6.ああ、なかなか良い映画だ。
思い出と向き合うゴーストに重さや軽さを持たせたという点を
まず評価したい。
それは単に他者から見るゴーストでなく、
自己を見つめ直すゴーストだからと思う。
それは自分の過ごしてきた歴史を他者に感じるのであり、
いってしまえば記憶というものが沈んだり浮いたりする様子である。
途中、写真を落とすなど物理行為でポルターガイストを
苛々しく起こすのもまた、記憶の中に過ごす哀しみ空しさを表現している。
と語ってみたところで、それは一つの見方であり、
それが納得いこうが納得いくまいが、実は自分の過ごした記憶は
自分であれ2度目は無いことを知り、ゴーストとして消えゆく。