307.実は「タクシードライバー」と勘違い(笑)して買った 1,000 円 DVD 。
だから、ギャップが激しかった。
それにしても、こんなに映画でずーっと笑っていたのって何年ぶりだろう?
実に緻密にストーリーが組み立てられていて、そこにクスッとする、あるいは爆笑する要素が絡められている。
登場人物のキャラクターもハッキリ分かりやすく設定され、それぞれに「笑い」のポジションが与えられている。
だけど僕はこの映画を、単なる「コメディ映画」とは思わない。
この映画は「総合的なエンタテインメント作品」だと思う。
ここまで楽しめる映画だと、ついつい10点をあげてしまいそうになるのだが、
僕にとって「10点満点の作品」とは、
「将来、それを超える作品が出てこないほどの名画」
という意味合いになるので、この点数にとどめた。
今後も、もっと新しい映画の登場に期待していたいから10点は取っておこうと思う。
ただ、これは自分自身の問題であるのだが、あまりに完成度の高い作品(絵画や音楽など全ての芸術作品)と
出会うと、なぜか自分の感情に防衛本能が働いてしまうのか、どこか一歩ひいて見てしまう。この作品も同じ。
単純にのめり込めないのだ。スゴく残念な性格だと思う。
僕の本当の専門は「音楽」であり、今回初めて「映画」に対して、こういう反応が出た。
そういう意味で言えば、限りなく「10点」に近い「9点」とも言えるだろう。
映画のラストシーンで、ロバート・デ・ニーロが2度目に振り返った時の表情が何とも寂しげであり、同時に
自分にとっても「楽しい時間」は、これで終わりなんだという事実がオーバーラップして、複雑な気持ちであった。