2.すばらしいほどにワカリヤスイ内容の、この若親分シリーズ第6作。タイトル前にいきなり発生する殺人事件。その敵討ちを誓った若親分、何を思ったかとある料亭の板前となり(これが妙に似合う)、下手人を探し求める。芸者として身をやつしている、元上官の娘との出会いなど、様々なエピソードが都合よく絡み合い、都合よく物語を推し進めていくあたりは、気持ちいいほどスカスカ感があって、観ててスカッとします。正体を明かせない若親分、あくまで自分は板場に立つ身、と、常に一歩引き、理不尽に対してもぐっと耐えているつもりらしい。が、そこはそれ、脚本家のサービス精神によって、何かといらぬ一言を発したりするもんだから、案の定正体がばれ、「イヨッ待ってました、さすが若親分」的な展開となって、観ている我々は気持ちよく何度も何度も溜飲を下げられるという趣向。いやあ何ともポテチン(←?)ですな。