16.《ネタバレ》 チャラい孫がいい味を出している。彼が日記を書いていたのね。イライジャ・ウッドもキャラづくりがうまい。ロード・ムービーとしても合格点。 お姉さんが死ななかったことと、おじいさんが銃殺を免れたことに疑問が残る。 銃殺のシーンを見ると立たされているのは数人。あれで目標を外す(しかも無傷)とは考えづらい。単なる設定ミスか? それとも、おじいさんは内通していて、好きだったお姉さんがいない時間帯に踏み込むよう軍人に伝えていたか。 唯一生き残ったことに罪の意識を感じたのか、仲間を裏切った人生にケリをつけたかったのかはわからない。 【レイブンのかなづち】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-24 12:24:42) |
15.《ネタバレ》 いやー、もうね中盤まで延々と繰り広げられるヘンテコな人たちののどかで独特の空気が居心地よくて大好き。主要3人の顔つきがいい。ウクライナの今どき若者のアレックスとその頑固じーちゃん。ユダヤ系アメリカ人E・ウッドの神経質そうな佇まい。偽盲導犬のサミーも欠かせない相棒。 世界でも有数の穀倉地帯ウクライナの広々した畑も森の緑も美しく、交互に入るアメリカンなR&Bと東欧の民族音楽ぽいBGMも妙にマッチしています。流行の先端を気取って米国黒人ミュージシャンを好むのに、素朴にニグロなどと口にして世界標準とのズレが顕わになっちゃうアレックスとか、チップの意味が分からないウクライナの人たちとかはいかにもサービス業など無かった旧ソ連時代の名残を見るようで興味深い。 アメリカから来たユダヤ人青年のルーツ探しと、ガイド役のウクライナ人爺ちゃんの過去が交錯する終盤は、予想もしなかった展開を見せました。圧巻の一面のひまわり畑とその中に守られ保管されていた小さな村の人たちの魂。封印していた自らの過去を自分の手で清算した爺ちゃん。まともに語るには凄惨すぎる戦争の傷も、ゆるゆるとした柔らかな筆致でくるんで痛みを軽減してくれているかのようでした。 「過去が現在を照らす」今をしっかり生きるためにも今につながる過去を知ることの大切さ。チャラ男アレックスのこの言葉にすべて集約されています。余韻の長く残る作品でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-01-08 16:24:00) |
14.《ネタバレ》 なぜ、姉(老婆)は助かったのか…という疑問は置いておいて。 色々解説されていないところもあるが、台詞よりも映像と音楽に重きをおいた構成が美しい。 前半のコミカルな感じから一転して後半はシリアスになり辛かったが、ビジュアルで充分に楽しめた。 |
13.前半はウクライナを旅するロードムービーで、非常に面白かったが、後半が急につまらなくなってしまった。まあ、ナチス関係のメッセージを伝えようとする展開になるとなかなか、コメディタッチにはいけないから仕方ないのだが、そのために、中途半端なロードムービーとなっている。後半部分が、10分くらいに凝縮していればロードムービーとして傑作の部類に入ったかもしれない。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 6点(2014-10-16 14:09:13) |
12.《ネタバレ》 間が好き。言葉のやりとりが好き。ただなぜ姉おばあちゃんとおじいちゃんは助かったのかわからない。なんで殺されなかったの?映像風景が綺麗。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-27 13:09:57) |
11.《ネタバレ》 最初はとっつきにくかったです。イライジャがいかにも内向的なキャラなので、ちょっとヒイてしまって。だけど盲目のはずなのに運転をする変なおじいさんといかにも頭の悪そうな犬、孫であるチャラチャラした若者、犬嫌いのイライジャが、今にもこわれそうな小さなポンコツ車でイライジャのおじいさんのルーツ探しに出発するあたりから、俄然興味深くなりました。で、そんなふうに軽く見せておいて、実は・・というテイストは、とても現代的。それだけでなく、この映画では色んな場面で「裏と表」をそこはかとなく感じさせる作りになっています。「その昔はもっと美しかった」という美しい田園風景の裏にユダヤ人虐殺の悲惨な事実があった、その悲しみを強調する表現でありつつ、人間の複雑さを表そうとしているのかな。その延長上におじいさんの死もあるので、ストーリーをよく知らずに見始めたのですが、唐突な死、とは思いませんでした。イライジャ以外は見たことのない役者ばかりでしたが、みんなすごくいい表情をするシーンがあり、そこも魅力的でした。英語を理解しないおじいさん、現地語のわからないイライジャのために孫がかなりアヤシイ通訳をするシナリオの面白さもさることながら、そのためアメリカ人の嫌う字幕がたくさん出てくるあたりも、旧来のアメリカ映画とは正反対の雰囲気。見終わってから「さてどんな監督さん?」とプロフィールを見て、「スクリーム」シリーズに出続けていた俳優だとわかって、「?」。写真を検索してみて「!」。彼が脚本も書いたんですね。原作もあるそうですが、かなり複雑な構成らしい。厳密に言うと脚本ではなく脚色ということなんでしょうけど、それにしても、ウマイ。お見事! 【おばちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-19 11:26:30) |
10.ナチスが当時ウクライナまで進出していたのは不勉強で知らなかった。そして現在は世界を旅する人たちが増えたけれど、死ぬまで生まれた土地しか知らない人々が世界では大半なのだということをあらためて感じた。残念なのはイライジャ・ウッドはもう少し自然なメイク&衣装にならなかったんだろうか?ということ。でも良かったです。 【kaaaz】さん [インターネット(字幕)] 6点(2010-10-11 03:17:13) |
【K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-01 14:31:10) |
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8.《ネタバレ》 真面目なアメリカ人、ポップなロシア人、ガンコじじい、そしてバカ犬。美しいウクライナの風景、個性的な音楽。全て奇妙で絶妙なバランス。前半は異文化交流の不思議な笑いと、異人種間に芽生える友情の話のようだが、じいさんがトラキムブロドを思い出した瞬間から一転、作品の毛色が変わった。皆さんおっしゃるとおり、一面のひまわり畑は、あの切ない反戦映画のオマージュか。同じ種のメッセージが視覚からストレートに入り込んできた。ジョナサンは「過去を忘れてしまうのが怖い」と言うが、アレックスじいさんは、過去を思い出した事によって、あの選択をした。それまではユダヤ人に差別的な態度を取っていたが、蘇えった記憶の中の自分は、胸にダビデの星のついた上着を着て、処刑から一人生き残ってしまった。そしてその過去を上着と一緒に葬っていた。若き日のアレックスじいさんは誇りと引き換えに生を選んだが、今度は一度捨てた誇りを取り戻し、ユダヤ教徒として死を選んだ、ということだろうか。全体に醸し出すポップな雰囲気の終着点は意外に真面目で、「忘れてはならない人間の誇り」の大切さだった。隠れた名作。原作を読みたい。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-23 16:56:43) |
★7.《ネタバレ》 ホロコーストや原爆のことを風化させないで後世に伝えていくのは人類の義務だと思っています そういった意味で映画人の方々にはこの作品のような佳作を作り続けていって欲しいです 所々に出てくるハッとする映像美が素晴らしいです 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-11-03 17:16:05) |
6.《ネタバレ》 リトル・ミス・サンシャインのように物語の途中で誰かが急に死んでしまうと一気に冷めてしまうタイプなんですが、プレビューを見て覚悟していたせいかショックもあまり受けず観れました。内容も濃いし笑えるところもあるし良い作品でした。ホテルでの食事のシーンが好きです。 【なっぱコム】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-18 23:27:35) |
5.《ネタバレ》 おじいちゃんは本来自分がいるべき場所に還ったんだと思う。あの広大なひまわり畑は、名作『ひまわり』を彷彿とさせ、美しくも切ない。戦争で亡くなった人たちの墓標なのだろう。ライトな「異文化コミュニケーション」映画だと思っていたら、存外に奥が深い「自分探し」のロードムービーだった。犬のサミー・デイビス・ジュニア・ジュニアが可愛い。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-17 11:27:02) |
4.《ネタバレ》 かなり面白かった。前半は。後半の展開は、しらけたの一言。じいさんの自殺なんて、しらけの極地。4点にしようかと思ったが、サミー・デイビス・ジュニア・ジュニアに免じて、5点献上。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-26 01:30:02) |
3.《ネタバレ》 地味な作品ですが、静かな余韻を残してくれました。ヘンテコな3人+1匹の‘異文化コミュニケーション’が笑えますね~。犬の演技が良い映画に悪い映画は無いなあ。そのコミカルなやりとりに少しずつシリアスな内容を絡めて、彼らのルーツが明らかになる演出は巧い。会話のズレが笑いを取る為でだけでなく、作品の中で重要な意味を持っていて唸らされました。後半のヘビーな展開とは対照的な美しい田舎の風景が物悲しく、民族調の音楽が耳に残る…。ホロコーストという重い史実を扱っていても、未来への新しい繋がりで終わるラストは希望が持てて良かった。 【Tweety】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-19 18:56:20) |
2.《ネタバレ》 とても重い内容のロードムービーでした。 もっと軽い内容と思っていたのですが(パッケージから) でも、出ている人たちはとても気持ちよく、怖かった犬も最後には愛らしく感じられ、 おじいさんの自殺にはショックを受けました。 主演のイライジャ・ウッドも良かったのですが、 なんか雰囲気が「シン・シティ」を思わされて、ちょっととっつきにくかったです。 【ぴろしき】さん [DVD(吹替)] 5点(2007-01-12 12:48:05) |
1.ロードムービーは楽しい。いまにもエンストしそうな車での移動、その車内での会話、描写や、最初はお互いにぎくしゃくしていたのがだんだん打ち解けていく、でもヘンにベタベタしてなくてドライな信頼関係とでもいうのかな、そんな感じになっていくのが好きです。友だちの極端に少なそうな変わり者のコレクタージョナサンを演じたイライジャ・ウッド、ハマってました。きっちりと7:3に分けた髪とブラックスーツ、とてもアメリカ人には見えないのよね。ところが尋ねていったウクライナのアレックスは見た目モロアメリカ人なのよ。このアレックスを演じたユージン・ハッツという人、トボけた顔立ちにひょろんとした体系で、インディーズ映画に必ず登場しそうなキャラでした。ベースはナチスによるユダヤ人迫害です。一枚の写真から自分のルーツを辿っていく物語がユーモラスに、でもラストはちょっと悲しいというお約束どおりの展開で描かれているのだけど、何がといわれれば「間」がいいです。そして一面のひまわり畑が出てくるのだけど、イタリア映画「ひまわり」の時はその一本一本が極寒の中で死んでいった兵士たちに思えた。ココではそれがナチスに虐殺されたユダヤ人に思えたのでした。 【envy】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-06-19 11:09:10) |