393.《ネタバレ》 “What's Eating Gilbert Grape”『何でそんなに苦しんでるの?ギルバート・グレイプ』。他にも『~イライラしてるの?』や『~悩んでるの?』なんて訳もある。そうだったんだ、モトのタイトル、主人公の名前だけじゃなかったんだ。 私の中の第二次映画鑑賞ブームで出会い、こんな繊細な内容のアメリカ映画もあることに驚きました。 時代のプリンス・ディカプリオが知的障害者の子供を。幸薄い役ばっかりだったジュリエット・ルイスがキラキラ輝いてるのも印象深い作品。 このエンドーラって町の閉塞感。ギルバートはまるでこの町に閉じ込められてるように観えます。実際、家を出た兄を除いてグレイプ家の3兄妹は、過食肥満の母と知的障害者のアーニーの面倒を見るため、町を出ることが出来ません。物語はアーニーが18歳を迎えるまでの6日間のお話です。 不思議なことにギルバートの周りは、この町で死んでいく年寄りと小さな子供しか居ません。買い物も巨大なショッピングモールと潰れそうな食料品店。極端な話、“生”と“死”しかない町で、中間が無いんですね。 友達もバーガー屋(=食べること=生きること)を夢見るタッカーと、葬儀屋(ズバリ死)のボビーの間で、ギルバートは未来の選択を迫られています。 選択と言っても、家族も周囲の人たちも、みんなギルバートに頼って生きています。食料品店の店長なんて、フードランドの勢いに恐怖しながら、ギルバートに慰められて商売を続けてます。 この町にはどうしてかギルバートと同年代の女性が居ないので、若い人妻ベティとの不倫のスリルを楽しんでいます。ベティもまた、この町で年老いて死んでいく側の人でした。そこに新たな存在ベッキーが町の外からやってきて…。 お母さんは最後どうして??ですが、彼女は最後、アーニーを無事18歳にしたことと、ギルバートがベッキーとの未来を見せたことで、ギルバートに頼る生き方をやめる決意をしたんでしょう。それが、2階のベッドで人間らしく寝ることだったんでしょうね。彼女が前向きに生きる決意をした矢先の事故死。自殺ではありません。「光り輝く甲冑を着た王子様」の話は、彼女の遺言ではなく、近々出ていくギルバートへの“贈る言葉”だったんでしょう。アーニーにも何か言葉を贈ろうとしましたが、その前に彼女は力尽きてしまいました。 何ともあんまりな話ですが、この町では死は滑稽なカタチでやってきます。元気だったカーヴァーさんは子供用プールで溺れ死にました。もちろんベティによる他殺ではありません。お母さんの死はそれと一緒。※余談だけどカーヴァーさんが子供に買い与えたトランポリンがアーニーの誕生会の場に置いてあるのがなんか微笑ましい。ベティからアーニーへのプレゼントだったんでしょう。 奇遇にもベティもギルバート兄妹も、自分を縛る存在(夫・母親)が死ぬことで、エンドーラを出て新しい生き方を始めます。 母の死からから1年後。少しも変わらないアーニー。少し髪が伸びたベッキー。なんてワクワクする終わり方でしょう。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2023-12-17 21:51:32) |
392.《ネタバレ》 名作の誉れ高い本作、ようやく鑑賞しました。 物凄く重いテーマを取り扱っているのに、暗い雰囲気に終始しない作風は監督の手腕に因るものかと。 鑑賞する方々の置かれている現状で感想が多様に変わる作品だと思います。 もし私がギルバートと同じ立場だったら... やはり家に火を放つでしょうね。 良作です。 【たくわん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-03-08 10:43:18) |
391.義務感、責任感にがんじがらめになっているギルバート。炎を見て彼は何を思ったのだろうか。私はこの先も拗ねる事無くぐれる事無く精一杯生きて欲しいと祈りました。ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオの鮮烈な瑞々しさが記憶に残るであろう良作。 |
390.ギルバート(ジョニー・デップ)の人生がいかに「詰んで」いるのか、彼の心情がよく描かれている作品です。しかし映画として暗くなりすぎていないのは監督の手腕、そしてディカプリオ他、出演陣のおかげでしょうか。目立って素晴らしい映画だとは感じませんでしたが、ギルバートの状況が理解できる人には深く刺さる作品かもしれません。 私は過去に統合失調症の姉を持つ女性と真剣に結婚を考え、そして破談になった経験があります。これら精神的な(脳および心の)病を持った家族を持つということは、とてつもなく多岐&長期に及ぶ影響を考えないといけません。自分の子が結婚しようとした時にどんな問題が起きうるのか?両家の両親が高齢期を迎えたら?そもそも自分自身の人生は?世間の目は? 綺麗ごとでは済まない問題が山積みですが、、当然ながら制作サイドはそれらをよくよく理解した上でこの映画を作ったと思います。その思いが重くなり過ぎないギリギリのラインで仕上げられているのは見事です。ラストの描写が大変素晴らしく、今後も変わることがないであろうギルバートの「詰んだ」人生ですが、彼がそれとどう向き合うつもりなのかがよく理解できます。よき伴侶を迎えて一生を背負う覚悟ができたであろう彼の笑顔が素敵でした。 なお、終盤が唐突過ぎるという意見が多いですが、長いこと習慣化していたある行為を突然変えた時、血栓などが流れることがあったりします。映画のようなケースは十分あり得ること、自然なことではないかと思いました。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 7点(2022-04-28 13:22:40) |
389.《ネタバレ》 予備知識ゼロで視聴。 ディカプリオ様はこの当時から既にディカプリオで、演技が完成していたんですね。凄いなあ。 言葉は悪いですが、主演のジョニー・デップが霞んで見えます。 他の方も書いてらっしゃいますが、ラストでの母親の死は唐突すぎて消化不良です。 でも、いつかまたもう一度見たいと思える映画でした。 【めたもん】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-12-11 14:57:00) |
388.《ネタバレ》 お母さん、なんで最後に2階に登ったんだろ? その理由が分からなかったのでスッキリしない。 家族愛と兄弟愛を描いたヒューマンドラマ。 デップとディカプリオの共演が何と言っても最大の見どころ! 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-10-31 20:29:24) |
387.地味な映画かなあと思いながら観てましたが、中盤からなんだか無性に泣けて来て、終盤の大きなイベントのシーンではカタルシスを感じながら号泣してました。どうして泣いてしまったのか、私の文章力ではうまく表現できませんが、心の奥にある感情を揺さぶる作品であることは間違いない。主人公の心の成長が上手く描けていると思います。 【すらりん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-13 13:46:00) |
386.ミスチルが録画したのはこの作品ですね。大昔に見た「大草原の小さな家」のような、健気に生きる家族にトラブル続出みたいな話ならイヤだなと思って避けていたのですが、案外ほのぼの系でした。どちらかといえば、やはり大昔に見た日本のATG映画から熱気と湿気とエロを削ぎ落とした感じ。世間的には誰も関心を払わないが、本人たちにとっては一大事という私小説的な悲喜劇でした。劇的に何かが変わるわけではなく、どこまでもナイーブなところがいい。 例えばジョニー・デップが父親について話し、ジュリエット・ルイスが「似た人を私は知っている」と答えるシーンなんて、何気ない会話のようですがけっこうグッと来ます。そこまで2人の距離が近づいたというか、慈愛に満ちているというか。 邪道ながら、ジョニー・デップの「シザーハンズ」は3年前の作品、ジュリエット・ルイスの「ナチュラル・ボーン・キラーズ」は翌年の作品。カルトな作品に挟まれて奇跡的に交錯したのかと勝手に想像すると、また感慨深いものがあります。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-09 02:39:35) (良:1票) |
385.《ネタバレ》 4人兄弟の長男デップ、次男は知的障害のデカプリオに優しい長女、次女。母親は旦那の自殺を機に過食症で動けない。大変な家族なのだが長男が支柱となり、支え合って生きていくのは自分を犠牲ににして、家族に努める姿は見事だ。特に次男は目が離せなく大変で、知的障害者が家族に居ると本当大変なんだろうなと考えさせられる。長男の唯一の心のよりどころが町を転々とするジュリエットルイスだった。次々と家庭内で問題が起こり、逃げ場ない長男の心の支えとなっている。この3人の演技力が、この作品は大きく昇華していると思う。最後は家ごと始末して仕切直しみたいになるが、この終わり方も今後の兄弟達を考えさせられる良い終わり方。良作。 【SUPISUTA】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-14 11:41:29) |
384.重いテーマを扱っている作品。 こういった映画は上手く入り込めないことも多いが、演技の良さもあり、自然だ。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-13 13:10:19) |
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383.ディカプリオもデップも大成していったのが分かる いい演技っぷり。 内容的には、母がただあの体格ってだけじゃなくて、田舎町から抜け出せない「しがらみ」の象徴として描かれているのかなとも思ったりしました。私は都市育ちだけど、田舎育ちの人が見たらもっと共感できるのかも。 母の死は睡眠時無呼吸症候群からの心筋梗塞あたりですかね。(出来るなら)横向きで寝るべきらしい。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-05 15:14:06) |
382.《ネタバレ》 若かりしジョニー・デップとレオナルドディカプリオの豪華共演はファンにとっては堪らないムービーでしょうがそうでなければ感動作とはやや違う気がする。 どんでん返しは知的障害を抱えた危なっかしいアーニーがラスト死んで感動させると見せかけてママが死ぬこと。そうくるか! 皆様仰るとおり250キロとは言えママの死は不可解。あんな肥満でも人間って意外と頑丈なんだよ。それを入院して呼吸器をつけてるわけでもないのにコロッと。サスペンスかファンタジーか。 思い出詰まった家ごと燃やすって…最高の墓場になってしまいました。理解に苦しんだクライマックス。家族愛って難しい…。 |
★381.《ネタバレ》 つまらんとは言わんが面白くもない。 なんてことはないが色々なことが起こる日常の繰り返しなのだが 最後、太った母親が死ぬタイミングがあまりにもおかしい・・・ 数分前まで普通に生きてて あのタイミングで自然死するのはさすがに酷い。 死因は何だ。全然わからない。 物語的にあそこで死んでもらうしかないのだろうが 「脚本の都合」のニオイがプンプンしてしまい、 まさに興醒めってやつだ。 描写は無かったが、母親は自殺ってことなのか? ディカプリオの演技はこの頃からすでにすごかったのですね。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-10-18 00:42:33) (良:2票) |
380.重たいテーマを比較的ソフトに描いてある。登場人物それぞれに欠点があり、魅力もある。良い映画だとは思うし共感もするが、心を揺さぶられる程ではない。グレイプ家と同じような境遇にいる方なら刺さるのかも知れない。 あと、ディカプリオの演技は素晴らしかった。 【alian】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-03-04 23:11:58) |
379.《ネタバレ》 知的障碍者の弟に、父の自殺で過食症の超肥満体となった母。姉や妹とも小さないざこざを起こしながら父親代わりとして一家を支えるギルバート。その肩にかかるずっしりとした重みが、こちらにも伝わってくる。 小さな田舎町の家に縛られた閉塞感に、家を捨てた長兄を恨む気持ちもあったはず。店の常連客の奥さんと不倫でもしなければ息が詰まったのだろうか。ずっと我慢していたギルバートが思わず弟に手を上げてしまったところにはどっぷり感情移入。誰だって理性の糸が切れてもおかしくない状況だ。 母を死んでからも皆の笑いものにしたくない一心で下した苦渋の決断。古い家ごと母の遺体を焼いた四人の子供たちは、どういう思いで炎に包まれた家を見つめていたのか。そこに慟哭するような悲壮感はなく、これで良かったのだという少しの安堵と解放感のようなものも混じっていたような。自分たちを縛りつけてきた家に別れを告げ、再生の時を感じとっていたのかも。ギルバートとは対極にある旅する女性が救いとなって、ラストは自由を得た明るさが感じられる。 主演のジョニー・デップも良かったが、障碍者の少年役のデカプリオは見事な演技で感心されられた。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-25 00:38:38) |
378.《ネタバレ》 小さな田舎町で知的障害を持つ弟と過食症で引きこもりの母を持つ主人公は 働いて家族の面倒を見ていた。 そんな中、旅の途中車の故障で町に滞在する娘に一目ぼれする。 しかし彼女と過ごすためには弟と母が主人公の重荷になっていく。 といった話。 驚いたのは主人公ジョニーデップ。弟をディカプリオが演じてます。 22年前の映画なので二人とも若いw ディカプリオの障害を持つ少年の演技がすばらしい。 だんだんと苦しみストレスが溜まっていく主人公。 見てるほうのストレスもMAXにw いい映画でした。 でもラストがちょっと不満かなー。 【Dry-man】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-06-25 00:18:06) |
377.《ネタバレ》 ディカプリオすごいね~、とても難しい役を演じてますね。ジュリエット・ルイスも爽やかだし、お母さん役もインパクトのある方でした。独特な作風で、ジョニー・デップの憂鬱な表情を通じて閉塞感がある街の雰囲気がよく出てました。しかし毎年通りかかるキャンピングカー集団は何? 作中で特に説明的場面は無かったように思うけど、何か集まる系なそういうイベントがあるのかな? フト気になってしまいマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-06-18 07:31:05) |
376.《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレムの最高傑作は「HACHI 約束の犬」なのかも知れないが、やっぱりハルストレムはのどかな田舎で起こる騒動を描いた映画が一番落ち着く。「やかまし村のこどもたち」とか「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」とか。 冒頭に登場する長い道は、家族という“鎖”から解き放たれ、旅人が大地を歩みはじめる事を待っている。 知的障害の弟アーニー、夫の死のショックで肥満になってしまった母親、それの面倒を見なければならないギルバートたち兄妹。そのストレスを晴らそうと、不倫を受け入れるギルバート。 自分の母親を「鯨」呼ばわりする彼だが、本当は家族を守りたいと一生懸命。必死に自分を押し殺して生きようとしている。 そんな彼を解き放とうとする様々な出会いや事件。 アーニーの行動がギルバートの鬱憤を爆発させ、不動の母を大地に立たせ歩ませる。 妹の“中指”に車の“バック”で返事?するシーンは爆笑。危ねえなあもう。 首の無い状態で腰を振り続けるカマキリを想像してしまって泣いた。色んな意味でオスを「ごちそうさま」ですかそうですか。 男を喰らう母親もいれば、我が子のために死を選ぶ母親もいる。 グレイプを刺激するベッキー。 帽子を被った可憐な少女かと思えば、帽子を取ればボーイッシュで活発な女性に。 多くを語らないベッキーママも粋な事。 不倫に奔る母、 愛する子のために恥を捨てて行動する母、 娘を静かに見守る母・・・様々な母親がギルバートたちを囲む。 終始何処かコミカルだが、終盤はシリアス。 喧嘩と仲直り、別れの前の交わり、そして“火葬”・・・しがらみから解放されたギルバートたちは、愛する者と共に果てしなき大地へと旅立っていく。 メッチャ良い映画やんけ。 ダーレン・ケイツが幼い頃に体験した両親の離婚。家族が死ぬのと同じくらい彼女にはショックだったのだろう。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-21 21:22:01) (良:1票) |
375.《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレムのつくる空気感がとっても好き。 |
374.米アカ助演男優にノミネートされるくらい当時19歳のデカプリオが子供っぽい体形で演じていたのが意外でした。過食症で超肥満の母親役にも何か賞をあげたいです。日常生活の中のヒューマンドラマなんでしょうが私には感動、共感が薄い作品でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-03 15:52:57) |