★10.《ネタバレ》 「2023年:大映4K映画祭」関連企画で初めて劇場鑑賞。
私が増村監督を知ったのはテレビドラマ:山口百恵主演「赤い衝撃(’76〜)」、 堀ちえみ&風間杜夫主演「スチュワーデス物語(’84〜)」(脚本)位から。 少年期の私からすれば「なんちゅう暑苦しく、クドイ作品なんだ」と感じてたけど、 彼の経歴を辿ってみればTV界における彼の業績は「才能の出涸らし」でしか なかった事がわかる今日この頃。そりゃ「盲獣(’69)」みたいな世界観、 より大衆性を求められるテレビでは絶対に出来るわけないもんね。
青春映画「くちづけ(’57)」で監督デビューした彼にとって 最後の大映作品となったこの一本が青春譚になったのは 大映在籍時にやりたい事全てやりつくしただろう彼が、 生涯のテーマ「感情を露わにする、近代的人間像 を日本映画に打ち立てる」への原点回帰として 取り上げたのではないかな、と個人的には感じてる。
アメリカンニューシネマから影響を受けたと思われる 若者二人の逃避行を描くこの作品、突然挿入される わかりづらいフラッシュバック(過去の回想)とか 大門正明の台詞廻し等、鬱陶しい展開の上 「若さ故のあやまち」から来る悲劇感ありあり。 でもなんかその若さがその悲劇を打破してくれる、 という希望も感じさせる雰囲気に包まれてる作品で 自分にとって好印象なのでこの点数。 それを強調しているのがこの年16才(!)の関根恵子 のヌード/濡れ場シーンとボロ舟を押しながら川へ流れゆくラスト。
日本青春映画の佳作としておすすめ。機会があれば。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-06-20 19:56:33) |
9.《ネタバレ》 最後に乗ったのが泥舟なのが気になる… 何もかも失った若者同士の破滅的な逃避行。 案外、楽しめた。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-11-03 21:30:30) |
8.《ネタバレ》 妙に健全というか人の良い雰囲気の不良少年、薄幸というには生気充ち満ちた工場の少女。 スラムで貧乏で昭和な雰囲気なんだけど、なんか悲哀がなくて猥雑で生命力にあふれてる。 野坂昭如の原作「心中弁天島」がもつ纏綿たるせつない情緒をふっとばしてしまう、どこまでも増村節なパワーあふれる青春映画。あ、ヤクザ役の蟹江敬三がいい味だしてます。 ラストは、儚く沈んでいく船に心中の悲劇を漂わせている……はずなのに、増村映画だと対岸まで泳いでいっちゃいそうな生命力いっぱいで、悲壮感がまるでない。ムンムンした生命力を感じたい人にはおすすめ。 【せい】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-10 19:24:45) |
7.《ネタバレ》 大門正明の台詞はいちいち説明的でわざとらしいし、2人のそれぞれの過去を逐一回想で説明してしまうのも野暮ったいのだが、あの強引極まりないラストによって全部が奇跡的なほど爽やかにまとまってしまっているから不思議である。16歳にしてこの存在感と躍動感を発散しまくっている関根恵子を収め切るためには、これくらいしないといけなかったのだろう。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-08-01 00:37:19) |
6.《ネタバレ》 家庭的に恵まれない少年少女の青春映画は嫌いではないが、やくざがからんだ映画は好きでない。また二人とも現実逃避にしか思えず、将来性はまったくのゼロ、ラストの沈みかけた舟がそれを物語っている。これが増村映画でなければ、途中で映画館から出てしまっていただろう。なお同時上映映画は松坂慶子の「夜の診察室」この映画でも松坂は大門関根が踊りに行ったゴーゴーホールで、二人の間に割って入った常連のフーテン娘として1シーンだけ出ている。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 5点(2012-03-13 20:14:41) |
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5.増村保造監督、関根恵子主演の青春映画。 オーソドックスな展開ながらも、フラッシュバックで二人の状況設定を しっかり描写している点はまだ良かったんだが、 セリフを含めた恋愛シーンがさすがにこっ恥ずかしくて、 なんかものすごい酸っぱいレモンを丸かじりしたときのような気分で鑑賞していた。 ラストは、もうひと捻り欲しかったな。 関根恵子はこの作品でも、瑞々しいヌードを披露してくれているんだけど、 フーテン娘役で、松坂慶子がワンシーンだけの出演をしているらしい。全然わからなかった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 2点(2011-07-30 04:22:16) |
4.《ネタバレ》 すごいものを見てしまった気がする。興奮冷めやらぬうちに投稿。嫁のほうもこの二人の成り行きが大いに気になった模様で「おフロ入ってくるから☆」 と言ってたくせに入らず、ずっと後ろでコソッと見ていた模様。大門正明の派手な台詞にいちいち一人ツッコミを入れてた自分を終始ずっと後方から観察していた模様。しかし、エンディング近しの舟乗りシーンでは とうとう笑いをこらえきれずにウヒャヒャ笑いを始めてしまった嫁が一名。鬼さん見っけ的状況。しかし、そんな自体にも驚きなんてそんなもんはナイ。一緒になってギャハハ笑いに変わってしまってましたね もう二人揃って腹を抱えて大爆笑。 しっかし、ホントすごいエンディングを見てしまった。いやあ ホント興奮冷めやらないです。すごいです‥‥。 ところで最初、この二人が16歳と18歳という設定だった事に「そりゃあんまりだろ オイ!」 と強引な年齢設定に笑い嚙み締めてたんですが、後で確認しましたところ この作品が1971年で 関根恵子が1955年生まれでっちゅうことは‥。うわ~ びっくりしました 一応、設定年齢通りの16歳だったってことなんですよね 関根恵子さん‥。 なんなんだよ 16歳のくせして。このムンムンしまくってる色気は。ホントにびっくりしましたさ。 で、関根恵子ってやっぱり高橋恵子さんだったのかって今ここで確認出来た次第。自分的にはスッキリ~!的状況。 そんなこんなで二人揃って全体的に大いに笑わせてもらったんですが、決してバカにしている訳ではないんです。愛情を込めた笑いと言ったら分かっていただけましょうか。だっていちいち台詞が大げさなんだもん大門正明が。だっていちいち前髪が右に寄ったり左に寄ったり うっとーしいんだもん 大門正明の髪の毛が。(^w^) ちなみに増村監督作品って、自分にとっては盲獣に続く二つ目の観賞作品だ。きっと相性よろしいんだろうな。また違う作品に出会ってみたいなと思える次第。 思う存分、昭和を感じさせていただきたいもんですな。なんて思っている次第。また一つも二つも楽しみが増えました。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2010-11-23 23:51:04) |
3.関根恵子時代の作品を見たのは、これが初めてです。関根恵子は当時16歳・・・。信じられないほど、しっかりとした演技を見せていますね。ヌードシーンがあると知ってはいたけど、意外と全然クドくなかったので拍子抜けしました。(笑) 大門正明が演じる、ちょっと不器用で突っ張った感じの青年も、見ていて楽しい作品でした。 【たけたん】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-11-14 04:38:58) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 えっ?たった一人しかコメントないの?増村映画って川島映画と並んでコメントが少ない。書かれている人の数の少なさといったらない。もっと評価されていいこの監督とこの監督の作品群の中にあって、これは増村保造監督の監督デビュー作品とのことで、後の増村映画に多く見られる危険な男達とそんな男に惹かれていく女の哀しさがここにも見られる。主演の二人、特にヒロインを演じている関根恵子の若さ、初々しさが輝る。話としては増村作品にしてはまだまだ若尾文子主演の幾つかの作品に見られるような力強さという意味では弱い気がするものの、男と女の二人の気持ち、不器用な男とそんな男を愛してしまった女の青春模様が描かれている。ラスト、お互いの愛を確かめあった二人がボートにしがみつくようにして去っていく終わりに二人の未来、幸せが待っているようなそんな余韻を残したまま終わるというこの映画、何だか川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。あちらに比べると作品全体、重苦しいし、出来としては劣る。それでもこの監督も余韻の残し方に関しては上手い。監督デビュー作から既にその後の増村映画の元になっているスタイルが感じられる作品にもなっている。それにしてもこの監督の女性像って何だろう?ていつもながら考えさせられる。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-09-27 10:31:10) (良:1票) |
1.同じ増村保造監督のデビュー作「くちづけ」と同じような感じの青春映画。増村作品を以前に見たのはその「くちづけ」だったが、二本を比べるとこちらのほうが70年代前半という時代性もあってか、より内容が重く感じるが、これもなかなか良い映画だったと思うし、関根(高橋)恵子と大門正明が主人公を瑞々しく演じていてとても良かった。ただ、増村監督の作品としてはデビュー作の後にいきなり後期のこの作品を見たせいか、「くちづけ」にあった演出のテンポの良さがなかったのがちょっと残念。これが増村監督最後の大映映画らしいが、最初と最後が同じような青春映画なのは偶然だろうか。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-16 17:13:41) (良:1票) |