39.冒頭、保安官役でお気に入りのロン・エルダードが出てきた時に「こりゃただの親切なおまわりさんで終るはずない、絶対絡んでくる」と予想してそのまま鑑賞することにしました。 この映画のキーワードは「家」と「執着」でしょうか。母も兄も出て新しい道を選んだのに対しキャシーがあそこまで家に執着するのは家が大事なのではない、子どもを産むことを拒絶された上に去っていった夫、ひとりぼっちになった彼女にとって父の遺した「家」はたったひとつの拠り所、自分の存在を証明する唯一のものだからじゃないかな。けれど大佐の奥さんの暖かい心に触れ家はどうでもよくなる。母国を追われアメリカに亡命したイランの元大佐はアメリカではなんの効力もないにも関らず大佐という肩書き、身分を捨て切れず執着している。保安官は「自分の家と家族」はあっても心が満たされずにいる。 ひとつのことに執着し続けたキャシーと大佐、強引に前に進もうとした保安官。相手の事情、心情を考慮せず信じず、自分を押し通すことが最悪の結果を招いたということでしょう。皆性悪の悪人ではない、特に大佐の息子に罪はない、これが悲しいですね。この三者を結びつけたのが行政ミス、大佐が亡命するに至った理由も国の都合なのでしょうか。アメリカだからの話じゃないですね、ただ、そこに銃があるかないか、警官がすぐに発砲するかしないかの違いです。 現実的な社会を背景にして人間の業を描き、問題提起しているモノというのは国や民族文化が違ってもあらゆることに共通、通じることだと思う、この映画は「対岸の火事」じゃないですね。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-04-27 12:59:24) |
38.《ネタバレ》 ストーリー展開の巧さ、ベン・キングスレーをはじめとする出演者達の素晴らしい演技、美しい映像と良く出来ている映画です。ただし、非常に後味の悪い作品でした。 内容については、ドライで利己主義的な他民族国家であるアメリカならではの物語であるなと感じましたね(日本もだんだんこういう風になっていってしまうのでしょうか・・・・・)。また、あのアホの保安官はまさにアメリカを象徴するような人物でしたね。 個人的には、やはり役所のミスで不幸にも競売になったのだから、大佐は役所から購入金額と諸費用(改築費や引越し費用等)を受取り、家を元の所有者に返すべきだと思うんですけどね。まあ、イランで偉い人だっただけに面子を保ちたかったんでしょうが・・・・。 【TM】さん [DVD(吹替)] 7点(2008-02-04 18:38:12) |
37.本質的な意味は私にはわかりませんが、作品の構成には隙がありませんし、映像も美しく良い作品だと思います。伝統的な威厳をもった国(社会)と、歴史は浅いけれど世界の警察官に成り上がった、ややはすっぱなアメリカ社会とを比較した作品なのかなあ(前者の代表がベラーニ大佐で、後者の代表がレスター警官ですよね)。その中に家族の関係も入ってきて、国家・文化と家族の関係を融合させて深みのある、美しい作品に仕上がっていると思います。 【ひよりん】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-11-04 12:42:50) |
36.《ネタバレ》 非常に点数がつけにくかった。この映画が真に何を語りたいのかが私には完全に理解できなかったが、人は何かの判断やタイミングを間違えたとき全てが悪く働くのだと痛感した。わずかな所得税で強制退去とはかなり強引な脚本のような気もするが、最後にあのような展開になったのは誰のせいでもなく、ただ郡がちゃんと行政を行っていればよかっただけだと、特に今の日本の中央省庁の役人に見せてやりたい。話自体はとても「綺麗」だった。 【超甘味王】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-28 12:44:03) |
35.《ネタバレ》 見終わった後はやるせなさしか残りませんでした。ベラーニ一家も主人公も警官も決して悪人ではないのに、あんな結末になるなんて・・・私は主人公よりベラーニ大佐に完全に惹き込まれていたので最後は涙が止まりませんでした。後味は良くないのでたぶんもう観ることはないと思うのですが、それぞれの心境の微妙な変化は上手に表現されているし、映像も美しいし、悲しい物語を観たいという人は1度観ておいて損はないと思います。 【クリスタル】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-04-13 17:19:12) |
34.《ネタバレ》 これは評価に難しいな。父であるマスード大佐の子ども達(特に息子)に対する愛情の深さがとても印象的に演出されていると思った。両者が互いに歩み寄り、解決の糸口が見えてきた処から、あっという間に悲劇へと突き進んでいくラストは悲劇としか言い様がない。ベン・キングズレーの熱演良かった。 【アンナ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-10 13:02:52) |
33.《ネタバレ》 配点の内訳は、脚本に5点、美しい映像に3点、B.キングスレーの迫真の演技に3点、後味の悪さに-5点、合計6点です。 ベラーニ大佐一家が全滅するエンディングは後味が悪すぎです。 ついでに言うと、ヒーロー気取りのバートン副保安官は引っ込んでいれば丸く収まったのにね。 途中、雲の動きを捉えたカットは美しい映像美だったと思います。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-22 00:04:22) |
★32.《ネタバレ》 誰が悪いとは描かないということが製作者側の意図らしいが、身勝手でいい加減な女が逆切れしてるだけにしか見えない。そこにアホな男が登場して、まとまりかけてる話を無理矢理ややっこしくして、悲劇的な結末を迎える。なんともアホらしい。それぞれに立場があってどうこうということを描きたいのであれば、あんな結末にする必要は特になかったように思います。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 3点(2006-05-21 20:37:39) |
31.《ネタバレ》 面白い。無駄なシーンがないので、集中して観ることができた。自殺を助けた家族が全員死ぬ展開はいまいちだな。ラスト以外は完璧でした。 |
30.この映画にしろ、「ペイ・フォワード」にしろ、もうマゾヒスティックな物語はやめてくれ。 【メロメロ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-01-23 01:15:38) |
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29.911以後やたらアメリカの病理を描く映画が多いです。本作もその範疇に入るでしょう。自分がちょっと前に映画館で観たヴェンダースの「ランド・オブ・プレンティ」、ワインの世界をを描いた「モンドヴィーノ」なんかでもそうです。なにも「華氏911」とかいうあからさまなのじゃなくてもそんなのが多いです。創作をする人々は時代の空気を表現したいものだそうです。それは単に英雄気取りでアメリカを悪者にしているわけでもないし、サヨってわけでもないでしょう。アメリカ人監督なら相当な危機感をもって自己反省しているのだし、他国の監督ならアメリカに将来の自国の姿を見ているのです。そりゃ自己満足はあるでしょうけどね。私のレビューよりはないでしょうが・・・。国家のあり方や時代の空気なんて我々個人に関係ねえよ、いや、あんまり関係あって欲しくねえ・・・と思っている私ですが、そういうものが実際に個人をどうしようもなく不幸に陥れることもあるし、人々の精神に影響を与えているのは間違いないでしょう。こういう政治的な観方は本来嫌いなんですけど、近年の一連の同じ系譜の映画の連続がそんな観方を強要しているかのようですし、そういう観方をすれば本作も結構すんなり納得いくところが多いです。ヘタレ警察官はあまりに見事なアメリカぶり?でちょっとやりすぎかもしれませんが・・・。でも、本作はそういうことがメインの作品では全然ないと思いますけどね。人それぞれの不幸の度合いは比較不能で、誰が特に悪いわけでもなかったり、みんなが悪かったりで解決不能な問題が世の中にはあります。比較不能な価値の対立があります。本作はそんな表現し難い泥沼の世界のあり様を傍から見ればどうでもいい醜い小さな争いに凝縮し、悲劇的に美しく描いています。私ごときには言葉で本作の感動をうまく表現できないのが残念です。自分の文章力と脳ミソではこの作品の不思議な感動と憂鬱を表現できないのです。そこで上っ面をなぞったレビューもありかな・・・とアメリカ嫌い的な文章になっちゃいました。ごめんなさい。こういう観るからに出来の良さげなのは好きです。映像についてはカメラワークとか知りませんけどキレイでしょ?。玄人受けしそうで高尚だからって私は嫌うことはありません。鼻についてもそれはそれで讃えてやればいいじゃないですか。監督の次作期待してます。 【しったか偽善者】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-17 23:20:04) (良:1票) |
28.ちょっとした行き違いで人は不幸になりうる。重苦しいけど、良い映画でした。 【H.S】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-24 18:30:33) |
27.ジェニファー・コネリーが可愛い。ベラーニの演技を見て欲しい。 かなり凝った作品だと思う。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-16 19:32:34) |
26.前半は、誰が特に悪いというわけでなく、降りかかってきた不幸という感じだったのが、あの保安官のせいですべてが台無しになってしまった。アメリカの税の書類なんてあんまり見てもわからないし放置しがちなものなので、起こりうる不幸という目で見てしまった。まあ家を持っていないから差し押さえられる心配はないんだけれど。それにしてもあの親子は24でも親子だったということを忘れないようにしたいな。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-07 22:42:50) |
25.《ネタバレ》 先が気になるので最後まで我慢して見ましたが、不愉快な気分になる映画でした。原作を読めば詳細がわかるのかもしれませんが、なぜジェニファー・コネリー演ずるキャシーがあそこまで堕落してしまったのかがわかりませんでした。やめていたタバコと酒を口にしても特に変化しなかったので、タバコと酒は原因ではないらしい。子供が欲しいかどうかで夫婦の意見が食い違って夫が出て行ったと言ったけど、それだけであそこまで無気力な生活になっちゃうものか? 実は彼女が夫を殺していて、あの家の床下から夫の死体が出てくるのではと推測していましたが、そういうどんでん返しもありません。あの女はただのダメ女で、あいつが諸悪の根源なのに、なぜか彼女だけが生き残り、何の罪にも問われないという、なんともやりきれない話。それにしてもなぜあの保安官は家族を捨ててあの女に走るかね? いくら奥さんに女としての魅力を感じなくなったとはいえ、奥さんは良妻賢母なのに、キャシーみたいな不幸と堕落のオーラを出しまくっている女のために家庭を捨てちゃうなんてバッカじゃないの。キャシーが美人じゃなくて、デブでブスだったらあり得ない話。ベン・キングスレー演ずるイランから亡命してきた大佐が、生活のために二つのブルーカラーの仕事をしながら、食事をスニッカーズですませて小遣い帳をつけ、家では大佐としての威厳を保とうとしている鬼気せまる演技はすごかった。それにひきかえ、キャシーのダメダメさは腹立たしい。 【チョコレクター】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-11-12 09:21:32) |
24.かなりこなれた映画じゃないですか?!クロウと受けしそうですね。僕は 女もベラーニも悪くないと思う。 お互いの主張はしごく当然だし、ただしインゲマル?!だっけか?アメリカナイズされてスケボー小僧だし、警官はまさにコンサーンレスのアメリカ人そのもの。現在の中東アメリカの関係に、アンチテーゼを鋭く突き立てているような、素晴らしい映画ですね。お互い後悔するぐらいなら、お互いがもっとしなやかに為るべきだったね。詰まるところ銃(武器)と言う存在が、悲劇を生む切欠になっている。憲法9条、靖国問題、我々も襟を正さねば、同じように悲劇を生む事を、学習しなければならないね。 【Pizz】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-21 03:22:23) |
【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2005-10-19 12:51:16) |
22.《ネタバレ》 なんともまあ後味の悪いものを観ちゃったな、というのが正直な感想。どんなキャラクターであろうとその人なりの魅力を見つけるのが得意な私が、メインキャスト3人の誰にも感情移入できなかった珍しい映画。中でも保安官の男は間違いなくキング・オブ・大バカ野郎で、その暴走ぶりはただひたすら人間の愚かさを表現したかったのか?と思うほど。浅はかで身勝手で薄情でバカで…私の映画鑑賞史上まれに見る「愛すべき点がどこにもない」救いようのないバカ男だ。こんなヤツのせいで早死にしてしまったベラーニの息子が可哀想すぎる。キャストの演技力に敬意を表して3点献上。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2005-10-12 23:50:37) |
21.《ネタバレ》 『人の物を取ってはいけません。人を傷つけてはいけません。思いやりを持ちましょう』 ドラマ“ひとつ屋根の下”で兄チャン(江口洋介)が何度も口を酸っぱくしてそう言ってただろうがよ!キャシーとベラーニは柏木家に出向き、人を思いやる気持ちを学ぶべきでした。醜い争いは不幸な結末しか招かないよ。それにしても、ひとつの家を巡って両者の異なる思惑が引き起こしてしまった惨劇とはいえ、そのきっかけを作ったともいえる郡は一切責任を問われないんですかね。 【Minato】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-23 22:08:03) |
20.はっきり言って評価が難しい。たぶんこの映画は俺には向いてないんじゃないかって思う。 【ゆきむら】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-05 16:19:53) |