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ファンファーレが鳴り響く

[ファンファーレガナリヒビク]
2020年上映時間:89分
平均点:6.00 / 10(Review 1人) (点数分布表示)
公開開始日(2020-10-17)
ドラマホラー青春ものバイオレンスロードムービー
新規登録(2021-09-15)【目隠シスト】さん
タイトル情報更新(2021-09-25)【目隠シスト】さん
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キャスト笠松将(男優)明彦
祷キララ(女優)光莉
黒沢あすか(女優)
川瀬陽太(男優)
大西信満(男優)
木下ほうか(男優)
あらすじ
明彦(笠松将)は吃音症の男子高校生。学校ではいじめにあっている。ある日、明彦は路地裏で同級生の光莉(祷キラリ)が猫を殺す現場を目撃する。彼女は、流れ出る血、息絶える様が快感だと言った。明彦がいじめっ子に追い詰められた時のこと。偶然居合わせた光莉は、思いがけない行動に出る。“一線を越えた”青春クライムロードムービー。
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1.《ネタバレ》 高校生が現実から逃げ出す場合「引きこもり」や「家出」をするのが通例ですが、光莉は実行に移す気力がなかったため「人殺し」に走ったと考えます。矛盾するようですが、持久力を必要とする「引きこもり」より、瞬発力で可能な「人殺し」の方が、ハードルが低かったのだと思います。また月並みではありますが「猫殺し」が予行演習となったのも間違いないでしょう。果たして光莉は、自らを窮地に追い込むことで、強制的に現実逃避を実現しました。ちなみに彼女は「世の中を変えたい」と口にしますが、これは行為正当化の口実と考えます。自分自身を欺ければ、理由は何でも良かったのでは。明彦にしてみれば完全にとばっちりですが、危ないところを助けてもらった恩(実際は逃避のキッカケを与えただけ)、そして彼もまた逃避願望があったことから、彼女の尻馬に乗りました。ヒロイズムの勘違いもあったでしょう。彼は、なまじ「良い子」であったが故に判断を誤ったと考えます。2人の凶行は常軌を逸しており、彼らの中で「現実感」は皆無だったと思われます。現実逃避をしているから当たり前。まさに夢見心地。シンメトリーな橋脚下シーンが印象的です。「夢」と「現」。2つの世界を私たちは行き来しています。どちら側に居るのか、ときどき不安になりませんか?タイトル「ファンファーレ」はパトカーのサイレン音のこと。目覚まし時計が鳴り響きます。夢から目覚めた2人には、「新しい現実」が待っています。
冒頭のダンスシーン、死んだ猫のツクリモノ感は、本作が「寓話」であることを匂わせます。また殺人の導火線として「猫殺し」エピソードが必須でした。いじめ。腐った大人たち。様々な「言い訳」を駆使して、どうにか荒唐無稽な「人殺しロードムービー」を成立させています。これほどショッキングかつ現実離れした内容にせずともテーマを語ることは可能だったはずで、商業戦略的に刺激過多にした感は否めません。特にアパート襲撃はやりすぎでした。喩えるなら、どこぞのバラエティに出てくる激辛料理。味や栄養が二の次になる料理に、何の価値があるのかと。料理人として、それでいいんですか?と思うのですが。園子温監督あたりの悪い影響もありそうです(決めつけ失礼)。
エピローグについて。2人が犯した罪に対して適正な罰が与えられた形跡はありません。「心神耗弱」「未成年」。減刑に使われたであろう刑法の「チートカード」は悪質で、光莉が忌み嫌っていたはずの「社会のルール」に守られた無慈悲な結末と言えるでしょう。『殺すのなんて簡単なんだからね』は、犯罪加害者には適用されません。とはいえ、映画は因果応報に厳しい世界です。明彦には「報い」が待っていました。当然光莉にも、しかるべき報復があると考えてよいでしょう。守るべき者が出来た今、より厳しい仕打ちが予想されます。その時、彼女は初めて自らが犯した罪と向き合うのかもしれません。明彦の同僚は「罪を背負って生きていけ」と述べました。そう、これが私たちの社会が望む「更生」の姿であります。令和日本版『ボニー&クライド』で描かれたのは「破滅」ではなく「絶望」でした。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 6点(2021-09-16 01:28:39)
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【点数情報】

Review人数 1人
平均点数 6.00点
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61100.00%
700.00%
800.00%
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