89.《ネタバレ》 ディレクターズカットという触れ込みで再上映されたようで、
元の削除されているシーンを付け加えて完全版になっているのだから観てみようと。
いきなり冒頭から全く違和感ある砂漠の発掘現場から始まり、
違う映画を間違えて借りたのかとびっくりしましたが・・
サスペンスとしても1級品であり全く古さを感じません。
こんなに家族愛が細かく描かれていたなんて!
特に神父が母を救えなかったことがトラウマになるということと、
とりつかれた少女はいい子だけれど実は両親の言い争いを聞いていた・・
このふたつのトラウマが心に根付き後半に結ぶつく見事さ!
心の弱い優しい人間に悪魔はとりつくという恐怖・・
それを救うのは神ではありますが根本的には自己救済ではないでしょうか?
十字を切る神父にかっこいい~!と思いました。
見世物としての娯楽性も観ている最中に何度も「かっこいい」と思いました。
特に手品のように浮く少女はもう大きな画面でまた観てみたい。
「死霊のはらわた」のゾンビはこのメイクがもとだということがわかります。
最期の方で(元を忘れたのでわかりませんが)
階段から神父は落ち悪魔をやっつけたことはわかりますが、
そのあとまた別の知人が駆け寄り(彼も神父だったかな?)魂を救済させます。
このあとすぐ終わればどうなんでしょうか?
かなり重く怖く嫌な気分になるのではないかと思いました。
映画的にはここで終わってほしいとも思いながらそれは最悪なトラウマになりかねないとも・・
しかしよく考えたら、ここまで勧善懲悪を潔く映画化した作品は珍しい。
ということであそこの階段オチで終わらない方がこの映画の本質を現せています。
あそこで切ればただ後味の悪さだけが残りますから・・
この監督は階段を使うのがうまいんですね「フレンチコネクション」といい・・
この新たな追加版がどれだけ追加されたのかは元の古い劇場版を見直さなければわかりません。
フラッシュ映像も奇をてらった観にくいものではなくカメラワークも丁寧で素晴らしい。
音楽はもっと流してもいいくらい少なかったけれども効果的で、
「サスペリア2」とすごくよく似ていたのでまた比べてみようと思いました。
あと、俳優の演技が素晴らしくて見ほれてしまいました。