24.《ネタバレ》 “実録ヤクザ映画の極北”という評判ですが、たしかに想像のはるか上を行く壮絶さでした、『スカーフェイス』なんて可愛いもんです。主人公が“伝説のヤクザ”と呼ばれているというので、成り上がって組を創って暴れまわるのかと思いきや、最後までただのチンピラで終いにはヘロイン中毒というのはちょっとサプライズでした。この男のやることには何の筋も道理もなく自分の親分や盟友を傷つけたり殺したりで、ヤクザなのにハナ肇や梅宮辰夫がなんかすごく善人に見えちゃうぐらいです。たしかに渡哲也の演技は鬼気迫るというか狂気すら感じさせますが、実はこの役は彼が大河ドラマ『勝海舟』を病気降板してからの復帰第一作なんです。でも快癒というにはほど遠い状態で、後半の演技は体調の悪さがかえって迫力を生むことに繋がりました。冒頭で関係者のインタビュー音声を流す(なんと隠しマイクで録音してしかも無断使用!)など深作監督作としては珍しい手法、でも主人公の戸籍謄本まで晒しちゃうのは現代では炎上必死でしょう。終戦直後から始まるストーリーなので警察が三国人を抑えるためにヤクザを使ったという話はよく知られていますけど、殺人容疑で一審有罪判決を喰らった被告が控訴中に保釈されるという展開には心底びっくりです。それも1950年代の話しですからねえ、昔はいろいろと緩かったということなんでしょうか。あと渡哲也が逮捕されるシークエンス、窓から拳銃を乱射する渡に取り囲んだ警察とヤクザが石を大量に投げつけて対抗すんですが、監督の意図せず本作で唯一笑いを誘うシーンとなっています。たしかにあれじゃあ堪りませんよね(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-07 23:02:31) |
23.《ネタバレ》 それぞれの正義が描かれるヤクザ映画においては、ここまでクズの主人公は新鮮なのかもしれない。ただ精神科医として鑑定や刑務所で本物のサイコパスを見てきた身としては、何らドラマチックには感じられなかった。せめてもう少しストーリーがあれば。最後の飛び降り血糊シーンもひどい。 【なす】さん [インターネット(邦画)] 5点(2019-06-30 15:46:16) |
22.《ネタバレ》 実在したヤクザである石川力夫の壮絶な生き様を描いた深作欣二監督の映画。とにかくこの主人公 石川力夫(仮名ではなく実名で登場するというのがすごい。)がとんでもない男で、終始何を考えているのか分からない凶暴さを前面にむき出しにしていて、薬や女に手を出す、親分(ハナ肇)やいつも気にかけてくれている兄弟分(梅宮辰夫)にまで牙を向くというまさに仁義なきヤクザという感じでその異様さがめちゃくちゃ際立っている。それを演じるのがそういうのとは程遠いイメージの渡哲也(深作監督の実録ものということもあって先入観からつい主演は菅原文太と思い込んでしまっていたのだけど。)というギャップが面白いし、他社出身の俳優が主演だとイマイチ持ち味が生かせない監督も多くいる中、見事に全編通して「仁義なき戦い」のような熱気にあふれたこの時期の深作監督らしい映画になっていて、力夫には感情移入や同情といったものが全くできず、むしろ嫌悪感さえあるのについ見続けてしまう。渡哲也は最初は梅宮辰夫と一緒にいるシーンとか違和感を感じていたのだが、見ているうちに気にならなくなったし、イメージを覆すほどの怪演を見せていて、存在感も圧倒的。病み上がりで力夫を演じていたらしいのだが、その影響と撮影の疲れからか、とくに後半の力夫が麻薬におぼれてからは、役としての演技ではなく、渡哲也自身が体調不良なのではと思えてきて、役柄と役者の区別がつきづらくなってしまったが、それが却ってリアリティを感じさせるものになっている。力夫がうつろの表情で妻(多岐川裕美)の遺骨を食べるシーンが目に焼き付くのだが、とくにこのシーンの撮影時などは相当体調が悪かったのではと思えてしまう。中毒性の強い映画で、深作監督の映画の中でもカルト映画と呼ばれているのもわかる映画だが、中毒性だけでなく、渡哲也のそういう状況下での演技にもカルト映画と呼ばれる要因があるのではないかと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-05-19 18:46:33) |
21.ここまで酷い主人公って他にいるかな?ちょっと思いつかないぞ。本当にクズ過ぎて救いようがないんで、そんな映画が好きな人にはお勧めです。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-06-02 16:28:13) |
20.《ネタバレ》 力夫に感情移入できるわけないし、同情も出来ない。ただの狂っている男にしか見えない。そこには、ギャング映画のようなスタイリッシュさもないし、滅びの美学もない。ひたすら惨めで、悲惨でしかない。暴力の果てにあるものを飾らず、目をそらさず、誠実に描ききっていた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-11 13:34:18) |
19.《ネタバレ》 「仁義なき戦い」と同じく深作欣二監督による実録ヤクザ映画と聞いて、なんとなく手にとったのですがとんでもない作品ですね。カルト映画とされている訳も良く分かります。序盤は「ああ、スカーフェイスと同じく跳ねっ返りヤクザの一代記か」と思っていたのですが、中盤で酔った勢いで親分を殺した辺りから「単なるツッパリを超えちゃってるだろ」と思い、兄弟分の今井を殺した時点で「なんだこの怪物は……」とどんどんと主人公の印象が変わっていきました。とにかく主人公の意味不明な凶暴性が目に付き、余りにも言動が不愉快で不可解なのですが何故か目が離せませんでした。全く好きにはなれませんでしたがね。 主人公を演じた渡哲也の鬼気迫る演技と、その凶暴な演技を際立たせている深作監督のコンビネーションが素晴らしくも恐ろしい、良作ヤクザ映画だったと思います。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-08-03 12:34:14) |
18.《ネタバレ》 渡哲也も田中邦衛もみんな顔色悪っ!! シャブにレイプに裏切りに・・・。 ここまで破滅的でなにが言いたいかわからん映画も珍しい。 セピア色で展開されるシャブ中毒のシーンが印象深いんでこの点。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-23 23:22:09) |
★17.『スカーフェイス』を彷彿とさせる、孤独なヤク中の基地外映画。それをあの渡哲也が演じているっていうのが凄いです(今のイメージからは想像もつかん)。ただ、あまりにもこの石川力夫が無茶苦茶過ぎて感情移入など出来るはずもなく、後半は不快感すら感じてしまいました。というか、なんで組の人達は石川にあんなに寛大なんでしょうね? 車爆破の時点で即殺されてもおかしくないような…。 【とかげ12号】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-15 09:11:27) |
16.《ネタバレ》 全編通して感じられる熱気は「仁義なき戦い」の流れを汲んでいるのだが、主人公の石川力夫にはそこまでついて行けない。確かに渡哲也の怪演には観る者をグッと惹きつける力がある。仁義と共に墓に入ることとなった石川だからこその数々の行動なのだが、あまりにも無鉄砲すぎではないか。そして、今作は脇にそれほど目立った活躍がなく、渡哲也の独壇場であった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-27 10:53:37) |
15.《ネタバレ》 前半の乱痴気騒ぎとその後の転落が対照的に描かれ、まさに「三十年のバカ騒ぎ」と言った石川力夫の人生。ヤクに溺れてからの石川はまさに「狂犬」。よくこんな男を野放しにしてきたものだ。やくざも怖れたやくざらしく、警察とやくざが一緒になって、籠城した石川に投石する場面が何だか可笑しかった。自殺した妻の遺骨をぽりぽりやる場面は圧巻。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-05 11:14:36) |
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14.三池崇史がリメイクした『新・仁義の墓場』の方が圧倒的に好きです。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2007-09-21 08:17:35) |
13.《ネタバレ》 自分がヤクザ映画観るなんて思わなかったですが、意外と衝撃を受けました。渡哲也にも悪役ってイメージがなかったのですが・・・役では本当にどうしようもない男で危険極まりないところが裏社会で生き残っていく様が凄い。仁義もなんのその・・・親分を刺しちゃうし、女を襲って働かせちゃうし、ヤク中にはなるし、骨食べるし(/(エ)\)それが実在した人物ってところが、あまりにもドラマチックで深いです。若い頃の俳優さん達見れるのもいいかも♪さすがに女性向とはいえませんが(笑) 【うさぎ大福】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-03-15 16:11:38) |
12.《ネタバレ》 「仁義無き」には仁義があった、此れには全くそれが無い。しかも演じているのが最も礼儀を重んじるという印象の渡哲也、容貌は”大門”そのままで最初から呆気に取られた。狂犬のような男の伝記であるが、憧れや同情のようなものは一切無かった。全くもって異様な人間である、1度ならずも2度も親・兄弟分に手を掛けるのである。それ以前に、周りは此れだけ面目を潰されてよくこの世界で生きていけるものだと感じる。どう考えても指が幾つあっても足りない行動を犯しているのだが。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-02-12 18:14:20) |
11.《ネタバレ》 そんなに好きな感じじゃなかったけど圧倒はされる。こんなに破滅的で狂気の世界が実話を基に...てのにも驚かされる。ただちょっと思うのはハナ肇が金子信雄だったらもうちょっと渡哲也の行動にも納得できたかなぁと。まぁそれにしても自己中すぎるな…。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-05-21 00:01:41) |
10.実在した石川力夫については知らないが、渡哲也演じる主人公は、かなりヘヴィーな人物である。映画も「仁義なき戦い」の流れを汲みながら、そんな主人公を中心として、よりディープな雰囲気を漂わせる。深作の手にかかっては渡哲也もこうなってしまうのか。。。敢えて渡哲也が演じる必要があったのかどうか分からないが、まぁ作品としては、なかなかすごみがあります。というか、凄すぎるよ。 |
9.やる事すべてが振り切れてる。怖いとかそんなレベルの男じゃない。ほんと一回見てほしい。えらい事になってるから。 【モチキチ】さん 9点(2004-03-13 05:52:36) |
8.作品全体に凄みを感じたね。渡哲也は鬼気迫る怪演だったと思う。「やくざの墓場」より数段いいよ。 【nizam】さん 8点(2003-12-20 12:44:49) |
7.パワーのある映画。渡哲也が熱演していますが、端整さが災い して、小川力夫の狂気をいまひとつ伝えきれなかった気がする点が残念。どんどんディスペレ-トしてゆく力夫が、レイプして自分の女に した多岐川裕美を結核で死なせる前に入籍していた話も、戸籍を撮るだけのぶっきらぼうさによって却って哀しみが伝わってくる。 親分の前で妻の骨壷を開けて無言で骨を喰う場面は、鬼気迫るものあり。 【iris】さん 8点(2003-11-12 10:13:02) |
6.ヤクザ世界でも生きていけない狂犬みたいな男の凄惨な人生。この映画そのものが、観客に牙を剥いて唸り声をあげているようだ。どこまでも救いがなく、どこまでも凶暴で・・・・・ブルーススプリングスティーンの「ネブラスカ」という歌の歌詞を思い出した。 【ひろみつ】さん 9点(2003-11-06 23:15:59) |
5.本当の意味でヤバイ映画。田中邦衛がなんか可愛い。 【ゆうた】さん 7点(2003-03-15 21:40:29) |