17.《ネタバレ》 トリフォーの中で一番好きな作品。溝口作品にも通じる「女は怖い」映画。ちょっとした火遊びが、ラストの悲劇まで一直線に通じる映画です。 見ている間は、ゾクゾクする。男1人に女2人の三角関係。理詰めでは馬鹿だなあである昼メロ的なシチュエーションだが、とにかく良い。トリフォーは女性に苦労したのだなあと 思える映画です。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-12-21 13:36:26) |
16.《ネタバレ》 これまたどベタな昼メロ系不倫もの。でもしかしあのトリュフォーが撮ったということが大きな違い。陰影のある構成はそんじゃそこらの人とは違いますよ&ラストはなかなか衝撃的でした。 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-15 14:58:23) |
15.《ネタバレ》 トリュフォーってやはり凄い、と見直してしまう。長回しのパンで隣接を撮る、が、まったく無駄は無く、恋愛という単独性の中へ中へと観客を引き入れる。興味深いのは、長回しの偏在カメラからすれば男の側から偏重でもいいところだが、女の側からもほぼ平等の配分の語りであることで、そもそもナレーターとしての傍系人物を設ける語りなのである。だから、客観的な語りのなかに、抑えようもなく噴出する情炎の魅力。 【ひと3】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2015-08-07 00:16:05) |
14.感情のシーソーゲーム。どちらも相手に対して完全には優位に立てない。男は招待パーティから逃げてしまい、友だちとしてやっていく可能性を封じてしまう。夫の留守に逢引するのは乗ずるようでいやと言っていた女も、その禁を破ってしまう。ひとつひとつ障害となるべき葛藤を破りつつ越えて、破局へ歩んでいく、その道行きの味わい。ひそやかな不倫の緊張が、パーティの席で解き放たれるのは、破局でもあるが快感でもあった。偶然の出会いまでは、それぞれどうにかやっていたわけで、別に死んだような人生だったわけじゃないのに、もうダメ、こうなってから振り返ると、もう後戻りは不可能。この情熱の不合理、心の奥に潜んでいるものの不気味さ。こういう破局の快感でしか、解き放たれない魔があるんですなあ。「隣」と言う曖昧な関係の設定がいいんだな。友人のように深くは立ち入らないが、微妙に付き合っていかねばならない。赤の他人より、他人を意識する関係。そこに最も深く心が関わる人間が据えられてしまったことによる、ひずみ。ヒロインを神経衰弱にしたことは、トリュフォーの好みなんだろうが、ラストを弱めてはいなかったか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-09-23 10:05:21) |
13.暴走愛をサスペンスタッチも入れて、上手に描いた映画でした。ファニーアルダンの三角の目が気になってしょうがなかった。でもこの女優、トリュフォーの最後の恋人だったんですよね。チャーミングなんでしょうね。自分としてはドパルデゥの奥さんの方が素敵だなぁなんて思いましたが。こんなラストで終わったら、この奥さん、これからどう生きていけばいいのか、悩むんじゃないか、などと考えてしまった。映画では古典的な演出が気になりましたが、ヒッチコックへの敬意の表れなんでしょうね。フェードインフェードアウトが多かった。でも今、気づいたんですけど、今の映画はこんな場面展開しないですね。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-21 21:23:58) |
12.《ネタバレ》 一緒にいると苦しい、しかし一人では生きて行けない・・・、なんか分かるなぁ~。いや、分かっちゃうのがイヤなんだよなあ。こういう恋愛は、とにかく心の消耗が激しい。安らぎなんて夢のまた夢。・・・だけど、そういう相手が、いきなりお隣さんって。もう、先には「破滅」しかないじゃない。そう、このエンディングがまさに「正しい」終わり方。分かっちゃいるけど、自称、常識派で理性的で小心者の私としては、「早くどっちか引越さんかい!」とか「だからぁ、そこで行っちゃダメなんだってばー」とか「家族はどーするんじゃ?」とか、ツッコミ入れずにいられない。そんな要素を入れれば、この作品は成立しないのは百も承知なのよ。なかにし礼じゃないけど、やっぱり映画ってのは「公序良俗に泥を塗」ってなんぼでしょうね。だから、これは「正しい破滅型恋愛映画」なんです。そーなんです! 【すねこすり】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-01-15 16:47:52) |
【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-09-03 16:23:17) |
10.破滅に向かって一直線。フランス映画ってこういう展開が多いかなと思う。それはそれでとても美しい。でも、一歩間違えばただのメロメロ。でもいいじゃん。それで。美しければ。もちろん、映画での話ね。現実にこういう展開、単なる迷惑です。 【いのうえ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-20 23:39:11) |
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9.《ネタバレ》 シンプルかつ、インパクトの強い構成。まず決定的な結末があって、そこに向かって全体のエピソードが無駄なく積み上げられているという感じ。そのため、ラストのショックが凄まじい。非常に洗練された、隙のない脚本だと思う。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-26 19:29:55) |
★8.マックイーンの幻の迷作”民衆の敵”の劇場予告を観るために2回も観に行った。私的に、めずらしい作品。中学のとき新宿、わすれもしない、この”隣の女”の次回上映が”民衆の敵”だったのだ。しかし、中学生心に非常に暗く、あまり面白くなかったのと、濡れ場を特に記憶している。ドパルデュ、ごめんなさい。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-08-18 00:41:16) |
7.妻子ある男(ドパルデュー)の隣に昔の恋人(アルダン)夫婦が引っ越してきた。アルダンの誘いに、最初ドパルデューは逃げるけれどもついに関係を結ぶ。二人の会話から、以前の二人の関係を次第に明らかにしてゆく手法が面白い。そして今度はアルダンの方が逃げる、ドパルデューが追っかける。ついには衆目の前でドパルデューが大胆な行動に。追えば逃げ、逃げれば追っかける男の姿があまりにもステレオタイプで途中吹き出しそうになりました。アルダンは昔の恋人を手玉に取るたいした小悪魔ちゃんなんだと思っていた。ところが、アルダンも悩んでいた。神経を冒されるぐらいに。こうなると、最後どのように決着つけるのかしら。まさか「お互いに離婚して結ばれる」ではあまりにも凡庸。そして迎えたラストシーンは・・・・・完璧でした。最後の言葉「あなたと一緒だと苦しすぎる。でも、あなたなしでは生きられない」。まさにその通りのエンディングでした。ただ一つ難点を上げれば、アルダンのそういう気持ちを、映像で十分表現できていなかったような気がします。 【ひよりん】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-27 17:01:42) |
6.《ネタバレ》 困るよね。隣町なら大丈夫でも隣は困る。 フランス映画が描く狂気の愛はあまりにも激しくて、そんなたいそうな、とまずは思うんだけど、「彼らがそうなってしまうのもいくらかわかる。同じような気になることもあるけど多くの人はそこを持ちこたえているのよ」と考え直すと俄然現実味が増してくると思う。 無難な相手と結婚した場合は、他の存在が入り込みやすい、、と思う。 ドパやんの奥さんはアルダンと何もかも対照的で、いわゆる良妻タイプであるが、女の誰もが持っている恥ずかしい面(男性にとっては魅力となーる!)を端々に見せる。これがアルダンに走る男の心を援護してるように思えるわ、監督さん上手いわね。 それに今作は「迫られたら退く。退いたら迫りたい。迫ったら退かれる。退かれたらもっと迫りたい」なる基本中の基本を大柄な二人がこれでもかと見せてくれる、あーなんちゅう繊細で過激なこと。 トリュフォー監督は、後期になるとうんとわかりやすくなる。 これは監督が年を取り、年を取った私が観ている故だと思う。(思い過ごしかもしれんけど。)まぁとにかく吐く場面(←一瞬よ)までもが美しいと思えたのは今作が初めてでした。 ♪東京ロマンチカ「君は心の妻だから」が染みて、そばにいる人が1番でないかもしれないと密かに思ってる中年世代にちょっとだけオススメ。 【JAPANESE.551】様案:愛の公式に入れると・・今の私は「半分幸せ」です。昔の私は 「幸せ」です。あぁ、飢えてる。。 【かーすけ】さん 8点(2005-01-21 16:45:59) (良:2票) |
5.結構、重いテーマですね。逃れられない泥沼恋愛地獄とでも言うのが適当なのだろうか。一途で、純粋であればあるほど、周りから見ると異常なほど激しい恋愛に思えるのかもしれない。見方を変えると、相手を愛すると言うより、自分の欲求を満たすためだけの行為に思えてくる。相手にされなければストーカーにもなりかねない。主人公二人の心の葛藤が生々しく、トリュフォーの描く恋愛の複雑な側面が良く表現されている。惹かれあう者同士でなければ恋愛は成立しないが、お互いの欲求を満たすだけでは幸せにはなれない。 【パセリセージ】さん 8点(2004-12-12 22:58:56) (良:2票) |
4.こういう恋愛も、燃えられるうちは良かったなあ、と熱い想いが蘇ってくる。何ごともやりすぎは良くない。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2004-10-24 11:04:07) |
3.テニスコートの経営者のおばさんの恋は確かに究極の恋なんだろうが、主人公二人の恋はよくよく考えれば大人の普通の恋愛である。いっしょにいると苦しいが一人では生きてゆけないという愛のカタチは結局のところ大人の恋愛は得てしてそういうものであって、トリュフォーはそれをリアルに描いたにすぎないのではなかろうか。しかしながらこの恋物語は、愛を肉欲でしか表現できない大人ゆえにタチが悪い。お互いに家族があり、しかも男には子供がいるという設定が最悪な後味を残す。”恋は盲目”とは思春期の男女だけのものではないということか? 【R&A】さん 5点(2004-06-21 19:25:24) (良:1票) |
【MjB】さん 6点(2004-03-09 01:08:47) |
1.ラストのマダムジューヴの台詞がベルナールとマチルドをスバリ言い表しています。空家で体を重ねる二人。何時までも苦しむ恋を続けるのだろうと思った矢先の結末に、側に居て欲しいと切望するときに限って居てもらえない、道ならぬ恋の現実、道ならぬ恋の寂しさを腹に呑み込めない者の行き着く果てを見るようでした。自分はマダムの台詞の逆が幸せなカップル、夫婦、不倫の二人だと思います。 |