14.《ネタバレ》 オリンピック真っ只中のある日、BS-TBSでこの映画が放送されてるのを偶然見つけました。
「なつかしい!めっちゃ糞映画だった気がするけど全然覚えてないんだよね」って事で、あらためてこの映画をちゃんと観たわけなんですが…
なるほど、分析的に観るとなぜこの映画がダメなのかが簡単にわかるもんですね。
この映画の問題点は大きく2つあります。
1つは(これが最大の問題なんですが)そもそもこの映画の主要メンバーはみんな「わざわざ外から沈みつつあるポセイドン号に乗り込んでくる」ってところ。
しかもその動機が火事場泥棒なんだから、もはや何をかいわんや。最近はやりの「自己責任」以外の何物でもないわけです。
そんな連中がポセイドン号の中でどうなろうが観客的にはぶっちゃけどうでもいいわけですから、映画を観てても何の緊張感もありません。
運悪く船に乗り合わせた善人達が必死に脱出しようとする姿に手に汗握ってガンバレと応援した前作とは、根本的に観てる側に温度差がありすぎるわけです。
そしてもう一点の問題は「お宝(あるいはプロトニウム)目当てに外から船に乗り込んできた連中が銃撃戦」って…あれ?それってそもそも舞台がポセイドン号である必然性が全くないですよね、って事。
「ポセイドン号には実はプロトニウムが積まれていて」なんて無茶な設定を後から追加するくらいなら別の映画にすればいいだけの話。
それを「ポセイドンアドベンチャー2」なんて事にしちゃうから、あの映画の続編だと思って映画を観に来た客が肩透かしをくらって激怒してしまうのはそりゃ当たり前ですよね…
なまじ前作が映画史上に残る大傑作だけにその反動もすごいわけで、なんでこの映画を「ポセイドンアドベンチャー2」にしちゃったのかな…と思うわけですが、ちょっと調べたところ、どうやらプロデューサーのアーウィンアレンが金に困って「ポセイドンアドベンチャー」の名前を使って安直に金稼ぎをしようと思ったのがそもそもの原因らしく。
これって、『「原子怪獣あらわる」をリメイクしようと思ったけどそれじゃ製作資金が集まらないから「ゴジラ」にしました』というアメリカのトカゲゴジラを彷彿とさせる理由で、当然ながらそんな事をすると「ゴジラじゃない」「ポセイドンアドベンチャーじゃない」と大バッシングを受けるのは当然の帰結。
つまるところ、金看板の重みをまったく理解してない、その程度の人が造った映画だからつまらない。って事。
製作サイドより客の方がよっぽど元の映画を愛してたって事ですね。