6.世に数多ある超常現象ネタの中では、比較的人口に膾炙している部類のものでありながら、お世辞にも人気があるとは言い難い、この「人体自然発火現象」というヤツ。このネタで映画が一本撮れると考えるのが、さすがトビー・フーパーであり、本当に撮ってしまうのがこれまたさすがトビー・フーパー。誰も止めなかったんでしょうか、というのは、言いっこなし。
見てるとやっぱりグダグダで、ほら言わんこっちゃない、と思うのですが、見てるうちにどんどんテンションが上がってくる。なんだかわからんが、テンションが上がっていることだけは間違いない。やっぱり彼は、「悪魔のいけにえ」の監督であり、「悪魔のいけにえ2」の監督なんだなあ、と。たぶん彼自身が内なる炎で、自然発火寸前なんでしょう(ジョン・ランディスはとうとう劇中で発火してしまいましたが)。
体制への怒りなのか、周囲の無理解への怒りなのか、とにかくその怒りを主人公に託し、炎として可視化しまくる。なんだかやっぱりよくわからんが大変に盛り上がる映画でした。で、誰か止めろよ。