2.《ネタバレ》 見終わってひたすらつらいだけの映画で困っちゃった。
お客さんを泣かすように作ってあるんだけど、泣ける映画はいい映画、というわけじゃないからねぇ。
予告編で物語はある程度予測できるのね。で、その予測通りなのだけど、更に背景にはもっと色々あって、そして主人公の境遇に対して、果たして物語は、映画は、メッセージは、それでいいの?って疑問に思ってしまって。主人公、もう人生猫だけ。ひたすら不幸。しかもその猫に対してすら不幸。それでも猫のナナと過ごせて良かったね、ってそれ、本当に良かった? 猫を残してこの世を去る事の無念、それがどれだけ不幸な事か。
つまりこれ、アタシのような独り身の猫飼いに対して冷や水を浴びせてくる映画ね。
日頃、感じてる不安、つらさ、十分自覚しているつもりのそこを改めて嫌らしくつついてくるようなカンジ。映画にいじめられてる?みたいな。
で、アタシこの映画、後半かなり経つまで「ナナとの旅」がひとつの旅だと思い込んでたわ。叔母さんがナナを飼うために転職して、って、だったら最初から旅に出る必要なかったんじゃ?・・・ってもしかして、その旅は何回かに分かれていて、いちいち時間が経過してる?みたいな。いや、ちゃんと注意して見てれば、ひとつの旅で富士山冠雪しててひぐらし鳴いてて菜の花咲いてるワケないんだけどさ、こっちはナナばっかり見てるっての。
そういうところの構成がダメだった気がするのね。何年前とか何年後とか字幕を出すパターンもあれば、断りなくいきなり時間が戻ったり飛んだりするパターンもあって、その上、旅には区切りを付けずに出っ放し状態に思わせて。わざわざ混乱させたかったのかなぁ?
猫のナナはとても可愛くて、他に出てくる猫たちもみんな可愛くて、だけどそんな猫が不幸なことになっちゃうとしたら?って悲しみとか不安とかを投げかけてきて(ハチは大体5~7歳くらいで死んじゃったのよね・・・)、それでいい映画を見たわ~、なんて気分になれるワケはないのだった~。つらいわ~。