513.《ネタバレ》 すごく少数派の意見となりますが、自分はこの物語、どちらかというと嫌いです。
なぜならば、彼は長男だ。一家の大黒柱を亡くしたサルヴァトーレ家の長男だ。
にも関わらず、実は他人であるはずのアルフレードの言いつけだけに耳を貸し、
母を残し、妹を残し、村を捨て 一人身軽でローマで暮らす。
その後、30年も母の元へ帰らない
信じられない 母を捨て たった一人の妹を捨てて30年も帰らない。
帰らない理由はなんなのだ。
実は、その30年もの間、母は男手を必要としていたかもしれない
かわゆい息子に一目会いたいと願う母親の想いをどんだけ放置してきたことか
そんな母のことを妹は一人にする事出来ずにずっと傍で暮らし、自分の自由さえも無くしていたのかもしれない (その辺りは、推測の範疇なんですが、)
とにかく、彼にとっては自分の人生だ
やりたい事があるのならば好きにすればいい
どうしてもシチリアを離れたかったのならば、ローマでも何処でも好きなところで暮らせばいい
ただし、ちょっと待ってください あなた長男だったですよね?
一人立ちするまで育ててもらった母への感謝の気持ちは まさか無いのか?
正直、大人となった彼には人間としての暖かみを感じなかった。
そうなると、実際、アルフレードがあの時の彼女への想いを根絶させた事が余計だったことのようにも思える。
現にトトはローマで最高の伴侶と出会ったという風ではなかったではないか
やはり、あの時の彼女こそが追い求めなくてはならない相手だったのかもしれないではないか。
だとすれば 彼は村も離れず、
家族の元で 新しい家庭も築けて
誰にとっても幸せだったのかもしれないではないか
『村を離れろ』・・・ なぜだ 過疎化に繋がる
『決して戻ってくるな』・・・ なぜだ 家族を残して。
『過去を振り返るな』 なぜだ・・・ 別に悲惨な過去を背負っているわけでもないのに。
ただ、アルフレードが青年期のトトに押し付けた言葉が別に悪い事だったとは思わない。
ただ、その言葉に 単に従い、村を捨て 母を捨て 妹を捨て
30年間もの間、村へ帰らなかった大人のトトがどうにも好きになれなかった。
というわけで、ここらでそろそろやめます。
なんか、変に感情的になってきてしまったし、文字制限にも引っかかってしまったみたいだ。ですけん、さようなら。