69.悪意も悲劇もデ・パルマの悪趣味が炸裂してて大げさで毒々しい。ラストシーンなんかね、死をもってしても悲劇と受け止めてもらえない残酷さ。胸が悪くなります。残酷の谷に咲く原色のあだ花、かなり良く描けていると思うけどいかんせんあのプロデューサーがケチなチビ男(どこが美少年やねん)なのが説得力に欠けるというか納得いかないというか。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-05-10 00:40:54) |
68.《ネタバレ》 前後の整合性もバランスも考えていない、デ・パルマの「とにかくこれがやりたいんだああああっ!」が瞬発最大風速的に駆け抜ける90分間。仮面を着けた主人公が神出鬼没の大活躍かと思いきや、いともあっさり正体が(敵役に)バレたり、そこからさらに利用されたりと、じめじめパワー増幅の屈折っぷりがこの人らしい。あと、最後の方の白塗り3人組のオカルトステージ、ウィンスローはお気に召さなかったようですが、私はかなり格好良いのではないかと思っていたのですが・・・(楽曲も含めて)。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-27 01:32:26) |
67.ウィンスロー、スワン、フェニックスってキャラの名前だけでもセンスある、ブライアン・デ・パルマの傑作ミュージカル。 サディスティックなまでに転落の人生を与えられたウィンスローの悲劇は、「オペラ座の怪人」のみならず「ダークマン」好きにも支持されそう。 見た目クイーンのロジャーっぽいポール・ウィリアムズは、カーペンターズに提供した「愛は夢の中に」のような美しい曲も書くのに、この映画の曲はザ・スミスなみに暗く絶望感に満ち、ドリアン・グレイ的な側面も持つ悪辣なプロデューサー役。(彼の会社デス・レコードの名は、同年設立されたツェッペリンのレーベルと同じスワン・ソングからの変更とか。 どちらも死のイメージがあり、スワンの名もあれからきていると思われ) 「サスペリア」のジェシカ・ハーパーは名声を夢みる女性歌手のうつろいやすい心を表現し、ソフトな歌声。 ビーフのシャワーシーンは、「殺しのドレス」同様「サイコ」への傾倒がうかがえる。 70年代的サイケデリズムに彩られた華やかさとは裏腹に、最後はあまりに哀しい。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-09 07:00:03) |
66.《ネタバレ》 この手のカルトムービーの中で本作が勝っている点は、独特の映像美と90分という短時間で語りきるスピード感ではないかと。 まずオープニングのタイトルバックからワクワク感全開で、ここから最後まで映像と音楽で突っ切ってくれます。 スワンの館の怪しさは、例えばランプを動かして隠し扉が開くシーンなんかは、我々が想像する怪しい洋館のイメージ通りでニヤニヤもの! レコード型の円形テーブルとか、Death Recordのロゴもクールすぎる。 レコーディングルームみたいな所でファントムの声を補正していくシーンなんか、カッコよすぎて鳥肌たちまくりです。(生涯ベストシーンのひとつ) ライブシーンでは、UndeadからBeefへのつなぎ、感電までの流れが素晴らしい! 観客の手を切るパフォーマンスなんか、キャリーを彷彿とさせるスローモーションのホラー演出で、ファン(オレ)垂涎もの! エンディングでも、タイトな黒革の上下に黒いマントのファントムが、キーボードで作曲している超絶クールな映像で締めます。 まあ、とにかく最初から最後まで嫌いなシーンは一つもないような映画。 (あんま褒めすぎると中2病と思われるかもしれないが、どう思われたっていい!) ところでPual Williamsって、さわやか青春シンガーソングライターですよね?? 【kosuke】さん [地上波(字幕)] 10点(2012-04-26 00:23:39) |
65.《ネタバレ》 『ロッキー・ホラー・ショー』と並び、今なおファンを魅了し続けるロック・ミュージカルの傑作。初期デ・パルマ作品の中でも、本作におけるウィリアム・フィンレイの「負け犬」っぷりは尋常じゃなく、『ミッドナイトクロス』のトラボルタをも凌ぐほど。狂乱のラストへ向けて一気に駆け抜けるデ・パルマのスピーディーな語り口と、全編を彩るロック・ナンバーの数々に踊り出すこと間違いなし!!「負け犬は死んじまえ!音楽くらいは残るさ!」 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-10-16 14:06:52) |
64.《ネタバレ》 よくぞまあ「オペラ座の怪人」という大作のオペラを基に、90分という非常に短い時間内でストーリーを描ききったと思います。それに更に「ファウスト」と「ドリアン・グレイの肖像」まで取り入れているのには驚きの一言です。この映画では語り草でしょうが、終盤のスプリットスクリーンの嵐はデ・パルマらしい演出で圧倒されます。やや不満点を申しますと、オリジナルにあるクリスティーヌ(フェニックス)とファントムの歪曲した恋愛要素が殆ど無くなってしまっている事でしたが、これはあのすさまじい速さの展開を考えるとカットせざるを得なかったのかも知れません。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-24 22:53:43) (良:1票) |
63.《ネタバレ》 前半の展開の速さが尋常じゃない。そしてウィンスローの不幸っぷりと純粋っぷりに泣ける。 終盤になって悪魔の契約?が物語に登場してきてかなり冷めてしまったけど、EDの曲が最高に良かった。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-15 21:36:09) |
62.《ネタバレ》 「何の取り柄もなく人にも好かれないなら/死んじまえ/悪い事は言わない/生きたところで負け犬/死ねば音楽ぐらいは残る」最後の最後で歌われるこの歌詞の、何という身も蓋もなさ!そして何という負け犬根性!けれどこの負け犬の滑稽とかなしみこそが、デ・パルマ節なのだ。出ばなから一見して挙動不審で変人丸出しの主人公ウィンスロー。けれど彼は、だからこそデ・パルマ映画の主人公たりえるとも言える。焼き払いたいほどに憎悪する屈辱のレコードの型を、よりによって自らの顔にプレスしてしまう彼の姿は、豚の血をあびる『キャリー』や『BLOW OUT』において愛するサリーを救い損ねるジャックのように本作以降もデ・パルマが繰り返し変奏していく一つの主題、つまりは非力な負け犬にまさに烙印として下される逃れられない絶望、その原型でもある。仮面とマントと人工声帯をもって暗がりにのみかろうじて存在しえるこの怪人は、自分の歌も声も顔も人生もそして存在すらも奪った男スワンと愛する女フェニックスとの閨房を、ただ天窓の外から悲しく覗き見るしかできない。雨に打たれ慟哭するその無防備な背中を監視カメラに曝して。ラスト、それでもただまっすぐに愛するフェニックスへと差し出される彼の手。狂喜乱舞する観客たちの歓声は遠のき、美しい旋律に変わり、流麗なスローモーションでカメラが捉えるのは、ステージをみじめに這いずり回りそれでもまっすぐにフェニックスへと最期まで手をのばし続けるウィンスローの姿だ。それは哀れな負け犬の無様なセンチメンタルかもしれない。目を覆うほどに醜くみっともない男の滑稽な死に様かもしれない。フェニックスの声は彼の耳にはついに届かなかったかもしれない。それでも、そう、それでも。フェニックスはようやく言うのだ。その亡骸を抱きしめて。存在を奪われ、この世から消されてしまったはずの彼の名を。ウィンスロー、と。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-23 02:01:01) (良:1票) |
61.そんなに「傑作」とか思ってるわけではないけれど、不思議と「また観てみようかな」という気になってしまいます。もし映画館で見てたら「サイコ」をパロったビーフのシャワーシーンは声出して笑ったかも。「どこかで見たことある」と気になっていた美人女優は「サスペリア」のジェシカ・ハーパーで、カーペンターズを思わせる懐かしい感じの歌声を披露します。それ以外の主要人物はクセのある(クセになる)人ばかり。エレキギターを煩く思ったり「ただのカッコつけ」と思ったり、あまり好きでなかった僕が、この映画のなかのコンサートでビーフが演じるパフォーマンスや音楽にえも言われぬ奇妙な印象を残し「音楽は聴くだけのモノじゃない」と初めて感じたものです。ロック・ミュージックとか全く興味なかったのに、この映画のサントラは欲しくなりました。ポール・ウィリアムスという人も、この映画で知っただけですが、彼の音楽の緩急のアレンジが僕にはスゴく心地よいものでした。ビジュアルもじんわりクセになる何かがあって、見てない人にどう言えばいいか難しいですが「これをティム・バートン監督が料理したらどんな美術になる?」という興味を持つような、センスの良さと悪趣味が同居する独特の雰囲気です。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-10 17:58:00) |
60.《ネタバレ》 常軌を逸したまでのテンポの速さは必見(特に前半)。個人的にデパルマでベストな二分割画面も登場します。ビーフやらハーパーの歌やら色々ツボなんだけど、終盤の悪魔の契りが~のくだりで訳がわからなくなってしまったのは俺だけ? まさかSFまで詰め込んでくるとは… 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-16 20:17:03) |
|
59.クドさが絶妙。クドいけどテンポがいいからもたれない。この映画に影響されてポール・ウィリアムスのCDを買った。もちろんサントラも買った。好きな人はとことんハマれます。 【無駄】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-17 01:30:37) |
58.チビプロデューサーが、何であんなにもてるのかわからない。 【Yoshi】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2008-03-22 07:54:03) |
57.ロックオペラの怪人。めまぐるしい展開の速さは、飽きる暇を与えられず素晴らしいのだが、どうしても90分間に抑えなければならなかったかのような急ぎすぎてる感じを受けた。この内容ならもうちょっとじっくりやっても良かったのでは。面白い分、この短さだと物足りなさが残る。 陰惨でぶっとんでてエグいながらも滑稽なストーリーとハイレベルなB級演出とBGMと女優さんは申し分ないほど好みだ。完全版とかがあったら見たいです。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:35:16) |
56.《ネタバレ》 オペラ座の怪人のロック版リメイク(?)。 原作を70年代に置き換えているのですが、その置き換え方がセンスありまくりなのです。 ほぼ原形をとどめていません。 主人公が可哀そうすぎます。 スワンは酷いことしてるのに憎めないほど素敵です。 ジェシカハーパーは美人です。 音楽と歌は最高に良いのですが、一部の曲では 視覚的に怪奇映画がモチーフになっているのが面白かったです。 怪奇とロックの融合はカッコいいです。 怪異なエンターテイメントが人々を魅了する様に僕は魅了されました。 エンターテイメントと死が結びついているところも面白いです。 起こっていることを二つの視点で見せる技法も面白かったと思います。 ロッキーホラーショーと関連してあげられていると思いますが、 制作者は違うんですね。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-12 00:25:24) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 サイケデリックな狂気に満ちた、非常にあくの強い作風。残念ながら自分はいまいちはまれなかった。それなりに面白かったけれども、音楽も好みじゃなかったし。 ただ、主人公が悲劇の結末を迎えても周囲がほとんど気づかずにお祭り騒ぎを続ける哀切なラストシーンは素晴らしかった(パフォーマンスと勘違いしてふざけてついてくるやつがいるんだよね)。作中作のロックオペラ版『ファウスト』もかなりの出来で、あれが単発作品としてあったなら9、10点ぐらいつけたかもしれない(?)。 実に変てこな作品ではあるけれども、不思議と嫌いにはなれなかった。 【no one】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-21 17:55:53) |
54.とにかくセンスがいいし、かっこいいし、笑えるし、感動するし、曲もいいしでおもちゃ箱みたいな映画でした。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-27 13:33:07) (良:1票) |
53.見た当時は気味が悪い作品だと思うだけだったが、見終わった後、なぜか今もう一度見たいの思う映画。 【SAKURA】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-18 23:59:17) |
52.《ネタバレ》 私の最も好きな作品。今見るとさすがに古臭いですが、全編に散りばめられている怪しくサイケな世界感は一度見るとクセになります。一つ一つを見ればものすごくクセがあるんだけど、それがまとまると妙な魅力を持った作品になった、という感じでしょうか。「才能はあるが華がないミュージャン」「売れるためならすぐプロデューサーと寝る女性歌手」「地位と若さのためなら悪魔に魂を売るプロデューサー」「雑音を芸術と言い張る自称天才ミュージシャン」「仕事をもらえるならプライドを捨てるバンド」「力のあるものに尻尾を振ることでおこぼれを貰っている男」そして「世論に流され何も考えていない一般大衆」。この全てをデ・パルマは掌でいいように弄んで嘲笑っているようにも思えます。ただ、私がここまで深読みしていた事すら「考えすぎ」と言われてしまいそうですが。 【なな9】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-19 21:37:08) (良:1票) |
★51.《ネタバレ》 どうしてこんなに評価が高いのか分かりかねます。phantom of the operaのパロディにしては中途半端。音楽もストーリーも。Death Recordという名前、ファウストが題材、そのうえ敏腕?プロデューサーがSwanというのも安直すぎるという印象が否めません。唯一よかったのはBeefで彼の最後が丸焼けというのはちょっと可笑しかったくらいでしょうか。 |
50. 74年の作品ですか・・・。てっきり70年代後半~80年代前半の作品かと思ってました。画面もMTVに流れてそうな感じだったし。まあ、この頃には既に「ROCK IS DEAD」だった訳ですね。産業ロック全開の暗黒時代ということですか・・・・・。(そりゃ、パンクムーブメントも生まれてきますよね。あんな、大木凡人みたいなプロデューサーに踊らされてられませんって。) ストーリーは、まあB級としかいいようがありませんが、MTV世代の私は非常に懐かしい感覚で見ることができました。ただあそこに出ているのがロックだとは思って欲しくありませんが。まあ、ハチャメチャで面白い作品ではありました。(LED ZEPPELINのレーベルであるSWAN SONGってこの映画のプロデューサーの名前から取られたって本当なんですかね?) 【TM】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-03 11:53:59) |