70.《ネタバレ》 相米映画は荒唐無稽な反面、いつもその「重心」をしっかりと大地におく。主人公たちは絵空事の住人でありながら、まるで万有引力に則るようにその足を地に着ける。相米慎二は本作の薬師丸ひろ子をはじめ起用した数々のアイドル女優たちにシゴキの一環としてたびたび四股踏みをさせたというが、四股はまさに大地を両の足で力強く踏みしめる行為だ。彼女らは突飛な世界を生きながらも現実世界の私たち同様、ふわふわと空を翔る自由ではなく、重力に従い地上につながれる不自由=体重を持つのだ。たとえば『台風クラブ』の工藤夕貴は教室の窓枠に頭を挟み、自らの体の重みを感じる。『雪の断章ー情熱ー』の斉藤由貴も、バイクの後部座席でのけぞりアスファルトすれすれに重心を傾ける。重力を体感するように幾度となくプールや川の水に落ちる『ションベンライダー』の河合美智子もそうだ。幽霊として存在する『東京上空いらっしゃいませ』の牧瀬里穂ですら、つかのまの生命と引きかえに確かな重みをもって地上へと落っこちてきた。相米映画において「生きる」ということはつまり、大地を踏みしめる自らの体のその「重み」なのだ。重力に負け、落下するピンポン球よろしく「重み」を汚泥に突き刺す『台風クラブ』の三上祐一はその逆説だろう。本作『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子も例外ではない。まるで両手で地球を支えるような「えび反りブリッジ」という異様な体勢で登場し、地べたに座り込み、さらには堂に入った四股踏みまで見せる彼女は、ヤクザの居並ぶ校門へとおっかなびっくり、けれど一歩一歩踏みしめ進む。彼女はその意味でまさに相米映画の申し子と言える。だからこそ彼女に迫る危機は、クレーンやら十字架やらに吊るされること=その足を地上から切り離されることとして表現される。遠景の長回しで延々捉えられる雑居ビル屋上での終盤、表情すら識別できぬ豆粒のような薬師丸がそれでもやるせないかなしみを強烈に発散させるのも、豆粒ながらけなげに動き回る彼女の一歩の重みがちゃんとそこにあるからだ。王道アイドル映画的ラストも同様だ。地下鉄の通風孔の上、翻るスカートから覗く薬師丸の脚。履きなれない赤いハイヒールでそれでもゆるぎなくしっかりと、彼女はそこに立つ。はちゃめちゃでくだらないこの物語を駆け抜けた薬師丸ひろ子の、そして星泉の、小さな、けれど確乎たるその生命の輝きと重みが、間違いなくここにはある。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-04-02 16:32:27) |
69.当時はそこそこ面白かったんですけどね…。今見ると突っ込み所満載のB級映画にしか見えませんね…。それでも別の意味でいろいろと見所はあったかなと思います。 【もんでんどん】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-09-10 13:19:06) |
68.薬師丸ひろ子の出世作。演技もなんもない頃だが存在感がすごい。それと、タイトルが秀逸。 【わさび】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-08-19 10:25:32) |
67.この頃は薬師丸ひろ子のよさがわからなかった。 【レイン】さん [地上波(邦画)] 5点(2009-08-12 00:00:23) |
★66.ヤクザ映画に薬師丸ひろ子が乱入したような内容。 冒頭から駄作のにおいが漂っている。 ストーリーも映像もアマチュア映画のようで、見どころがない。 薬師丸ひろ子は素材はともかく、髪型がブサイク過ぎてまったくきれいに見えないし、 セリフの内容もひどくて聞いていられない。 風祭ゆきのほうが全然きれいに見える。 薬師丸ひろ子を抜きにすれば、麻薬を巡って血みどろの抗争をする 下劣きわまるヤクザ映画でしかなく、しかもだらだらと長くてひたすら苦痛だった。 こんな一片のとりえもないような駄作を、現在や未来に伝えていく意味はあるのか? ないんじゃないの。 【且】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-07-05 22:35:12) (良:1票) |
65.今見ると古臭く感じますが、当時は角川映画の時代でしたねぇ。酒井敏也が良かった。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 4点(2009-03-04 23:11:50) |
64.《ネタバレ》 アバウトな記憶はあったのですが、今回改めて拝見させて頂きました。今、この時代・この年で冷静にみると結構よく出来てます、というかぶっちゃけ面白かったですよ。確かに当時は角川からリリースされたアイドル物なのでしょうが、特徴的なカメラワーク=長回し…すごいですね、これは。 遠~くからのロングショット…屋上のシーンは、終わっていくことの切なさの表現でしょうか…。 いまみてもゴージャスな出演者 当時羽振りがよかったんでしょうねぇ&みなさん若い! 薬師丸ひろ子の若さあふれる演技(若干棒読み気味(苦笑))は微笑ましくもあります。いろんな意味での見どころも多く、特にクレーンでじゃぶ~んのシーンはめちゃくちゃ・当時人気絶頂アイドルですよ(笑) いや~~大変楽しく観ることが出来ました。 【Kaname】さん [インターネット(字幕)] 6点(2009-02-06 08:39:53) (良:1票) |
63.“観た映画は全てレビュー”を目標に昔観た映画も記憶を掘り起こしながら投稿しているので、一応レビューしとく(笑)。かなり話題になったので興味はあったが、小遣いはたいて映画館に足を運ぶほどのものではないと判断した当時中学生の私。気長にテレビ放映を待つ間に原作を一読。原作読んだ後も、実際にテレビ放映があって本作を観た後も、自分の判断が正しかったのを実感したものです。同年公開のアイドル映画でも、あんなに演技の下手な聖子ちゃんの方が、文芸作品をしっかりと撮ってもらえたのになあ(野菊の墓)。まあ映画はクソだが、薬師丸ひろ子のアイドルとしての地位を不動のものにした、記念碑的作品としての価値はあるだろう。 【あっかっか】さん [地上波(邦画)] 2点(2009-01-29 13:24:11) |
62.うわぁつまんねえ・・・。 と素直に言える、そして誰かに同意を求めたい感じの映画ですね。 角川映画ってほんっとにクオリティが低い!この時代にこんな物作ってたから現代の映画に何の蓄積も残されてないんだと妙に納得できます(笑) アイドル映画ってホントひどいなぁ。昔に見ておいて良かった、現代にこんな物見てたら時間の無駄と思えるほど。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 3点(2008-10-13 00:18:04) (良:1票) |
61.確かに出来としてはそんなに大した映画じゃないような気がするけど、好きか嫌いかて言われると嫌いではない。では、好きなのか?と言うと、これまたそれほど好きなわけでもない。相米慎二監督の映画って、昔は苦手だったけど、今、見直すと所々で不思議な魅力が隠されているような感じが漂うのである。この映画における薬師丸ひろ子の存在、これは薬師丸ひろ子だからの映画って気がする。最後にやはりこの映画のタイトル、これが私は一番良い気がしてならない。だって、セーラー服だよ。すいません。セーラー服が嫌いな男なんてまずいないでしょ!学生服と機関銃だったら絶対に見てないよ。まあ、なにわともあれ、薬師丸ひろ子のファンの為の映画であることは間違いないわけでして、個人的には「Wの悲劇」は別格として、その次に薬師丸ひろ子で直ぐに思い出す映画となるとこの映画です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-10-12 15:07:26) (笑:1票) |
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60.《ネタバレ》 アイドルを用いた映画として,だいぶ後にテレビ放映を観た「セーラー服」と「私をスキーに」ですが,どちらも一種のファンタジーでしょうが後者がゲレンデのプロモーション映画で観客に参加の心を喚起することを意図させるのに対して,こちらは子供向き人気作家作品のありえない状況の映画化ですから監督としてはコミック路線で作ったのでしょう。冒頭の背を反らせて「カシバの女」を唄う変な高校生が最後に生足に赤い靴で取巻き男子生徒達から離れての大人の性を表現することで意地を見せたのでしょう。その契機は勝手についてきた野良犬のペット(?)が死んでしまったからですから手向けのファーストキスもその一環として納得はできる筋書きです。しかし射撃直後の機関銃には相当に面の皮が厚くても顔を寄せては大変です。 【たいほう】さん [地上波(吹替)] 5点(2008-08-07 23:37:30) |
59.《ネタバレ》 「ションベンライダー」同様、登場人物たちの感情がさっぱりわかりません。行動には必ず動機が必要ですが、この作品に出てくる子どもたちの行動の動機がまるで納得できませんでした。一体なぜそんな発言が出てくるのか、なぜそんな行動ができるのか、どれもこれもさっぱりわかりません。この作品の公開当時は、理解できたのでしょうか。あの時代の子どもたちは皆、あんな感じだったのでしょうか… 【ボビー】さん [地上波(邦画)] 5点(2008-08-07 22:15:32) |
58.薬師丸ひろ子がアイドルだった頃の最高傑作です。今見るとちょっとキツイ演出、演技も多々あるけれど、まぁ笑って許せる範囲ではないでしょうか。アラは多いのでそんなことを気にせず(アラ探しをせず)に観れる人のみ楽しめる今は懐かしい作品です。たまに深夜TVでやっていると観てしまいます。 【リニア】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-05-04 19:26:30) |
57.相米慎二監督の第2作。普通アイドル映画というのは主演俳優のアップを多用した作品が主だと思うのだが、この映画は主演女優である薬師丸ひろ子のアップが極端に少なく、望遠レンズを使って遠くから撮影された映像が多く時には顔が識別できないほどであったり、驚異的な長回しがあったりして本当にこれがアイドル映画なのかと半ば疑いたくなったと同時にちょっと新鮮に感じた。でも内容的にはいかにもアイドル映画という感じで何か軽いのがなんともアンバランスな印象。ただ、三國連太郎の演じたキャラはアイドル映画に出てくるようなキャラとはとても思えなかったので強烈に印象に残った。テレビで放送されていた「釣りバカ日誌17」を見たばかりだったのだが、見比べてみるとスーさんよりはこういう大物悪役のほうがうまい気がする。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-01-08 03:48:42) |
56.今なら絶対に観ないジャンルの映画です。ですが当時は薬師丸ひろ子のファンだったし学生だったし・・・若気の至りですハイ。当時の思い出と薬師丸ひろ子の(当時の)かわいさに3点のところプラス2点献上。 【SITH LORD】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-08-15 23:34:14) |
55.《ネタバレ》 三國の役どころ・・・・う~ん子供には見せられない。。。 |
54. ずいぶん昔に見た映画です。久しぶりにBSで見直しました。まじめに語るような内容は一つもありませんが、柄本明や斉藤洋介の若い頃の映像が見られて良かったと思います。くだらないストーリーながら渡瀬恒彦はいい味を出していたと思います。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-21 14:24:54) |
53.角川らしいアクの強い映画。凝った構図に派手な展開。娯楽性には富んでいます。ただ何かしっくりきません。たぶん主人公の心の動きが見え難いから。普通に考えれば、主人公の境遇はとんでもないもの。だのに彼女は動揺したそぶりを見せません。ただ、淡々と流れに沿って生きている。人の死が重く感じられない。だからクライマックスの殴りこみにカタルシスがありません。自分には別世界の物語に感じてしまいました。薬師丸の演技の問題というより、キャラクター設定が“新人類”のはしりだったような。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-18 00:21:48) |
52.すげえオカルト映画だー!!原作を読んだ直後に見たのですが、原作のいい部分がまったく反映されてないどころか、ストーリー代わりまくりだし、カメラのアングルも何であんなに遠くの方から写してるんだろうと思ったり、かなり雑に作られた映画でした。これは薬師丸裕子が好きじゃないと見れない映画ですね。原作が好きな自分としてはとても残念でした。 【SAKURA】さん [DVD(邦画)] 0点(2007-02-24 14:39:16) |
51.この映画を現代的(90年代以降の?)視点で見てしまうとダメみたいですね。いわゆる”流行モノ”の典型的なダメ映画であり、意味不明(理解不能)なシーンが多すぎます。でも、良くも悪くも多くの人が観ているわけで、20数年が経過してドラマでリメイクされる等、それなりに存在価値を放っている力強い?作品なのだと思います。 【長毛】さん [地上波(邦画)] 5点(2007-02-11 02:17:56) |