく。そういや、電気コードで髪の毛逆立ったり、最初からコント要素あったなって。
幻想的に宙を舞う花嫁の美しさと、滑稽な演出装置。ぐるぐる回り続ける楽団。映画撮影のドイツ兵と不死身のフランツ。
大砲で大穴が空いて、“さぁここから、みんなが地下から出てきて、地上とのギャップに大笑いだぞ”と思ったら、なんかそういう方向でもない。
更に時が過ぎて'90年代。猿がそんなに生きるか?とか思ってる間に、死者が集まる幻想的な結婚式に、ファンタジー要素も入ってるんだと気づく。そういやOPから撃たれても死なない楽団とかファンタジー要素もあったなって。

最後のセリフ「許そう。でも忘れないぞ」は、クロとマルコの話であり、祖国と世界の話であり、国内の民族の話でもある。
陸地から離れてドナウ川に流れていく小島。深い、濃い。そして長い。もう一度見たら理解も深まるだろうけど、またあの音楽が頭の中にこびりついて、グッタリしてる自分の姿が目に浮かぶ。
K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-20 12:47:35)
61.冒頭のブラスバンドが奏でる音楽に猛烈な違和感。民族音楽がベースなのかどうかは知りませんが、騒々しい中に一抹の物悲しさもあって、とにかく聞き覚えのなさに驚き。これが文化的齟齬というものかもしれませんが、個人的にはずっと聞いていたいとか、もう一度聞いてみたいという類ではないですねぇ。
で、その違和感がストーリー全編にわたって持続します。荒唐無稽なコメディと戦争・内戦の史実が交錯するわけで、いったどんな感情で見ればいいのか、どこへ連れて行かれるのか不安な気分にさせられます。口当たりは甘いがズシンと重いセルビアワインでも飲んでいる感じ(実際の味は知りませんが)。そして結局、〝現世〟ではないラストシーンにはいろいろな意味が込められているようですが、今ひとつ掴むことができず。やはり違和感だけが残りました。
もっとも、この違和感は当然かなという気がします。1つの連邦国家が、1人の天才政治家の死とともに四散するばかりか殺し合うなどという状況は、私のような平和ボケにはとうてい理解できないので。わかったようなフリをするより、この世にはわからないことがあると謙虚になったほうが道を間違わないかなと。
ただ唯一、ツボだったのはドイツ人将校・将校役の「フランツ」。1本の作品で何回殺されるんだと。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-15 02:57:52)
60.奇抜な作品。
ユーゴスラビアとか、馴染みが無いとわからないよね。
「猿」といつでも楽しげな「ブラスバンド」だけは良かったと思います。そこだけは。

やたら長いのが難点。
2回観てようやく理解が追い付いたので+1点
愛野弾丸さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-31 20:27:46)
59.《ネタバレ》 色々と映画を観ていると、稀にどうしようもなく「天才性」を感じさせる作品に出会うことがある。本作は特に(通常の辻褄を超えて展開し始める)後半は、もう殆どがその類いの「常人の才覚では撮れそうもない」映像となっている様に思う。

「何故、どうして」という点で全く常人の理解が追い付かない本作は、初見では十分に理解するのは難しいかもしれない(少なくとも私はそうだった)。しかし、そういった細かい点を超越して作品全体から迸る得も言われぬパワーとメッセージは、初見だろうが何だろうが多くの人の心に確実に響くであろうし、そして二度三度と観直すと本作もまた、細部まで精密につくり込まれた類稀な完成度を誇るクストリッツァの仕事だということが分かってくる。生涯に渡って何度も楽しめる、素晴らしい映画だと思う。

シーンとしてひとつ、空飛ぶ花嫁の結婚式は、全ての映画の中で私が一番好きなシーンだと言ってよいかも知れない(初めて観たときはやはり疑問と、そして感動と笑いが止まらなかった)。もう一つ、演技面ではどうやってサルにあれ程に上質な演技を仕込んだのか、そのうち聞いてみたい。

もう一点だけ、批判されることも少なくない本作のテーマ面について、私は監督の「歴史を肯定する」姿勢には賛意を表したい。人間と、人間の生業(としての歴史)は、全て多面的なものであると思っている。本作は決して、歴史の負の側面を虚飾で覆い隠そうという作品ではない。清濁併せ呑み、醜さもさらけ出した上で、ポジティブな側面を力強くかつノスタルジックに描いた本作は、テーマ面の表現についても傑出した作品であると強く感じている。
Yuki2Invyさん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-03-29 02:37:06)
58.《ネタバレ》 第2次大戦から冷戦の時代を経て、製作当時にはまだまだ燻っていた内戦に至るまで、
クストリッツァの祖国の、争いを抜きに語れない悲しき現代史を、登場人物の人生に重ね合わせ一気に見せる叙事詩。
いつの間にやって来たのか、クストリッツァ映画のレギュラーとも言える大勢の人物に紛れ登場する楽団が奏でる賑やかなジプシーブラスは
クストリッツァならではの力強い人間描写と共に時に陽気にコミカルに、過酷な中にも日々を懸命に生きる人々を称える人間賛歌でもありますが
時にはその人間模様が狂気じみても見え、時には何とも滑稽にも見えます。人間と戦争を彼らしい描き方で強烈に皮肉り風刺する。
賑やかな音楽と共に彼の映画に欠かせないのが動物ですが、本作ではその動物たちが空襲により傷つき血を流し死んでいく様も描かれます。
登場する人間達が放つ強烈なまでに人間臭さを感じさせる個性、
全てのシーンにみなぎる力強さとスケールの大きさに圧倒される3時間はあっという間に過ぎていく。
クストリッツァらしく賑やかな結婚式のラストですが、賑やかな宴の一団のいる陸地は分断され不安定に漂っているように見える。
祖国ユーゴスラビアもまたいくつにも分断し、今後どうなっていくのだろう?
「この物語に終わりはない」というラストもまた考えさせられる。
「映画の持つチカラ」というものをとても強く感じる作品です。
クストリッツァという人を知るにはやはりこの映画だと思うし、彼の最高傑作であると思います。
とらやさん [DVD(字幕)] 10点(2017-12-27 16:25:15)(良:1票)
57.エミール・クストリッツア特集上映「Unza!Unza!Kusturica!2017」にて鑑賞。
本当は本邦初公開の”完全版”(5時間14分)を観たかったのだが、悲しいかな私の地域では”通常版”のみの上映だった。
通常版の2時間50分ですら長いのに、そこから2時間半近くも上乗せされているなんてヤバい、狂ってる。でも観てみたい!

さて、こっから”通常版”のレビューですが、何というか一言では言い表せない作品だ。
色んな部分で狂気を感じるし、クストリッツァ独特の演出は他の作品と併せて観れば観るほどハマってしまう中毒性がある。
はっきり言って訳がわからない内容なんだけど、鮮烈に印象に残る場面がいくつもある。
特に彼の作品には多くの動物が登場し活き活きと活躍していることも特徴だが、本作では戦争の悲惨さを表す為かやや扱いが酷かった。しかし、そんな中活躍してくれるのがチンパンジーだ。愛らしい表情で和ませてくれるし、時に人間に復讐したりしてなかなか憎い役所だ。彼には演技賞をあげたい。

戦争の悲惨さを時にリアルに描きながらも、寓話的に作られたこの世界では人々は決して悲しみ暮れる事なく、永遠に続くかと思われる宴、いや狂宴に身を投じていくのだった。その宴のテンションは異様で、観る者を圧倒するだろう。ただ、かなり好き嫌いの分かれる作品だと思うので注意は必要。ちなみに、最新作の「オン・ザ・ミルキー・ロード」はこれに似た作品でありながらもかなりマイルドなので、先にそちらを観て気に入ったら本作を観るというやり方もおススメです。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-21 23:43:50)(良:1票)
56.《ネタバレ》 陽気なジプシーブラスと哀愁漂うチャールダーシュの対比、
歴史的事実に織り込まれた寓話が程よく溶け込んだ、唯一無二の世界観とグルーヴ感は一度見たら絶対に忘れられない。
ユーゴスラビアの歴史をよく知らないと厳しい部分があり、結婚式のシーンはややしんどいので2時間半でまとめられた。
あの世で踊り続ける、今は亡きユーゴスラビアの民への鎮魂歌。
この物語は終わらない。
そして、歴史の中で生き続ける。
昔々、とある国があったことを。
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 7点(2015-09-06 15:23:33)(良:2票)
55.こんなに3時間が長く感じ、早く終わって欲しいと思った映画も珍しいです。コメディパートとシリアスパートのミスマッチが著しく、コメディなのに全く笑えず、シリアスなのにふざけているような印象を受けた場面が多々ありました。これは1点か2点かな、と思っていたのですが、ラスト20分は見ごたえがありましたので、上方修正してこの点数としました。
川本知佳さん [DVD(字幕)] 4点(2015-01-10 23:00:22)
54.《ネタバレ》 マルコとクロの顔の区別がなかなかつかなくて混乱。
後半になってやっと見分けがついてきたほど。
初めて見る外国人俳優が同じような体格、髪型、ヒゲ面だと、見分けるのに苦労する。

シリアスな歴史ドラマか、シニカルなコメディか、はたまた社会派ファンタジーか、いずれにしても個性的で癖のある映画。
だけど、その独特の世界観がとっつきにくく、あのやたら騒がしいノリもどうも合わない。
身内ネタでハイテンションに盛り上がるパーティに出て、付いていけなくて隅っこで固まっているような居心地の悪さ。
終盤になってようやく面白くなってはきたが、それまでが長すぎる。
3時間近くある映画だが、もう少しコンパクトにまとめてくれないと。
内容も旧ユーゴの歴史に馴染みが薄いのであまりピンとこない。
そうしたことに詳しいと、皮肉に満ちたメタファーももっとはっきり伝わるのだろうけど。
いろんな点で、苦手なタイプの作品。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 3点(2014-11-19 00:17:07)
53.自分の好みではなかった。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 4点(2014-09-20 00:22:18)
52.みんな陽気だなぁ。
michellさん [DVD(字幕)] 7点(2013-05-09 19:50:33)
51.しかしやたらと長かった・・・。ただ、油断していると随所に顔を出す、謎のような暴走したテンションの高さは、強烈でした。いや、でもやっぱり長かった・・・。
Oliasさん [DVD(字幕)] 5点(2013-04-27 18:43:54)
50.悲しい。イデオロギーとエゴ、金欲と愛欲にまみれた狂騒のうちに、それぞれの人生は、はかない幻のように終わってしまう。そして気がつけば、彼らの祖国もまた、まるで儚い人生と同じように、夢のように消え去ってしまう。
この映画の悲しみが、祖国愛を強く喚起するためのものだと解釈することはできます。そして、そういう解釈は政治性を帯びずにはいられません。私は、祖国というものは元来、人生と同じようにもろく儚いものなのだろうと思うけど、かりにそう納得したとしても、それはそれで、また逆の意味での政治性を帯びる。
この映画がはらんだ政治的主題を、日本人の自分がどう受け止めるべきかを考えるのは、正直とても難しいけれど、そういったテーマの難しさは措いたとしても、この作品の脚本の見事さと表現の力強さには感嘆せずにいられません。たんにバルカンブラスを聴かせるだけの映画じゃあなかったです。
まいかさん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-03 02:37:35)(良:1票)
49.これは凄い。映画のBGMの半分以上を映画の中を演奏してる映画は今まであっただろうか。今は亡きユーゴスラビアを舞台に50年という間を171分のruntimeに濃縮しまくってるぶっ飛んだストーリーは最初から最後までテンションたけぇ~。そしてみんなハチャメチャしすぎ~(笑)空襲シーンや戦闘シーンの迫力がありすぎで普通にビビったし戦争に巻き込まれた人たちの悲劇なのに見ていて思うのは喜劇なんですねこれが。その辺エミール・クストリッツァの演出といいますか、見事すぎですがその中でもこれはハッピーエンドといってもいいかもしれないクライマックスがまさかの大円陣。みんな同じ所に行ってしまったからこそできるこの終わり方、この映画はやっぱり喜劇かなぁ。
M・R・サイケデリコンさん [映画館(字幕)] 8点(2012-06-06 00:25:30)(良:1票)
48.《ネタバレ》 デジタルリマスター版再上映にて鑑賞。あの音楽を大音量で堪能できるのが素晴らしい。もうノリノリ。
ユーゴスラビアの半世紀余りをコミカルに、寓話的に綴っているが、そこに描かれるのは人間の「したたかさ」。時に騙し、時に嘘をつき、時に暴力をもって、したたかにしたたかに生き延びてゆく人々。たびたび繰り返される饗宴は、理不尽な不幸に押しつぶされず、されどそこから逃げ出さない、ある種の「覚悟」をまとっているようだ。
何よりこの映画全編から伝わってくるのは「辛いことばっかり続いてるように見えるけど、それでも俺達は何とか楽しく生きてるよ」とのメッセージ。2時間51分は観るのに気力体力を使い果たしますが、鑑賞後に残る物は全ての映画の中で随一。一番大好きな映画作品です。
おはぎさん [映画館(字幕)] 10点(2012-04-28 01:26:20)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 67人
平均点数 7.43点
011.49%
122.99%
211.49%
322.99%
457.46%
534.48%
6913.43%
768.96%
868.96%
91116.42%
102131.34%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review2人
2 ストーリー評価 8.14点 Review7人
3 鑑賞後の後味 8.55点 Review9人
4 音楽評価 9.42点 Review7人
5 感泣評価 8.50点 Review6人
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