28.《ネタバレ》 シリーズ38作目。あれれ?夢オープニングじゃないぞ?寅の一人語りと桜が満開の江戸川の土手。そして語りの〆が「私の故郷と申しますのは、東京は葛飾柴又…」そう!東京って付いてるから、1作目の一番最初のナレーションを意識してのオープニング。 あぁ、本作が寅さんの最後って噂もあったのか。確かに、おいちゃんが肺炎で入院している。跡取りの寅は何してるんだって話をしてる。おばちゃんは「もう店辞めよう!」って騒いでる。そして三船敏郎がゲストで出てくるとなれば、最後の寅さんと言われても納得の布陣。 本作の本流は獣医の先生と、はまなすママの恋愛模様です。'80年代に入り、もう若くない寅は、若者の恋をサポートすることは多くなってきたけど、熟年の恋をサポートするというのは、意外性としても面白い試みだったと思います。 常に難しい顔をしてた先生が、その難しい顔のまま、勇気を振り絞ってママに告白するシーンは、とても手に汗握る展開で、ある意味微笑ましく、そして知床の風景に負けないくらい爽やかでした。 舞台はほとんど“This is知床”の斜里町。観光名所も多く、カラッと爽やかな斜里の風景がじゃんじゃん出てくる。ご存じの方もいるだろうけど、劇中何度か歌われる『知床旅情』って、斜里の裏側、観光地化があまり進んでない漁師町・羅臼町の歌です。 斜里の自然描写が多いぶん、割りを食ったのが、寅とマドンナりん子との恋愛模様だったのかもしれません。二人の関係が終わるところも、船長の語りで済まされてしまいました。 ところで、りん子はどうしてまた東京に出てきたんでしょうか?東京にはあまりいい思い出はなく、知床で暮らしたほうが幸せだったんじゃないかと思うところ。もし本作が最終回だったら、寅とりん子の今後を、もう少し匂わすカタチで終わっていたのかもしれません。だから、東京に出てきたのかな?って。 何せ竹下景子は3度も別人マドンナをしたくらいだから、リリー/浅丘ルリ子とは別な意味で山田監督のお気に入りだったんでしょう。 本作が最後でも納得の内容でした。でも一本の映画としては完成度が高く、寅という一人の男の物語の最後としては、少し消化不良だったんでしょうか?何より寅が大きな恋をしないで終わるというのは、ちょっぴり寂しかったのかもしれませんね。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-18 22:41:53) |
27.《ネタバレ》 あぁ、「男はつらいよ」を見ると、心がホッとする。渥美清の声はほんと癒し効果がある…。子供の頃は面白さなんて全然感じなかったのに、私も年取ったということを実感しますね。今作はストーリーも綺麗に纏まっており、男はつらいよシリーズの中でもオススメできる一本だと思いました。残念な点は、せっかく三船敏郎が出演しているのに、ずっと眉間に皺寄せているのはちょっともったいなかったかな。もっといろんな表情を見せてくれると楽しみにしていたので、その点残念でしたが、安定の面白さです。 【はりねずみ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2023-10-18 23:38:33) |
26.《ネタバレ》 マドンナが竹下景子というだけで、あの異次元の完成度を誇った「口笛を吹く」と比較されてしまうわけですが、やはり超えられませんでした。●しかしそんなことは想定内といわんばかりに、まずはサブゲストに世界のミフネ!そしてさらにサポートというには豪華すぎる淡路恵子姐さん!いや、今回のマドンナは、むしろこの恵子姐さんですよ。最初に三船宅にふらっと入ってきた一幕だけで、人格設定はもちろん、それまでの三船との関係まで全部表現している。終盤、ソファで三船の腕をとる一瞬に込められた情感。ブラボーです。竹下景子も、最後の寅さんとのやりとり(場所がわざとらしく縁側なのはご愛敬。初期にはこの構図がよくありましたね)という美味しいシーンがありましたが、それに至る積み重ねがまだまだでした。●あと、少し前の作品くらいから、どうも山田=朝間の脚本に陰りが見えているというか・・・三船が寅との初対面後に車に乗って「寅さんがいてくれてよかった」なんて、前の脚本だったら絶対にわざわざ言わせていないと思うし、知床での生活状況をとらやへの手紙で語ってしまうのも無粋、そして野暮。加えて、知床の風景のあれこれがやたら映されるのも、かえって興醒めしてしまう。どんなロケ先でも、一瞬の何気ないカットで現地の魅力を鋭く切り出すのが寅さんシリーズではなかったか。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-01-01 00:45:39) |
★25.うーん、どうもやっぱり後半の寅さんは自分の恋路前回じゃないから点数低め。 竹下恵子も1回目のときは良かったのに、今回はすでにおばちゃん臭くなってるな。 配役で点数上げるほど三船敏郎に思い入れもないし、これといって印象に残らん1本。 それでも、告白シーンはにやついてしまったけど。 |
24.《ネタバレ》 久し振りにセリフもなかなか気が利いているし、寅さんシリーズでは懐かしい安定感がある作品。 年老いたプロポーズはちょっとウルッとくるぐらい感動的でもあった。また、北海道の風景、今回の知床も「男はつらいよ」には合っている。 また、このシリーズ中ずっと世の中不景気という話が出てくるのは不思議な感じがする。高度成長期の雰囲気があまりない。平和だけど。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-10-04 20:26:59) |
23.《ネタバレ》 まさか三船さんがご出演なさってるとは・・・、前知識ゼロ鑑賞でしたので結構ビックリ致しました。この「男はつらいよ」シリーズに縁のなさそうなイメージでしたのでかなり意表をついたキャスティングじゃないですかね(個人的に)。寅さん(渥美清さん)との共演もとっても新鮮である意味とても感慨深い。同じ画面に映ってるだけでちょっと感動的ですらありました。北海道知床の美しい風景・世界の三船の出演他なにげに豪華な出演者・とっても元気な寅さんなどなど名作と呼ばれるだけのものはありましたね、とっても良かったですハイ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-07-04 21:45:41) |
22.《ネタバレ》 ○せこいと言えば失礼だが、三船敏郎を出されたらなぁ。最後は寅さんに花を持たしてもらうような告白。○これだけの大物を使えばある意味寅さんらしさが消えても作品として成立してしまうな。○知床のきれいな背景とともにすがすがしい気分にさせてくれる。 【TOSHI】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-16 20:57:48) |
21.《ネタバレ》 【 団子まるめるのが嫌い 串に刺すのが嫌い アンコ混ぜるのが嫌い 見舞いにバナナ 足を踏まれたからたくさん踏み返してやった 寅さんと喋っているとあくせく働くのが嫌になる(そりゃそうだ) 知床半島世界遺産 世界の三船がサロンパス。マドンナは二度目の出演:竹下景子さん。】 今回、開始早々、おかし過ぎて仕方がなかった。ハナから怒涛の楽しさ20分間でした。 ~以上、中略~ そして最後に締めるボイスレター。いまだ反省してますですと。しかし今後もずっと反省の日々を過ごし生きてゆきますんですと、従ってこのまま旅を続けてゆきますんですと。 つまり、とらやの跡を継ぐ事は一生無理でしょうということに辿り着いてしまうんですよね。 あららダメだね ずるいね ほんと役に立たない男だね~(^^;) でもさ、アンタだから許したげるよ はい了解。そんな寅さんでしたが、今回すごく元気でしたね、病院内でイッセー尾形とやったけったいな足の踏み合い、ジャンプ寅さん ナイスコントでした。ナイス寅次郎さんでした。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-07-20 23:41:30) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 あれ?久々に夢スタートじゃないのね。本作ではおいちゃんが入院してて、たまたま帰ってきた寅さんが跡取りとして奮闘(本人にとって)してみるも、やっぱりダメで、、、。で、落ち込んで旅に出たのが知床。マドンナは二回目の竹下景子さん。晩年の三船敏郎さんの無骨な獣医さんがイイ!まぁラストは寅さんらしい幕切れ。人には偉そうにレクチャーできるのにねぇ。矢印がこっちに向くとダメなんだねぇ。シリーズ中では好きな枠です。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2013-01-11 18:50:18) |
19.《ネタバレ》 マドンナは2回目の竹下景子。 そして彼女の父親役に三船敏郎。本作は三船の晩年の傑作と言っていいだろう。やもめの獣医役。いかにも「男は黙ってサッポロビール」って感じの役柄なのだが、最後に勇気の告白をやらせちゃう。そうきたか。山田さん。その相手が淡路恵子というのは黒澤へのオマージュなのだろう。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-04-29 23:38:18) |
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18.前半の寅さんは、人間の卑しさが出ていて正直嫌だった。 それがまた家族の不評を買ってしまい、いたたまれなくなる状況があからさまでつらい。 そんな前半の鬱屈した空気を吹き飛ばしてくれるのが後半の知床編。 大自然に囲まれたバーベキューのシーンが清清しい気分にさせてくれる。 脇役も違和感なく、マドンナと三船の存在感が良く出た作品。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-03 22:55:30) |
17.《ネタバレ》 山田監督は東映の健サンとか日活の浅丘ルリ子とか、かつて映画会社の個性がはっきりしていたころの看板スターを自分のチームに取り込むのが好きで、映画史への尊敬が感じられる。それも特別出演的な付けたりでなく、ちゃんとスター俳優として扱っている。で今回は三船。『七人の侍』のメンバーでは志村喬と宮口精二がすでにいい役を貰っていて、これが「ストイックな男であることにこだわりすぎて孤独」って役だったのが特徴。今回の三船もそう。東宝の名監督への尊敬と、それへの批評が感じられる。そのストイックを破って告白させるんだから。そして告白できない寅。ちょっと池内淳子の『寅次郎恋唄』を思い出させる縁側のシーンがいい。ラストでりん子ちゃんがまた東京に出てくるのが厳しい。けっきょく知床には若い娘を引き止めておくものがないという現状。知床の人情を賛美しつつ、しかしそれに吸い込まれるのには抵抗を示す。山田洋次の平衡感覚と言えばそれまでだけど、でもそういうふうに行きつ戻りつさせることが大事なのであって、単なる折衷主義とは違うと思う。「寅さんと喋ってると、あくせく働くのが嫌になる」「そういう悪影響を人に及ぼすんですよ、あいつは」なんて会話もあった。今回は夢がなく、またとら屋で寅とマドンナが一緒になるシーンもない。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-05-01 11:55:48) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 シリーズ後期の秀作。この頃になると寅さんの恋が物足りない作品が増えてきます。シリーズを通して何度も登場した素直な愛情表現が出来ない不器用で口下手な男。この頃には寅さんの恋よりもそんな男の恋に手を貸すといった話が多くなる。 本作でも基本的にそうなのですが、寅さんとりん子の互いの気持ちもしっかり描かれ伝わってくるのが嬉しい。本作でそんな不器用な男を演じるのは何と三船敏郎。寅さんの楽しさと三船敏郎の無骨さが見事にかみ合い、この2人のどの場面も非常に味わいのあるものになっています。 マドンナは竹下景子。この前に登場した第32作同様、結婚に失敗し家族の事で悩みを抱えているといった役どころ。本作でも寅さんを頼る竹下景子の演じるマドンナ像がとてもいいですね。 序盤で喧嘩してとらやを飛び出していくまではいつも通り。その後寅さんは一度もとらやに帰ってこないのは淋しいですが本作の場合は知床には世界の三船がいる訳でして、それも仕方なしでしょうか。でもその分作品の大半を占める知床での三船のもの凄い存在感にそんな不満も忘れさせてくれます。そして三船敏郎が告白するシーン。これも僕の中ではシリーズ史に残る名シーンの1つとして強く心に残るものになっています。 【とらや】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-01-24 21:21:16) |
15.世界のミフネと世界遺産が見れる素晴らしい作品。老いたミフネもかっこいい。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-02-17 16:23:35) |
14.シリーズ中でも屈指の人気を誇る本作ですが、個人的には普通でした。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-06 17:22:41) |
13.《ネタバレ》 「男はつらいよ」の看板に隠れてしまってるけれど、三船敏郎晩年の代表作。人間関係に不器用な老医師が、もうこれ以上ないくらいハマリ役です。淡路恵子への告白シーンは、シリーズ名場面集に入れたいぐらいでした。良作であるのは違いないのですがそれはそれとして、この作品の寅さん恋してないですね。なんだか「全然そういうつもり無かったのに、いつのまにか惚れられてた事に気付いて慌てて去っていった」って感じに見えてしまいました。これは結構異色かも。今までは身を引くパターンでも、寅さんも確実に相手にベタ惚れしてたはずでした。異色といえば、夢のシーンが無い、寅さんが序盤にとらやを出て行って以来一度も戻らない(だから寅+マドンナ+さくら達という絡みが無い)などもそうですね。それらを含めた異色の中で一番不自然だったのが、「松竹映画」の社名タイトル画面にテーマ曲がかぶらなかったこと。自宅のテレビが消音になってるのかと思ってしまいました。 【KYPA】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-02-19 23:13:01) |
12.寅さんシリーズ後半の最高傑作であり、黒澤以外のミフネ出演作としても最高傑作。 【丹羽飄逸】さん [地上波(邦画)] 10点(2007-01-02 00:38:25) |
11.《ネタバレ》 男はつらいって、こんなに辛い男の告白もないなあ。男、しかも世界の三船が公衆の面前で告白するのだ。いい年もいい年。離婚した娘がいるくらいにいい年。しかも相手は、昔は美人でも、かなりのお歳。これはつらい、言うまでが。言った後は天国だ。皆が幸せになるんだなあ、いい話だ。寅さんは恋のキューピット役。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-12 23:07:54) |
10.寅さんと三船敏郎を同時に見られるという、まあ何と言いますか、何とも言いようのない映画ですね(←なんじゃそりゃ)。このシリーズには、博の父とか、歌子の父とかも、すでに出演しているわけだから、ミフネが出ててもいいんでしょうけど、それにしてもこのインパクト。北海道の大自然よりも迫力があります。豪快にセリフをがなり立てるその姿は、まさに獣医というよりは、いや、人間というよりは、ほとんど怪獣ですよ、これは。まー映画の内容的には、ベタなセリフで綴ったベタベタな展開になっており、限りなく予定調和なチープさが漂ってます。が、こんな役でもミフネだから何となく許されちゃう。というかむしろ、「要するにテメーらの観たいミフネ像は、コレだろっ!」という、我々の図星を突いた、解りやすいメッセージの映画、ですかね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-12 22:35:46) (笑:1票) |
9.《ネタバレ》 私にとって、これが初めて映画館で観た男はつらいよです。そんなシリーズ38作目にあたるこの作品は傑作間違いなしの作品だと思っています。この作品、まずはそれまで寅さんシリーズと言えばオープニングであった夢のシーンが何とないこと。夢のシーンがない寅さんに違和感を覚える人もいるはずですが、例え、夢のシーンがなくても作品の出来が良ければそれで良いのであって、本当の意味で寅さんが元気な姿を見ることが出来るのはこれが最後の作品であると思えるぐらい寅さんが元気です。マドンナ役は二度目となる竹下恵子と三船敏郎をゲストに迎えての親子のやりとり、何もかもが見ていて感動的でした。三船敏郎の黒澤映画とは一味も二味も違ったかっこ良さを思い切り堪能出来た作品として、いつまでも心に残る。そして何度も観たい作品のひとつでもあります。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-03-10 21:25:54) |