8.《ネタバレ》 ギリシャとトルコ、隣接する2つの国。違う歴史を辿り宗教も言語も異なる人々が混在する事の難しさ。そして歴史の文献などでは「19××年に両国の関係が悪化した」などと数行でその事実が書かれるのみですが、その裏側では名も無き庶民の苦難や悲しみがあることを主人公の男が少年時代からを回想する形でノスタルジックに、時にはコミカルな人物描写を交えて描かれた作品です。 主人公一家がトルコから国外退去になる前の祖父が語る味わい深い人生の教訓と、初恋の女の子の存在が良かった。映画なんだから祖父とは生きて束の間でも再会を喜び合って欲しかったけど、作品のテーマ上仕方が無かったのかな・・・。 初恋の女の子とは祖父の死を機に再会しましたが、二人が英語で会話しているところに違和感を覚えると共に、現在の両国間の関係がどうなのかは僕には分かりませんが、今でも両国間に存在する大きな溝を感じさせられました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-11-26 21:46:35) |
7.NHKのスペシャル番組のオープニングのようなCGがところどころに使われていて、エキゾチックで不思議なムードを醸し出していました。天文学と料理(スパイス)というテーマ?も初めて。ただ、もう少し天文学と料理の共通性、世界観みたいなものを描いてほしかったかな?主人公が料理→学者になっていく経緯もないので・・・。主人公の役者さんは「料理も得意な学者さん」の雰囲気に合っている感じで良かった。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-26 16:58:53) |
6.何もニュー・シネマ・パラダイスのオリジナル版に似せなくても…評判悪いのに。あまりに似すぎてその他の情報が入ってきませんでした。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 2点(2009-01-07 21:26:46) |
★5.《ネタバレ》 日本人から見たら全く違いのわからないギリシャ人とトルコ人の問題で「楽園」から追放された少年の回想物語。 ええと、ギリシャ人が住んでいたキプロス島にオスマントルコ帝国が侵攻して、オスマンが崩壊したあとはイギリスが植民地にして、戦後は独立したが人口の多いギリシャ人と少ないトルコ人の間がうまくゆかず(宗教が違うし)、ギリシャ人の政府がトルコ人を迫害したためトルコ本国が怒り…ああややこしいったら。 というような事情が、ファニス少年を「楽園」イスタンブールから追い出したのです。ファニスのその後の人生は「楽園落ち」として営まれていくのだ。本人がそのように自覚していたのだからして。 ファニスが成人しても長らくイスタンブールを訪れなかったのは怖かったからです。自分の記憶の中にある「楽園」がこわれて違うものになっているのではないか。もしかして初恋の少女に恋人が居たり、結婚していたりするのではないか(その方が普通だろ)。ファニスは「内なるイスタンブール」を守るためにイスタンブールに行くことができない。 が、おじいさんの死でイスタンブールを訪れたファニスは、恐れていた「初恋の少女の結婚」を知るけれど、別居しているということで「自分の居場所があるかも=楽園はまだ自分を拒否していないかも」といっぺんに浮かれてしまう。この時点でファニスはまだ「楽園落ち」の世界を生きている。 けれど彼女が夫の元に戻り、去って行ったときはじめてファニスの「楽園落ちワールド」が終わって夢から覚めた。という話だと思う。 さておじいさんがギリシャのファニス一家をいっこうに訪れてくれなかった理由、私はこう思う。 おじいさんは少年ファニスにとってまるで魔法使いのようだった。スパイスや料理をネタに周りの人を巧妙に操ったりする。子供にとっては魔法使いそのものだ。 しかしおじいさんの魔力は、イスタンブールの街及びあの店と屋根裏という装置とセットだったのだ。 ギリシャに来たら、おじいさんの魔力は発揮できない。彼は普通の老いぼれだ。おじいさんはそんな自分を孫に見せたくない、昔のイメージを守りたかった。 おかげでファニスの記憶には、魔力にあふれた活気あるおじいさんだけが残った。 なにかこう、「男のセンチメンタル」全開な話だが最後は「女のリアリズム」で終わったなあ。トルコやギリシャの食文化へのこだわりは一見の価値があるかも。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-06-13 14:39:22) (良:1票) |
4.「スパイスが目に見えないように、大切なのはいつも目に見えない」ってのは「星の王子さま」を彷彿させる名言なんだけど、映画としてはそんなにおもしろくなかったなあ。もちろんギリシャやトルコの人達から見れば見方も感じ方も全く違う意義のある作品なのだとは思いますが。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-05-14 18:03:42) |
3.《ネタバレ》 偶然にもキプロス島の帰属問題の知識はあったので、興味深く思える部分も多々あったが、映画としては、どうにも肌が合わないと言うか、スパイスが濃すぎてクシャミが出そうというか、家族のことも恋愛のことも、最後までしっくりこなかった。料理がどう見てもウマそうに見えない。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-09-30 20:59:36) |
2.《ネタバレ》 「ニュー・シネマ・パラダイス」のギリシャ版といった感じの作品でした。ただ、背景にギリシャとトルコの緊張関係があり、その歴史の流れに沿った形でストーリーが進んでいくので非常に興味深かったです。 ギリシャ系トルコ人の語る「我々はトルコではギリシャ人と言われ、ギリシャではトルコ人と言われる」というセリフがこの作品の状況を物語っています。 とりあえず、観終わった後ムール貝が食べたくなりました。(ただ、肉団子にシナモンというのはどうなんでしょう・・・・)あとサウナにも・・・・ 【TM】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-09-16 15:38:26) |
1.この地域の混沌世界を素敵に撮ってもらってるだけで完敗・・・なんですが、なんですが・・・あえて! この映画のフィーリング‘コーリャ 愛のプラハ’にとっても似ていて・・・作り手の狙っているものが全部かっちりリンクされていて・・・それを超えたところにある何か・残されている余地・・・それが、もうちょっとほしい! 【ジマイマ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-01-19 13:14:38) |