4.いわゆるナチュラルさを装った小芝居を潔しとせず、あえて棒読みさせてまでも俳優に
「日本語」を的確に発音させる事を重視してきた監督である。
ここではさらに徹底し、台詞は元より新聞記事から擬音語・字幕まで動員して
画面に活字を展開させ、言葉へのこだわりを見せつける。
映画と演劇とアニメーションが合成され、渾然となる炎のクライマックス。
フィクションとドキュメンタリー。言語と身体。過去と現在。花火と爆弾。
そして現実とファンタジー。
それらがパワフルに一体化し、エモーションを形成する。
花火もよく撮れているが、やはり一輪車に乗った少女の
中空で揺れるようなモーションとイメージがなかなか秀逸だ。