49.《ネタバレ》 テーマがチンポコということもあり、とんだチンポコ映画になっています(いい意味でも悪い意味でも)。阿部定事件がモチーフになっています。最近のしおれた役柄を見慣れていたので、藤竜也が若くて威勢がいい角刈りで最初は気持ち悪かったのですが、それにはすぐに慣れて、だんだん可愛くさえ感じてきます。それと反比例して、主演女優が鬱陶しくなってきます。これは本当に残念なことで、申し訳なくさえ思うのですが、一瞬たりとも色気を感じることができませんでした。しゃべり方が大きいんでしょうかね。時代劇的女言葉が板に付いてなくて、すべての台詞が一本調子でべたぁっと間延びしていて、台詞が動作や感情と完全に分離してしまっているんですよね。意図してやっているか否かに関わらず、結果的に、とてつもない大根演技に見えてしまいます。その一方で藤竜也が、ほぼ現代語で緩急を付けて、自然な演技をしているので、余計それが目立ってしまって、どうしてこんな事になっているのかと、とても気になってしまいました。映像は海外を意識した日本的なものとなっており、丁寧につくられていて美しいです。 【camuson】さん [ブルーレイ(字幕)] 3点(2023-10-31 18:48:24) |
★48.《ネタバレ》 吉蔵演じる藤竜也にレビュー点数全振り。
70年代の修正版リバイバル→2000年完全ノーカット版 →2009年クライテリオン版無修正ブルーレイ→2021年2Kリマスター、が私の鑑賞履歴。 因みに無修正度は丸見え順に無修正ブルーレイ>2021年リマスター>2000年>修正版。
この映画の困った点はあまりにも性器のクロースアップ・性交描写が露骨過ぎるので どんなに大島監督が芸術作品である、とうたっても、周りからは「わいせつじゃん、これ」 と片づけられてしまう事+性描写に尽力注ぎ過ぎで肝心のストーリーが薄い、という事にある。 阿部定事件を描いた作品としては前年に制作された監督田中登/主演宮下順子の 「実録・阿部定('75)」の方が事件の背景・心情もわかりやすい。
ただ私はこの作品、「性愛の行く末」を描いた映画として当時の世界映画史上 徹底的にやり切ったという点に評価をしてあげたいし、何よりも藤竜也のキャラクター に尽きる一本だと思う。「女からの狂おしい愛情を受け止め、死に至るまで付き合う」 という概念は当時の男尊女卑の風潮から考えたら有り得ないだろう感覚で、 『この出演依頼から「逃げちゃいけない」と思った』という藤竜也の想いがちゃんと 表れている事に(実際、彼はこの映画出演により所属事務所を退社し、 約2年間、映画界から締め出される=休業)感心しつつこの点数。
個人的には大島監督の小難しい主張が炸裂する「日本の夜と霧('60)」、 「絞首刑(’68)」「儀式(’71)」よりは好き。機会があれば、と言いたいけど 兎に角露骨でございますので、その点はどうぞご勘弁。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-06-22 13:21:54) |
47.《ネタバレ》 ロマンポルノも真っ青な、ほぼ全編濡れ場というトンデモ映画(しかもハードコア)。だが、ただエロいだけではなく、狂おしくも美しい究極の愛と頽廃美を描いたアート系としても、また表面的には悲劇的に終わりつつもその中にあるひとつの境地に辿り着いた二人の愛の到達感を見事に描き出したドラマとしても、両面で十二分に成立しており非常に面白く観れる。 8割がたを占める濡れ場の連続も一見は淡々と続いている様に見えて、緻密なシナリオに沿って静かに、かつ着実にレベルアップ・過激化していく展開はこれも飽きさせない。松田暎子はやや田舎ぽくて美人過ぎることもないが(本作の主人公としては、その雰囲気が生み出す「生々しさ」が非常に重要)、不思議と色気も大いに有って雰囲気自体はかなり良いと思う。ただ演技は表情のつくり方や仕草はともかく、とにかく台詞読みが妙に稚拙で、その点は作品の雰囲気自体にも大きく影響していると言わざるを得ないが、あまりに特徴的過ぎてもはやこれが本作にとって良いのか悪いのかは判別し難い。その一方で、藤竜也のさり気ない演技の出来は出色と言える(男ながら惚れ惚れとしてしまうモテ男ぶり)。やはりこの素晴らしい雰囲気の映画で邪魔なボカシが入るのは極めて残念かつ致命的で、極度に興醒めなので結局海外版ブルーレイを購入してしまった。 【Yuki2Invy】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-11-29 00:12:58) |
46.遅ればせながらこの映画を見ました。 子供のころこの映画が問題となっていることは知っていましたし、同名の洋楽がヒットしたことも記憶にあります。 今回個人的な理由で阿部定さんに興味を持ち、満を持して(?)の鑑賞。 感想としてはガッカリでした。 大島渚監督はこの映画をどんな理由で作ったのか?恐らくは閉鎖された映倫への挑戦であり「欧米ならこんな描写は当たり前だ」くらいに考えていたのではないでしょうか。ならば定さんを題材にする必要はなかったように思います。 「阿部定」と言う女性を描きたいのであれば、あんな映画にする必要がないからです。実在の人物を登場させるにはあまりにも浅はかな描写だと思いました。その人が好きで、好きで、どうしようもないほど好きで。もう殺すしか自分のものにできないと思った女性を描くなら、もっと定さんの内面を描くべき。ただだた愛欲を貪る男女を描きたいのであれば、この映画はあまりにも関係者に失礼だと思いました。 何の意味もなく芸者仲間に弄ばれ、無駄に下半身を露出させられた無名の女優さんが気の毒でなりません。 【mila】さん [インターネット(邦画)] 1点(2018-05-14 22:15:47) |
45.初見。とはいえもう夏のこと。 日本では創り手の意図の通りには世間に産み出されることは許されず、海外ではその愚行がなかったが故に評価が高かったという皮肉な結果を得た作品として有名。今回自分がこうしてオリジナル版を劇場にて鑑賞できる機会が得られたのもFilm ForumでのTrue Crimeと題した作品群に本作が選出されていたからという実情があり、日本ではとかく性描写のところばかりが着目されて話題にされているのに比べこちらでは「犯罪と情愛の狭間」の作品として扱われているというのが的確な事実。そして自身にとっても今の精神年齢で素のままの本作品を鑑賞できたというのは幸運な出来事だった。 当然40年という時間を経て社会が変質したというのは洋の東西を問わないことであり、今の日本ならどう扱われるかはまた別の話。面白いことに本作のWikipedia記述は英語ページの方が中身が濃く、各国での当時の受け取られ方を克明に記してくれている。過剰反応したのは日本だけではないようだ。 ちなみに松田英子が天井桟敷出身だったという事実が個人的なツボ。 【kei】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-11-14 11:43:40) |
44.ハードコアの話題性のみで内容は期待はずれ。 主演女優に魅力を感じないのが残念。 定と吉蔵の性的嗜好も事件を起こした心の動きも理解できない。 内面の掘り下げがないため、事件を表層的になぞっているだけに見える。 藤竜也はなぜこのオファーを受けたのか不思議。 【飛鳥】さん [インターネット(字幕)] 2点(2013-10-09 23:21:21) |
43.常識からも社会からも背を向けて情欲の世界に溺れる女と男。行く末に明るい未来などあるはずもない。切なく、グロテスクなまでにエロチックな映像。見事な映画ではある。 本番AVなど無かった時代だからこそ、あえて本番を行った価値がある。が、これは演技の否定と言えなくもない。殺人者を描く映画で撮影のために実際に人殺すなど、あってはならないというか、その必要はないからだ。しかし、70年代の大島渚はチャレンジしてみたかったのだろう。そして、この作品のチャレンジは成功していると思う。 【こんさん99】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-09-16 00:39:44) (良:1票) |
42.《ネタバレ》 まさかご登録されていたなんて。 こんだけセックス三昧な作品見たことない。 くんずほぐれつのセックスシーンばかりじゃないか 結合部分のドUPなんて要らんでしょうに そこに向かってズームUPもやめてくれ。もっと上手いこと藤竜也のアタマとかケツで見えないようにするとかして 綺麗に上品に上手いことやってくれ。 【3737】さん [インターネット(字幕)] 2点(2012-09-28 23:35:44) |
41.平たく言えば、芸術ポルノと言っていいのかな? 貞の人間描写はほぼなし、描いたところで、事件が事件なだけに理解はできないと思う。 海外向けに作られたらしく、和の美を前面に押し出し、映像と演出に重きを置いた作り。 色の使い方などは確かに見栄えはあるけど、絡みのシーンが多くてさすがにうんざりした。 藤竜也はいいけど、主演の女優さんは素人演技でかなりひどい。ホントに舞台女優さん? 同じ海外向けに作られた、愛染恭子の「白日夢」より出来がいいということだけはわかった。 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2011-08-18 12:25:11) |
40.《ネタバレ》 女の名が「阿部定」と分かった時点で、既に結末は分かってしまう。 しかも、内容はひたすら性交渉のみ。 大島渚監督の果敢なチャレンジ精神と、藤竜也の一世一代の熱演は評価に値するが、映画として良かったかというとそうでもない。 ただし、婆さんとの絡みはインパクトが物凄く、類い稀なる作品であることは実感できた。 殿山泰司の、あっちがダメな乞食もついでにインパクトあり。 それにしても、子供のアレをつまむシーンって、かなり問題があるんじゃなかろうか・・・ 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2009-09-21 05:01:20) |
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39.《ネタバレ》 実際に起きた猟奇事件の中で阿部定は津山事件の都井睦雄と並び最も有名ですね。ネットなどでも事件の内容、彼女や吉蔵の写真など見る事が出来ます。文章だけでも生々しいこの事件をどう映像で表現してくれる(た)のか期待して見ましたが、結果はがっかりなものでした。こういったセンセーショナルな事件の映像化は、思いきった性描写だけではなく、その裏に何があったか、こういう思いがあったのではないか、いや、こうではないかという内面を描いてこそ挑戦と言えます。しかしこの作品が表現出来ているのは事件の上っ面だけです。彼女は淫乱で自分の性欲を満足させてくれる絶倫男に惹かれた。そしてより深い快楽を求めた結果、事は起こった。こんな事は事件を文章で読めばわかる事。彼女の生い立ちや先天的ニンフォマニアだった事、そんな彼女がなぜ吉蔵だけに惹かれたか、大宮五郎はどういう存在だったのか。こういうものを中心に彼女の内面を描いて欲しかった。結局大半を性描写に費やしたこの作品は、実在事件の名を借りたポルノでしかありません。 【オニール大佐】さん [インターネット(字幕)] 2点(2009-03-13 18:33:06) |
38.アメリカで、英語の字幕つきで鑑賞しました。最強度の入場者制限指定がかかっていました。もちろんノーカットです。観客はホワイトカラー族、カップルが多かったですね。さて、映画ですが、熱のこもった素晴らしい作品と思いました。藤竜也の演技からはこの作品に賭ける彼の意気込みが伝わってきます。しかし、大島渚はこの映画を作るのが時代に対して少し早すぎたかもしれません。いや、早すぎたからこそ大島渚、ともいえますが。松田暎子にもう少し華があればと感じました。いっそのこと、大島渚は小山明子で撮るガッツを見せて欲しかったと思います。エンドロールでは場内「オー・マイ・ゴッド」の嵐でした。大島渚の最高傑作です。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-12-11 21:12:37) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 なんかこの映画の定って、とっても可愛らしい。実際の「阿部定事件」の概要だけ見ると、かなりドロドロしているのかなあと思っていたんだけど。定が嫉妬しているときだって、どこか冗談っぽいし。実はこの二人、とってもジョーク好き、そしてエッチ好きで、面白おかしくしているうちに、こんな事態になっちまったみたいな。もちろん愛し合っていたんだと思うけど。でも二人にとってこの愛は、ずっと貫けるものとは思ってはいなくて、いつか終わる刹那的なものであった様な気が二人の様子から、なんとなーく伝わってくるんだよね。究極の愛とかそういうんじゃなくて、洒落好きな男と女の、愉しくみだらな恋愛模様を描いている、そんな映画です。 【ぷりんちょう】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-08 23:41:59) (良:1票) |
【Michael.K】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2007-01-23 23:19:24) |
35.《ネタバレ》 行為・密室・現実からの隔絶→疲れてゆく吉蔵・貪り続ける定→破滅という図式は当然で、見ていて疲れました。「女性が相手男性の性器切断」には、延々と行為を見せるだけでは何だか不足していると思います。何故あれだけ男性に執着したか、精神的な部分とか伝わるものが薄かった。それとも究極、全てを排除しても肉体的な快楽だけのみで男女は繋がれるということだったのでしょうか。 【にーな】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-07 21:55:30) |
34.《ネタバレ》 最終的に愛する者の命を奪うのはある種の美学としては成り立つと思う。ですがそれは犯罪。でも単純に美しいかそうでないかを考える時、平和な恋人達もこちらもどちらも同様に美しいと感じる。これは本来ならただのラブストーリー。ただ赤いビデオはちょっと借りるの恥ずかしい。 【Vanilla】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-11-20 23:46:13) |
33.純粋な愛の形の一つとして分かる気がします。愛の極限と狂気は区別が無いのかも。藤竜也が良い仕事をしています。 【クロ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2006-09-10 12:29:09) |
32.常に物議をかもし日本映画界を困惑させてきた大島監督にしてみればこの露骨なまでの性描写こそが意味のあるもの。つまり露骨な性描写は芸術価値を高めるものではなく、あくまで監督の反骨精神の表れなのだと思う。そういう監督がいてもいいと思う。そして海外での高評価もまたたんなる日本の慎ましやかなイメージと過激なエロスの融合からくる大胆さでしかないような気がする。私自身も作品の中身よりも作品そのものの衝撃が先行してしまい、では映画の評価は?と聞かれると特別に気を惹くようなところは少なく、むしろここまで露骨にしなくたって、、と思ってしまうのです。ただ、二人の情愛で埋め尽くされた映像の中にあって兵隊の行進という一見そぐわないシーンがそぐわないからこその異様さを放っていて、大島監督がこの映画の中で描きたかったものってたぶんここだけなんだろうなと思った。体制批判がトレードマークの監督ゆえに情愛に溺れる二人を肯定したシーンとなっています。あとは全部とは言わないがやっぱり閉鎖された日本映画界への威嚇なのだろうと思う。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2006-09-08 13:50:24) |
31.どんな言葉も評価もいらない、見るなら見ろ!という映画。定がどういう女であろうが、どういう人生を歩んだ人であろうが、そんなことどうでもいいんじゃない。監督のラストのナレーションに-1。 |
30.《ネタバレ》 知ってしまったことを知らないこととするのは難しい。重ねたからだの血と肉の細胞どうしが互いに蹂躙しあい、あるいは混じりあい溶けて常ならざるものに変容してゆく性愛、肉が肉ではなくこころがこころではなくなる濃密な交接を表現するには、これほどの密室が必要だったということか。とはいえ不親切といえば不親切である。多くのシーンをセックス描写に費やさなければならなかったこともあろうが、定と吉が世事を放擲して曖昧宿に逗留し続ける事情や、ややもすると説明になりがちな二人の背後の物語には惜しげもなく鋏を入れられているうえに、宿代のため身を売る定とそれを甘受する吉蔵の表情は観客が心根を推しはかるにまかせられている。だがそれも大島監督のネライにすぎない。多大のケレンを含んで「これはポルノグラフィーです」と見得を切った監督の意図は「知らない人は吐き気をもよおしてもかまいません。知っている人はコーフンした上で涙を流してください」と開き直ることだった。欧米とりわけヨーロッパでの評判が高いわけは云わぬが華のもうひとつのスパイスがある。オレンジ色の行灯の光を障子に映えさせた耽美な映像は、定と吉蔵の血と肉の照り返しであった。私は初回の公開当時、その無残を通り越して滑稽ともいえる検閲に「金返せ」と叫んだクチだが、2000バージョンを劇場で観てようやく積年のウップンを晴らしたというわけだ。上記の感想は当然ながら新版に対するものです。大島監督の一世一代の傑作に満点を捧げたい。惜しむらくは今なお残る検閲のキズアトだが、ならば性器を撮らなければよかったのかということになりかねないので、減点はしません。 【ただすけ】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-04-25 16:46:23) (良:1票) |